生物学的製剤の投与方法

点滴 or  皮下注射

生物学的製剤の使用方法は「点滴」と「皮下注射」に分かれます。それぞれの特徴をご紹介します。

点滴

点滴の特徴

点滴中、医師や看護師が近くにいるので安心

予約日を守って通院する必要がある

家で薬を保管しなくてよい

 

予約した日時に医療機関へ行き、点滴を受けます。点滴は薬をゆっくりと体内に入れていくため、1~2時間ほど時間が必要です。

好きな音楽や本を楽しむなど、リラックスして受けることもできます。点滴中に、何か気になることがあった場合も、医師や看護師が近くにいて対処してくれるので、安心して受けることができます。

点滴可能な生物学的製剤

  • レミケード(TNFα阻害薬)
  • アクテムラ(IL-6受容体阻害薬)
  • オレンシア(T細胞活性化抑制薬)

皮下注射

皮下注射の特徴
点滴に比べて短時間で済む
在宅自己注射を選ぶこともできる(エンブレル、ヒュミラ、シムジア、アクテムラ、オレンシア)
在宅自己注射の場合、注射剤を自宅で管理する必要がある

 

点滴に比べて短時間で済みます。

使用する間隔が短い薬(週1回や2週間に1回)では、自分で注射するという選択肢もあります。その場合、注射剤を自宅の冷蔵庫で保管することになるので、家族、特にお子さんの手が届かないように注意が必要です。使い終わった注射剤は「医療廃棄物」なので、家庭のゴミと一緒に捨ててはいけません。病院から渡される専用の箱に入れ、通院する際に持参して廃棄します。

自己注射は1カ月以上通院治療を受け、十分に使い方を学んだ後で行います。多忙な人、通院が困難な人に向いているといえます。痛みの感じ方はさまざまです。

 

エンブレル、アクテムラ、オレンシアの注射剤には、注射器(シリンジ)のほかにオートインジェクターもあります。オートインジェクターとは自動注射器のことで、ボタンを押すだけで針先を見ずに、簡単に薬を注入できるよう工夫されています。

皮下注射可能な生物学的製剤

  • エンブレル(TNFα阻害薬)

    在宅自己注射〇
    オートインジェクター〇

  • ヒュミラ(TNFα阻害薬)

    在宅自己注射〇

  • シムジア(TNFα阻害薬)

    在宅自己注射〇

  • シンポニー(TNFα阻害薬)

    医療機関で注射

  • アクテムラ(IL-6受容体阻害薬)

    在宅自己注射〇
    オートインジェクター〇

  • オレンシア(T細胞活性化抑制薬)

    在宅自己注射〇
    オートインジェクター〇

「点滴」も「皮下注射」もそれぞれ良い点があるので、医師と相談しながら選択しましょう。