リウマチの原因

リウマチは遺伝因子、環境因子などの複数の因子が複雑に絡み合って発症するとされております。

遺伝因子

遺伝要因の存在は、リウマチが多発する家系の存在や一卵性双生児において片方が発症するともう片方が発症割合は二卵性双生児より高いと以前より推測されておりました。

 

現在では、HLA-DR1、DR4遺伝子のリウマチ発症への関与が重要視されております。これは、HLAとリウマチ発症のメカニズムを説明するshared epitope仮説で、すべて解明されておりませんが、重要な発症要因の一つと考えられています。

HLA以外の病因因子としては、STAT4、PTPN22遺伝子、PADI4、FCRL-3などの関与が指摘されています。しかし、人種間での相違やほかの遺伝子など未だ解明されていない点は数多く存在します。

 

リウマチにおける遺伝子要因の解明は、治療反応性予測にも繋がるものであり、今後更なる研究において、ターゲットがピンポイントである生物学的製剤投与前予測を可能とするものと考えられ、極めて重要です。

環境因子

リウマチ発症に関する環境因子は未だ不明な点が多いですが、これまで様々な報告がされています。

喫煙

環境因子の中で最も科学的根拠が高いものは、喫煙です。

リウマチ因子(RF)陽性は、喫煙との関連を認め、喫煙歴がある、または現在喫煙している方では、男性で2~3倍、女性で1.2~1.3倍の発症率となることが報告されています。

女性ホルモン

女性ホルモンとの関連も報告され、初経の早い女性は、RF陽性のリウマチの発症率が高く、経口避妊薬の使用や閉経後のエストロゲンの使用がリウマチの発症を低下させるとの報告があります。妊娠中は発症が70%減少し、出産後3ヵ月間は5倍に発症率が増加するという報告もあります。

食べ物

食べ物の関与については確定的なものはありませんが、適量のアルコール摂取は発症リスクを低下させ、コーヒー摂取が逆に発症リスクを増加させるとの報告もあります。

その他

歯周病菌の1つであるPorphyromonas gingivalisやヒトパルボウイルスB19、ヒトT細胞白血病ウイルスの関与も知られております。