乾癬性関節炎

乾癬と関節炎が合併した病気

乾癬性関節炎は皮膚の病気である乾癬(かんせん)に、腫れと痛みを伴う関節炎を合併した病気です。多くは、血清反応陰性脊椎関節炎(Seronegative Spondyloarthropathy)の末梢型に分類されます。

自己免疫疾患

原因は不明ですが、もともと発症しやすい体質の人(遺伝的因子)に、さまざまな外からの要因(環境因子)が加わって発症すると考えられています。自己の免疫系が自分自身を攻撃する自己免疫疾患と考えられています。遺伝する病気ではありませんが、家族集積性といい、血縁関係の方にこの病気の方がいると、発症しやすいと言われています。

まれな疾患

乾癬は白人で1-2%に発症しますが、日本では0.01~0.1%程度といわれ、厚生労働省の平成20年患者調査では約10万人と推計されています。関節炎を発症するのはこの乾癬の患者さんのうち、1-10%程度であり、乾癬性関節炎はまれな疾患です。

どの年代にも起こり得ますが、20代にピークがあり、若い方に発症することが多いです。男女差はありません。

分類基準(CASPAR)(2006年)

炎症性の関節疾患(関節炎、脊椎炎、もしくは付着部炎)を有する方で、下記の各項目を1点として3点以上の場合に乾癬性関節炎と分類(診断)します。

  • 現在乾癬にかかっている*、または過去に乾癬があった、 または兄弟姉妹や両親、祖父母に乾癬の方がいる
  • 典型的な乾癬の爪病変(爪剥離症、陥凹、過角化)がある
  • リウマトイド因子という血液検査が陰性
  • 指全体が腫れる指炎がある(あった)
  • 手、足のX線検査で特徴的な所見(関節近傍の新骨形成)がある

*現在乾癬にかかっている場合は2点とします。

治療について

現在、メトトレキサート(MTX)を中心に、生物学的製剤など良いお薬が数多く存在していますので、寛解を目指した治療を行っていかれてください!!