治療目標として目指すは【臨床的寛解】【構造的寛解】【機能的寛解】
2015年05月19日 寛解
2010年作成されたリウマチ新分類基準によって、関節リウマチの早期診断が可能となりました。
診断されれば、メトトレキサート(MTX)を使用する事が出来ない(禁忌)方以外は、MTXでの治療がまず始まります。このMTXによる治療がリウマチ治療の”アンカードラッグ(鍵となる薬)”と言われるほど、極めて重要な治療です。6~8mg/週(3~4錠)より始まり、現在日本では16mg/週(8錠)まで内服可能です。このMTX治療によっても効果不十分であり、予後不良因子を持つ(①RF/ACPA陽性、特に高値and/or②疾患活動性が高いand/or③早期からの関節破壊)方は、生物学的製剤(TNF阻害剤、トシリズマブ、アバタセプト)の導入を検討します。
これらすべての治療における目標は、【寛解(かんかい)】です。 “寛解”とは 病気の症状がほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を意味します。リウマチおいては3つの寛解、つまり炎症と自他覚症状の消失を意味する臨床的寛解、関節破壊の進行がほとんど止まることを意味する構造的寛解、身体機能の維持を意味する機能的寛解の導入を治療目標としています。
この目標が達成できれば、抗リウマチ薬を服用しながらではありますが、関節リウマチを罹患していることをほとんど自覚することなく日常生活を送ることが出来るようになります。
また、なかには抗リウマチ薬の服用さえも休止し、治癒した言える状態にまでになる患者さんもいらっしゃいます。 この治癒状態に一人でも多く到達して頂くためには、適切な早期診断および適切な早期治療が極めて重要であります。