関節リウマチとは

最大の問題点は、
関節が壊されて変形すること

関節リウマチは、ただ単にあちこちの関節が痛い・腫れるだけでなく、最大の問題点は、関節が壊されて、やがて変形してしまうことです。
そして、関節破壊(骨びらん)は、発症6ヶ月以内に出現することが多く、最初の1年間の進行が最も顕著です。

 

罹病期間が長くなると、関節破壊が進行して、QOL(生活の質)が低下するだけでなく、合併症(間質性肺炎、二次性アミロイドーシスなど)の頻度が上昇してしまいます。これまでのリウマチの死因は、肺炎などの感染症や心血管障害が主体であり、生命予後は正常と比較して10年短いという驚愕の現実がありました。

早期診断が重要な病気
として位置付けられた

以前の治療薬では、関節破壊の進行を遅らせることしかできないため、どの医療機関であっても、どのような治療薬を使用されても結果が同じであるため(どんな方も少なからず関節破壊が起こってしまう)、早期診断する必要性があまりありませんでした。

 

この状況を打開したのが、メトトレキサート(MTX)であり、生物学的製剤であり、極めて有効性の高い治療薬が登場しました。これらの治療薬の存在により、関節リウマチははじめて早期に診断する重要性が高まり、RA新分類基準が2010年に作成されました。続いて、早期に診断し、治療を開始しても、疾患活動性を客観的に評価する必要があり、総合的疾患活動性指標が存在するに至りました。

疾患活動性指標で
病状を客観的に評価する

有効な治療法を手に入れ、リウマチを早期に診断し、「なんとなく」ではなく、DAS、SDAI、CDAIといった指標を用いて、治療効果を判定し、維持・変更・中止ていくことで、臨床的寛解、構造的寛解、機能的寛解が現実のものとなりました。

臨床的寛解、構造的寛解、機能的寛解の先には、薬剤からの卒業(graduate)、そして通院からの卒業(graduate)があり、現状の治療薬でその可能性が高まるためには、早期診断・早期治療介入が最も重要であります。今後、さらに効果の高い治療薬の登場も期待されています。

目標をもって治療する

関節リウマチは、早期の方であっても、長く付き合っている方であっても、治療目標を設定し(Treat to Target(T2T))、その目標達成に向け、治療戦略・戦術を適宜修正・変更していくことが重要であり、漫然とした治療薬を継続されないでください。

どのような時期であっても治療を決してあきらめることなく、治療を行われていかれてください。