尿検査

尿たんぱくで
病気の鑑別・合併症の早期発見

腎臓に何らかの障害があると、尿にたんぱく質が出るようになります。

尿たんぱくの量を測る検査は、腎障害の状態をみて、病気の有無や種類を調べるのに有用です。

全身性エリテマトーデスと関節リウマチの鑑別

全身性エリテマトーデスと関節リウマチは初期症状が似ていてまぎらわしい場合があります。そこで尿検査による鑑別が役立ちます。
関節リウマチは正常ですが、全身性エリテマトーデスでは初診時から尿たんぱくがみられることが多いです。

痛風と関節リウマチの鑑別

痛風では尿の中に尿たんぱくや尿酸がでます。
関節リウマチと痛風の鑑別には、まず血液検査で血清尿酸値を測る必要がありますが、補完的に尿検査を行う場合があります。

腎アミロイドーシスなど、合併症の早期発見

関節リウマチの合併症の1つに「腎アミロイドーシス」があります。

このような合併症を早期に発見するために、尿たんぱく検査が不可欠です。

副作用のチェック

尿を容器に入れて遠心分離器にかけると、赤血球や白血球、円柱細胞、上皮細胞、尿酸などの固形成分が分離されます。これらの固形成分を顕微鏡で見て、どのような物質がどれくらい含まれているかを調べるのが「尿沈渣(にょうちんさ)」です。尿たんぱく陽性の人には必ず尿沈渣を行います。

尿の固形成分の量が多い場合は、薬の副作用による腎障害が疑われます。特に赤血球や円柱細胞が多くなると、腎炎が起きていることを意味します。

尿検査は、腎臓になんらかの障害が現れた時に、それが関節リウマチによるものなのか、他の病気なのか、薬の副作用なのかの判断を行うのに役立ちます。