機能的寛解って?
2015年05月23日 寛解
リウマチは、発症早期でも関節の疼痛や腫脹のため、また進行すると関節変形や筋委縮のために、日常生活動作(activity of daily living;ADL)に制限が生じてしまう病気であります。リウマチは、このような身体機能障害に加え、精神的にも社会機能的にも多大な影響を与え得る点で、発症早期より関節疼痛・腫脹を抑え、関節破壊・変形を防ぐ治療を行うことが極めて重要であります。
では、リウマチで用いられる身体機能評価法は、Health Assessment Questionnaire(HAQ)といいます。 8項目の動作からなるアンケートで、難なくできる;0点、少し 難しい;1点、かなり難しい;2点、全くできない;3点とし、8項目の平均点(0-3点)で評価しています。
【項目】
[1]衣類着脱 ・身支度動作
[2]起床動作
[3]食事動作
[4]歩行動作
[5]衛生動作
[6]伸展動作
[7]握力動作
[8]活動動作
からなります。
詳しくは、当院問診票をご参照ください。
このHAQ<0.5を機能的寛解(HAQ寛解)といいます。
発症早期の関節破壊・変形のない方は、当然、臨床的寛解・構造的寛解・機能的寛解=完全寛解を目指し、治療を行います。 しかし、すでに高度の関節破壊・変形が起こってしまっている方もいらっしいます。この寛解に到達する事は困難でありますが、適切な治療を行った結果徐々にHAQが低下し、「以前より生活の質が改善した」と実感されている方は数多くいらっしゃいますので、おいくつになっても・たとえ関節破壊が高度であっても決して治療を諦めることなく、適切な治療を行うことは大切であります。