生物学的製剤①
2015年05月26日 新しい治療法
リウマチ等の自己免疫疾患の治療は、1950年代以降ステロイドや免疫抑制剤を主体とした非特異的治療が中心でありましたが、関節・予後の改善には不十分でありました。
非特異的治療とは・・・ターゲットが絞られておらず、免疫系全般に作用し効果をきたす治療
生物学的製剤は、TNFやIL-6といったターゲットをピンポイントに絞った特異的治療です。
そもそも生物学的製剤とは、特定の標的制御を目的として、自然界に存在する蛋白質から遺伝子組み換え技術などにより生成されたバイオ医薬品です。
【特徴】
①自然界に存在する蛋白質であり、適切に使用すれば安全である
②標的(抗原)が明確であり、高い特異性と親和性を有するため、高い効果が期待できる
③多様な抗原に対し多彩な作用機転を応用できれば、広い標的分子に応用可能である
④遺伝子工学的手法によるため、工業生産や構造の改良、改変が容易である
【わが国で使用可能な生物学的製剤】
TNF阻害;6種類 IL-6阻害;1種類 T細胞共刺激シグナル阻害;1種類
①レミケード;TNF(2003年、田辺三菱)
②エンブレル;TNF(2005年、ファイザー・武田)
③ヒュミラ;(2008年、エーザイ・アッビー)
④シンポニー;TNF(2011年、田辺三菱・ヤンセン)
⑤シムジア;TNF(2013年、UCB・アステラス)
⑥アクテムラ;IL-6(2008年、中外)
⑦オレンシア;T細胞共刺激シグナル(2010年、小野・ブリストルマイヤーズ)
*⑧バイオシミラー(バイオ後続品);インフリキシマブBS;TNF(2014年、日本化薬)