妊娠・出産をあきらめないでください。

リウマチでも妊娠・出産している方はたくさんいます。

ご夫婦で医師から説明を受けましょう

関節リウマチの方でも、健康な赤ちゃんに恵まれる方はたくさんいます。

ただし、前もって計画的に治療を進めていく必要がありますので、妊娠・出産を希望する場合は、できるだけ早めに医師に相談することが大切です。

 

現在のリウマチの状況

治療の必要性の有無

挙児希望の時期

についてご説明いたします。

病気のコントロールが大切

病気が進行してしまっては、無事妊娠・出産したとしても、痛みが強く、変形し始めた手や肘では赤ちゃんを抱っこしてあげるのがつらくなってしまいます。

病気をきちんとコントロールして、妊娠・出産し、その後の育児もしっかり行える状態を目指しましょう!

妊娠・出産することで現れる
関節リウマチの変化

妊娠中の変化

一般的に関節リウマチの患者さんが妊娠すると、状態はよくなるといわれています。リウマチ患者さんを対象としたある調査では、妊娠3ヵ月で50%、妊娠後期では60%の人の病気が改善し、20%の人は悪化したという報告があります。

出産後の変化

症状の改善は妊娠中つづきますが、出産後は半年以内に90%の人が再発し、元の状態になります。人によっては悪化することもあります。これは妊娠中に増えていた免疫抑制物質が少なくなることや、授乳中に分泌されるプロラクチンというホルモンの影響が考えられます。授乳を早めにやめる、といった対応も1つです。

リウマチは遺伝病ではありません

病気がお子さんに遺伝してしまうのではないか、と多くの方が心配されますが、関節リウマチは遺伝病ではありません。

関節リウマチは、高血圧や膠原病、アレルギー疾患などと同じで、遺伝的要素や体質的要素に環境的な因子が加わってはじめて発病する病気です。ご自分の病気を責めすぎる必要はありません。

薬の使い方には十分注意

基本的には、関節リウマチは妊娠中に半数以上で改善するため、妊娠時にすべての薬を中止することが大切です。しかし、どうしても薬が必要な状態である場合は、薬の利点・欠点を考慮した上で下記の薬を使用します。

 

妊娠中に使用する場合がある薬

●抗リウマチ薬:アザルフィジン ・・・ FDA分類:B
●生物学的製剤:エンブレル ・・・ FDA分類:B
●生物学的製剤:シムジア ・・・ FDA分類:B

 

FDA分類とは、アメリカ食品医薬品局による「薬剤胎児危険度分類基準」のことで、胎児に対する薬の危険度を示す評価基準です。A、B、C、D、Xの5段階のカテゴリーからなり、Aのほぼ安全からXの絶対禁忌まで危険度に順じた分類がされています。
分類Bは「人での危険性の証拠はない」ことを意味しています。リウマチ治療において、人で100%安全性が証明された薬はありません。利点が欠点を上回った場合のみに、短期間、最低用量で使用するのが安全です。

 

なお、ステロイドは、プレドニゾロン(PSL)15mg以下であれば影響が少ないとされています。

 

いずれにしても、薬を服用している方が気付かないうちに妊娠し、そのまま薬を飲み続けてしまう・・・といったことが起こらないように、結婚当初から医師と相談し、病気の活動性を十分にコントロールすることが大事になります。

リウマチだからといって、妊娠・出産をあきらめないでください。
きちんと病気をコントロールしていきましょう。

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