1971年に八丈島の土壌糸状菌から発見された免疫抑制薬【ブレディニン】
2015年07月04日 治療戦略
ブレディニンは、1971年に八丈島の土壌より単離された糸状菌の培養濾液中から発見された歴史ある免疫抑制薬です。腎機能障害や間質性肺炎があり、メトトレキサートを使用できない方にも使用することができます。1日3回に分けて飲むよりも1回で飲む方が血中濃度が高まり効き目が良いことがあります。メトトレキサートと比べると効果は弱いですが比較的安全な薬剤です。抗サイトメガロウイルス作用も報告されています。
腎移植、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群、IgA腎症、SLE、ループス腎炎および関節リウマチの治療に適応があります。ブレディニンの作用機序は、イノシン一リン酸合成酵素およびグアノシン一リン酸合成酵素を選択的阻害し、細胞分裂のS期でDNA合成を停止させることにより効果を発揮します。
長い歴史のあるブレディニンは、適応症例・投与方法など上手に用いることで、今後も必要な薬剤です。