関節リウマチの治療では薬剤を長期的に服用するため、合併症としてさまざまな臓器障害が現れることがあります。どんな症状があるのか知っておくことで、もし合併症が起きてしまった時も早めに治療して重症化を防ぐことができます。
「肺」の障害
肺の障害に気づくポイント
- 38℃以上の高熱
- 咳が続いて痰がからむ
- いつもと同じ動作(仕事・家事)をしているのに呼吸が苦しい
- いつもより唇の色が悪く、安静にしても改善しない
- 著しい倦怠感
ステロイドや免疫抑制薬を使用することで、免疫力が低下し、呼吸器系の感染症を生じやすくなります。そのため日頃から、外出後の手洗い、うがいを行い、風邪を引いている人とはできるだけ接触しないようにしましょう。
肺の感染症になってしまった場合、早期の対応が重要になるため、上記のような症状に気づいたら必ずかかりつけ医に相談しましょう。
「肝臓」の障害
肝臓の障害に気づくポイント
- 著しい倦怠感
- 眼球、皮膚の黄疸
関節リウマチの患者さんは、治療のために鎮痛薬やステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤など多くの薬物を使用しているため、時に薬剤性の肝機能障害を生じることがあります。肝機能障害は自覚症状が乏しく、いつのまにか病状が進行していることがあるため、定期的な外来受診で病気を見つけることが多いです。
新しい薬の追加、または変更になった時など、今までと違う薬を服用し始めた時に発症してしまうことがあるので、薬の処方内容が変わった時は特に注意しましょう。
「腎臓」の障害
腎臓の障害に気づくポイント
- 靴下を脱いでしばらくしても、靴下の跡がとれない
- 浮腫の部分を押すとへこんだまま戻らない(戻りが著しく遅い)
- 体重が急激に増加した
- 著しい倦怠感
関節リウマチに伴う腎機能障害の原因としては、アミロイド沈着や抗リウマチ薬による副作用が考えられます。上記のような症状が現れた際は、かかりつけ医に相談しましょう。
合併症の早期発見は
定期受診と自己チェックで防ぐ
合併症には自覚症状がある場合と、ない場合があります。「どんな時は、すぐに医師に相談しなければいけないのか」を理解して、普段も自分自身を観察することが大切です。“いつもと違う”そう感じた時は、医師や看護師に相談しましょう。
自覚症状がない場合でも、定期的な検査から合併症に気づくことがあるため、症状がないからといって自己判断で定期受診を中断しないようしましょう。
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