リウマチにおけるテーラーメード治療の可能性
2015年07月12日 治療戦略
リウマチの発症には遺伝因子が関与していますが、
2000年に入ってゲノム全体を探索するゲノムワイド関連解析(Genome-wide association study:GWAS)が可能となり、ここ数年でリウマチの遺伝的背景の全貌が明らかになりつつあります。
2012年に日本人のリウマチの方におけるGWASメタ解析が報告されました。GWASで明らかになった遺伝因子としては、蛋白のシトルリン化を行う酵素であるPADI4遺伝子や、Th17細胞に高発現するケモカイン受容体であるCCR6遺伝子、NFκBの活性を制御するNFKBIE遺伝子の多型などが報告され、新たな治療ターゲットとして期待されております。
今後GWASで明らかになった遺伝子多型を用いて、個人レベルでの病態・予後予測法が樹立できれば、個人の病態に最適な治療法の選択が可能になる時代が待ち望まれております。