予後不良因子

リウマチ因子・抗CCP抗体

リウマチ因子(RF)陽性、抗CCP抗体(ACPA)陽性のリウマチは、陰性の方と比較して関節破壊が進行しやすいことが知られており、ともに予後不良因子と捉えられております。

その他、ガイドライン・リコメンデーションによって異なりますが、骨びらん、高疾患活動性などが予後不良因子と考えられています。

国内ガイドラインと海外リコメンデーション

国内ガイドライン(日本リウマチ学会ガイドライン2014)、海外リコメンデーション(EULAR2013リコメンデーション、ACR2012リコメンデーション)において、リウマチ因子(RF)陽性、抗CCP抗体(ACPA)陽性は、関節リウマチにおける予後不良因子とされています。

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    予後不良因子として自己抗体陽性が重要

予後不良因子と関節破壊の進行度

予後不良因子の数が多いほど、関節破壊の進行度が増すことがわかりました。

※この調査では、予後不良因子(リスク因子)を抗CCP抗体(ACPA)陽性、ESR(赤沈)>25㎜/h、骨びらん としています。

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    予後不良因子と関節破壊の進行度

予後不良因子をもつ場合の治療

抗リウマチ薬も生物学的製剤も治療効果発現まで、およそ1~3ヶ月間かかります。

治療開始から治療効果が出るまで3か月間そのままで治療判定も行えますが、高疾患活動性状況が続く方や予後不良因子を有する方(RF陽性/ACPA陽性)などは、1か月毎に治療内容を見直し、一刻も早く低疾患活動性~寛解を目指すことが、その後の薬剤休薬を目指す上で重要と考えられます。

 

早期に診断する重要性

リウマチの診断と予後不良因子

リウマチの診断を行う際に、リウマチ因子(RF)、抗CCP抗体(ACPA)も検査しますが、リウマチ因子(RF)陰性、抗CCP抗体(ACPA)陰性 の場合でも、リウマチである場合があります。

詳細は、リウマチ因子、抗CCP抗体の見方 をご覧ください。

 

リウマチ因子(RF)、抗CCP抗体(ACPA)は診断にとって重要な検査ですが、それだけでリウマチを診断することは出来ません。

それ以上に重要な事は、適切に問診し、腫脹関節数、圧痛関節数をはじめとする身体所見をとり、その他の膠原病、感染症など除外を行うことです。