よくある質問

Q家族にリウマチのつらさを理解してもらえないので困っています。どうしたらいいですか?

リウマチによるこわばり、腫れ、痛みは、たとえご家族でも本当の意味で理解してもらうのは難しいかもしれません。一見すると、”リウマチは怠惰病”とも表現されてしまうことがあるくらい、誤解されています。ご家族にご病気についてきちんと認識して頂き、ご病状・これからの展望を把握して頂く事が極めて大切です。

 

そのためには、どんなにお忙しくても一緒に受診して頂き、主治医の先生よりご病気について説明して頂き、ご病気をご家族で克服して頂ける環境作りをして頂くことが望ましいです。

 

当たり前のことを当たり前に出来るその日まで、ご家族にしてあげたいことを全部してあげれる日まで、ご家族で病気を乗り越えていかれてください!!

Qリウマチと診断された時にどのように病気と向き合ったらよいでしょうか?

以前関節リウマチは”不治の病”や”かかったら一生治らない病”でしたので、マイナスのイメージを持たれる方が依然として大勢いらっしゃいます。

以前は有効なお薬が存在しなかったため、どこで、どのような治療を施しても、治療経過は”不治の病”と表現されてしまうものでした。

 

しかし、現在は、MTXを中心とする薬物治療によって、寛解が現実のものとなっており、中には薬物をすべて中止しても寛解を維持できる方もいるほどとなっています。

 

”リウマチと診断されてしまった”、”これから先どうなるのだろうか”、”薬の副作用がこわい”など、病気について心配したらきりがないと思います。

そもそも人が生きる”人生”には、さまざまな心配・不安がつきもので、それを一つ一つ乗り越えて、ご自身の描く、ご家族とともに描く月日が重ねられていくものと思います。

 

リウマチという病によってご自身が描く、ご家族とともに描く人生に影響を受けてしまうことが、真の意味で疾病にかかってしまうことかもしれません。患者さんの中には、”リウマチという病気であることを忘れて生活してしまっている”と表現される方が大勢いらっしゃいます。

 

リウマチという病気とどう付き合ったらよいかについては、”極力プラス思考”にとか”前向きにつき合ってください”とかお伝えいたしますが、何よりのクスリは、”何ともなくなるくらいリウマチが良くなられること”かもしれません。

 

周りの方、ご家族の方と一緒にリウマチという病気を真の意味で克服し、乗り越えていかれることを心より応援し、私たちは寄り添って参りたいと思います。

Qリウマチは遺伝するの?

よく“リウマチは遺伝しますか?”とご質問を頂きます。

リウマチの原因は、遺伝的素因と環境因子が複雑に絡み合って免疫異常が生じ発症するといわれています。
つまり、ご本人、ご家族が何もわるいことをしていないのに、発症してしまう自己免疫疾患です。

では、遺伝的素因とは、どのくらいの影響かといいますと、たとえ同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の一人がリウマチであり、もう一人の方がリウマチを発症する割合は、24%程度であり、仮にリウマチの遺伝子を持っていたとしても、4人に3人は発症しないのです。

ご家族にリウマチの方がおられる場合は、ご自身がリウマチを発症することを恐れられるよりも、関節などになにか症状を認められた場合に、”リウマチかも?”と超早期に疑える環境にあると前向きに捉えて頂ければと思います。リウマチは寛解を目指せる、さらには完治の可能性がある病気となっております。

Qリウマチは、治らない病気ですか?一生治療を続けなければならないですか?

リウマチは、以前でも10~30%の患者さんでは寛解が進んで治ったともいえる状態になると言われていました。

しかし、最近では治療法の進歩により、まず薬を使いながら寛解を続けられる方が加わってきました。

さらに、薬を止めても寛解が続く患者さんの割合も確実に増えてきています。早期に治療を開始した方がこの割合は高いですが、長く病気と付き合っている方でもこのような方は存在しており、あきらめない治療が休薬を可能にするもっとも近道と言えます!!

Qリウマチの原因は?

リウマチを含めた膠原病・自己免疫疾患は、遺伝的素因と環境因子が複雑に絡み合って発症する病気です。
ご自身が、ご両親が何も悪いことをしていないのに発症してしまうのが、リウマチであり、膠原病・自己免疫疾患です。

“お子さんを自らで生める可能性がある、月経がある”女性に多く発症してしまうのが、リウマチ・膠原病です。明らかなこれという原因は依然不明でありますが、リウマチ・膠原病の治療には、極力普通の方と同じように生活が送れる多くの治療薬が存在するようになっており、中でもリウマチでは、劇的なパラダイムシフトが起こっています。

原因が何なのか、不安で、悩んでしまわれる方が多くいらっしゃると思います。しかし、原因は明らかでなくても、病状をコントロールできるよい治療薬が多く存在しておりますので、起こった原因を追究されるより、現在・これからを見据えて、よりよい治療を行っていかれてください。

Q挙児希望です。リウマチ治療をためらっていますが、リウマチだと妊娠しにくいですか?

