診断に有用、しかし陰性でもリウマチを否定できないリウマチ因子(RF)と抗CCP抗体
2015年06月11日 検査
リウマチ新分類基準にも含まれているリウマチ因子(RF)と抗CCP抗体ですので、リウマチの診断に重要な検査であります。
それぞれの感度、特異度を表1.に示します。
表1.
診断マーカー | 感度 | 特異度 | 陽性的中率 |
RF | 77% | 98% | 97% |
抗CCP抗体 | 79% | 76% | 75% |
MMP-3 | 62% | 30% | 45% |
ともに感度は80%程度であり、発症半年以内では感度50%程度であるため、RF陰性、抗CCP抗体陰性であっても、リウマチの可能性は充分考えられますため、症状(関節腫脹・圧痛・こわばりなど)の経過を追うことが極めて重要であります。
つまり、ワンポイントでのRF陰性、抗CCP抗体陰性だけをとって、リウマチを否定することは出来ず、身体所見・炎症反応(CRP、ESR)・関節エコーできちんとチェックすることが大切であります。
RF陽性あるいは抗CCP抗体陽性のリウマチでは、陰性の方と比較して関節破壊が進行しやすいことが知られており、ともに予後不良因子と捉えられております。RF抗体価はリウマチの疾患活動性と相関が認められますが、抗CCP抗体は疾患活動性とは関連がないとされております。
RF、抗CCP抗体は診断にとって重要な検査ですが、それだけでリウマチを診断することは出来ません。
それ以上に重要な事は、適切に問診し、腫脹関節数、圧痛関節数をはじめとする身体所見をとり、その他の膠原病、感染症など除外を行うことです。