日本で開発された初の生物学的IL-6阻害剤【アクテムラ】③バイオナイーブに対しても高い有効性を証明【FIRST-BIO試験】

2015年06月29日 新しい治療法

生物学的製剤投与歴のない839例の方にアクテムラを投与し、その高い臨床的・機能的寛解の達成と維持を証明したのが【FIRST-BIO試験】です。

 

【背景】

●平均罹病期間7.5年・・・・・・発症後長期罹患している方を多く含む症例

 

●stageⅠ;25.7%、stageⅡ;34.6%、stageⅢ;21.9%、stageⅣ;17.8%・・・・・・関節破壊のない症例から高度の症例まで

 

●DMARDs投与が、83.6%・・・・・・併用薬の有無や内容は問わない

 

●MTX投与が、63.9%(試験開始時平均9.1mg/週、52週時点6.4mg/週)・・・・・・アンカードラッグであるMTX併用は6割で、52週時点では減量されている

 

ステロイド投与が、54.9%(試験開始時平均5.4mg、52週時点2.6mg)・・・・・・約半数以上にステロイドが投与され、52週時点では半量に減量されている  

 

【結果】

DAS28(ESR)寛解;12週時点で57.4%、24週時点で64.9%、52週時点で68.5%

(発症2年未満;74.2%、発症10年以上;60.2%)

 

●CDAI寛解;12週時点で17.9%、24週時点で31.1%、52週時点で36.8%

(発症2年未満;42.9%、発症10年以上;33.5%)

 

Boolean寛解;12週時点で17.5%、24週時点で27.7%、52週時点で33.1%

(発症2年未満;37.8%、発症10年以上;28.7%)  

 

HAQ-DI寛解;12週時点で59.8%、24週時点で62.0%、52週時点で65.1%(発症2年未満;77.6%、発症10年以上;46.4%)

 

バイオナイーブで、平均罹病期間7.5年の方々に対し、併用DMARDsに関わらず、最も厳しい寛解基準であるBoolean寛解を52週時点で33.1%(3割以上)達成し、HAQ-DI寛解は、65.1%で達成していたという驚くべき有効性でありました。

また、発症2年未満の方が有効性は高いものの、発症10年以上でも高い有効性が証明され、どのような症例に対してもファーストバイオとしてアクテムラの高い有効性が証明された重要な試験でありました。