報告によっては、リウマチでは不妊の危険性が14倍増加するとされていますし、早産や出生体重が若干低いと言われています。

 

しかし、すべて女性にとって妊娠・出産は人生の最も大切な、守らなければいけない最重要イベントであり、乗り越えなければいけない多くの困難があるかもしれません。

そこで大切なことは、挙児時期までリウマチをきちんとコントロールする、しておくことで、挙児が叶った後赤ちゃんを痛くなく抱っこしてあげて頂きたいと思います!!

Qリウマチは、完治しますか?

リウマチは以前、”不治の病””かかったら一生治らない病気”と考えられておりました。それは、関節破壊を完全に抑える治療薬が存在せず、関節破壊の結果、関節が変形してしまい、日常生活を著しく低下させていたためであります。

それが、メトトレキサート(MTX)が第一選択肢として使用できるようになり、生物学的製剤というピンポイント制御剤を用いることによって、臨床的寛解⇒構造的寛解⇒機能的寛解(かんかい)が現実のものとなりました。

中には、使用した薬剤を減量~休薬して後も、寛解を維持している方々が少なからず存在しております。

“リウマチの完治”を論ずるためには、その休薬された方々が、その後の30~50年の人生でリウマチの再燃を認めなかったかどうかの結果を見なければならず、現状では、”完治する”とも”完治しない”とも言えません。

また、そもそもリウマチという疾患自体が、RF陽性・陰性、抗CCP抗体陽性・陰性をはじめ、本来多数のサブタイプがあるものをリウマチと一括りに呼んでいるに過ぎないと考えています。

当院通院中の方で、3年間以上休薬可能な方も数多く存在しており、私の個人的見解では、”リウマチは完治するサブタイプが存在するのでは?”と考えています。現状では、休薬の可能性を高めるためには、症状出現してから出来るだけ早く深い寛解(何ともなくなる)ことが重要と考えられています。

リウマチが完治する、しないより前にある大切なことは、速やかに寛解導入して頂き、それを維持して頂くことだと思います。その先にお薬の減量~休薬の可能性があり、さらにその先に、完治の可能性が広がっているものと考えます!!
先生と一緒に治療目標を明確に定め、その治療目標達成を行っていかれてください!!

Qリウマチ治療で通院していますが、血液検査の結果が良いとか今一しか言われません。これで良いのでしょうか?

現在のリウマチ診療では、適切な疾患活動性評価指標があります。DAS28、SDI、CDIといったもので、圧痛関節数、腫脹関節痛、医師の疾患活動性全般評価(VSで0~10cm)、患者の疾患活動性全般評価(VSで0~100mmあるいは0~10cm)、血沈、CRPからなります。

 

この数値で、寛解、低疾患活動性、中疾患活動性、高疾患活動性が分かります。現在のリウマチ診療で“なんとなく良い”とか“治療効果はいまひとつ”はありません。寛解を目指した治療を行っていかれて下さい。

Q長年アザルフィジンとリマチルで治療されていますが、今まで痛くない日がありません。この治療法のままで良いのでしょうか?

DAS28、SDAI、CDAIは、低疾患活動性か寛解となっておりますか?

もしそれ以上の活動性が持続しているかあるいはレントゲン上で関節破壊の進行が認められれば、現在リウマチ治療のアンカードラッグ(最も重要な、鍵となる薬)は、メトトレキサート(MTX)です。

MTXが使用できない状況でなければ(腎障害、間質性肺炎、妊婦など)、MTXへ変更することが良いでしょう。

Qリウマチで治療中です。月に一度血液検査をしているのですが、どのような項目を何のために見ているんですか?

どのような治療薬を使っているかにもよりますが、一般的にCRP、血沈(ESR)、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)-3でリウマチの炎症の程度を、後は薬の副作用の有無で、白血球減少・貧血・血小板減少・肝障害、腎障害の有無、KL-6で間質性肺炎のチェック、β-Dグルカンでカビのチェックなどを行っています。

Q診察されることなく血液検査のみでリウマチと言われ、治療が始まりました。私はリウマチですか?

リウマチの診断は、十分な問診、関節だけでなく全身の診察、血液検査、レントゲン、関節エコーなどを総合的に診断基準に照らし合わせ、十分な除外診断のもと行われます。

 

また、治療に際しては、合併症の有無で薬剤選択を行いますので、血液検査だけでリウマチと診断することはあり得ません。関節をじっくり診察されなければ、リウマチと診断することは出来ません。

Q何となく手がこわばったり何となくだるいのはリウマチですか?

リウマチの初期症状は、特徴的な両手の朝のこわばりや原因のはっきりしない関節の腫れ・痛みから、微熱がつづく、食欲がない、体重が減った、貧血気味、なんとなく気分がすぐれない、眼や口の渇きなど多彩であるため、まずリウマチを疑い、早めに受診されるのが大切です。

 

ご自身のよく分からない症状が1週間以上続く場合は、まずご相談ください。