関節リウマチの症状は、関節に限定されず全身に現れます。
リウマチ専門医が、「上肢」と「下肢」の何をポイントにみているのかを紹介します。
「関節」の状態をチェック
上肢、下肢のどの関節に、どんな「痛み」があるのかを調べます。
その際に痛みの感じ方も確認します。じっとしていても痛いのか、押した時に痛むのか、動いたときに痛むのか、など痛みの区別の重要です。
痛み以外にも「腫れ」「熱感」「変形」があるかどうかや、関節の可動域(動かせる範囲)も大切なチェックポイントです。
運動機能をチェック
握力、肩・ひじの関節の動き、手・手指の関節、筋肉の状態、歩く能力を確認します。
具体的には下記のポイントが挙げられます。
握力
関節リウマチになることで握力が弱くなることがあります。握力は上肢の運動機能を知る目安になります。
肩・ひじの関節の動き
患者さんに「バンザイ」をしてもらって状態をみます。
手・手指の関節、筋肉の状態
「グー・チョキ・パー」をしてもらい、その動きから運動機能を判断します。
歩く能力
1:制限なく歩ける
2:30分以上、続けて歩ける
3:30分以内なら、続けて歩ける
4:室内だけなら歩ける
5:歩けない
の5段階に分けて、どの段階にあるかを確認します。
歩く時につえや松葉杖が必要かどうかもチェックの対象です。
また、バス、車、電車などの乗り降りができるか、階段の上り下り、洋式トイレの使用が可能かどうかなど、生活する上で不自由な点がないかも運動機能を知る目安となります。
血管の状態をチェック
関節リウマチでは全身の結合組織(細胞と細胞の間にある組織)やそこを走っている血管も炎症の場になるため、下記の症状が現れていないかも確認していきます。
レイノー症状
皮膚がまだらに変色する症状です。通常は寒冷刺激に反応して現れます。
血管炎による症状
◇つめの周辺や指の皮膚の病変
つめ周辺の点状出血、皮疹、発疹、紫斑など
◇下腿潰瘍
ひざから足首までの間の皮膚に潰瘍ができる状態です。
◇橈骨(とうこつ)神経麻痺
手首のところで手が垂れ下がり、伸ばせなくなります。
◇腓骨(ひこつ)神経麻痺
足先が上がらなくなります。そのため、スリッパが自然に脱げてしまう、といったことが起こります。
※血管炎が特に重症なタイプは、特定疾患の「悪性関節リウマチ」と診断されます。
ご自身でも気になる点があれば、些細なことでも医師に相談するようにしましょう。
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