MTXを16mg/週まで投与可能である意義【ヒュミラのHOPEFUL試験、OPTIMA試験より】
2015年07月06日 治療戦略
現在、日本ではMTXは16mg/週(8錠)まで投与可能となっております。
この8mg/週より開始したMTXが16mg/週まで増量可能となり、その必要性についてお示しいたします。
日本と海外において、ヒュミラの発症1年未満の早期症例に対する臨床的効果を検討した【HOPEFUL試験】と【OPTIMA試験】の結果を比較すると、その必要性が示唆されております。
この2つの臨床研究は、ヒュミラの有効性をMTXコントロールと比較検討している試験であります。
このMTXコントロール群に着目すると、
患者背景;
【HOPEFUL試験】罹病期間0.3年、DAS28-CRP 5.99
【OPTIMA試験】罹病期間0.38年、DAS28-CRP 5.87
と同等の背景で、
MTX治療介入後26週での
DAS28-CRP<2.6による寛解達成率;
【HOPEFUL試験】14.7%
【OPTIMA試験】16%
と差は認めませんでした。
しかし、MTX治療介入後26週での
総Sharpスコアの年間変化<0.5による構造的寛解達成率;
【HOPEFUL試験】35.4%
【OPTIMA試験】72.2%
と【OPTIMA試験】におけるMTXコントロール群において、骨破壊抑制効果が良好でありました。
この相違の原因として、【HOPEFUL試験】ではMTX6~8mg/週、【OPTIMA試験】ではMTX20mg/週であり、MTX週投与量が要因として考えられました。
このようにMTXについても、その方に対して十分量投与するか、あるいは出来るか否かで治療効果が大きく変わってきますので、注意が必要です!!