リウマチ内科を開院して半年がたち思うこと【あらためて早期診断、早期治療の重要性を認識】
2015年07月03日 日記
リウマチ専門医、総合内科専門医として、リウマチ内科を開院し、半年が経ちます。
今まで、大学病院、総合病院にて、リウマチ内科を診療し、数多くのリウマチの方を診療してきました。この度リウマチ内科を開院し、多くの方が来院されておりますが、これまでの大学病院、総合病院での診療では、症状があらわれて→近医を受診し→リウマチが疑われ、初めて紹介されて受診されておりましたので、発症から少なくとも2~3ヵ月経ってしまっていました。
しかし、朝のこわばり、関節の違和感、関節痛が2~3週間前からあらわれたと受診され、実際診察・検査を行うと、新リウマチ分類基準すら満たさない、しかしエコー上滑膜炎があり、経過を追ってみると、症状が持続しているため超早期でリウマチと診断でき、治療を開始できていることです。この感覚は、大学病院、総合病院では味わったことのない斬新な感覚であるとともに、極めて重要な責務を負っていると認識しております。
それは、リウマチの治癒を目指す上で最も大切なことは、“治療の時期を逃さない””Window of Oppotunity(治療機会の窓)””治療開始が早ければ早い程、治療感受性が高い”であります。発症早期、治療介入早期に、深い寛解に到達・維持することが、現在使用できる薬剤では、唯一の治癒への近道であります。
今のリウマチ診療では、痛くない・腫れない(臨床的寛解)、壊れない(構造的寛解)、日常生活に支障がない(機能的寛解)を目指した治療を行わなければなりません。しかしこのような超早期でリウマチを診断することが出来る状況では、それは当然と考えるべきで、完全寛解を達成した後に薬剤を減量~中止し、通院しなくて良い状態(治癒・完治)を目指した治療戦略をさまざまなエビデンスをもとに行わせて頂き、高率に達成して頂きたいと思っております。
また、関節破壊が進行してしまっている方でも、それ以上関節破壊の進行を防ぎ、その機能を守りつつ、少しでも日常生活の改善を促せるような治療戦略を行わせて頂いております。