リウマチ・膠原病疾患に対する診療理念【産業医科大学医学部第一内科学講座より】

2015年06月20日 リウマチを誤解しないために

私が、リウマチ・膠原病疾患をはじめ、現在内科やお子様の診療を行う上で、特に大切にしている診療理念があります。

【産業医科大学医学部第一内科学講座;田中良哉教授教室】で学ばせて頂いた理念ですので、ご紹介いたします。

 

膠原病・リウマチ性疾患治療指針
監修:産業医科大学医学部第 1 内科学講座教授 田中 良哉

 

 

① 理論や根拠に基づく診療を行う

→言うまでもなく、医師の何となく医療や思い込み医療で良いはずはなく、科学的根拠に基づいた医療(EBM)が重要です。この医療は、誠心誠意、心を込めて行うことも同等に大切であると考えています。

 

② 早期発見・早期治療が原則である

→リウマチ・膠原病の原疾患の診断・治療にしても、また薬剤の副作用として起こる感染症も腎障害、肺疾患などもすべて、早期発見・早期治療が鉄則であります。このためには、リウマチ・膠原病を疑う症状を市民の方々に啓蒙し、その際は早めの受診を促し、また治療中の方で、何か症状がある際は早めに受診頂くという診療中の患者さんへの啓蒙・教育が大切であります。

 

③ 専門家として病歴や臨床症候等の基本を重視した的確な診療を行い、中途半端な非論 理的な診断、治療を行わない

→①同様何となく医療で良いはずがありません。

 

④ 長期的観点から治療計画をたてる。治療薬は最小限とする。

→一時的な治療効果のためでなく、その方の1年先、10年先を見据えた今行うべき診療を慎重に検討し、治療計画を立てることが重要です。また、クスリはリスクであるため、投薬は必要最低限でなければなりません。

 

⑤ 患者の立場からの治療を考える。情報を極力供用し、理解を促す。インフォームドコンセ ントを得た診療行為を行う。

→どんなに良い治療でも、その方が理解しておらず、医者の一方通行医療で良いはずがありません。その方の大切なお体に対する医療であるため、今どのような状況か?、それに対する治療選択肢(長所、短所)?など、何度でもご説明し、医師・その方のお互いが納得した形の医療が重要です。

 

どんなに忙しい中での診療においてもこの診療理念にブレることなく、日々診療を行わせて頂いております。