私の好きなお寺・仏像【東寺の立体曼荼羅】
2015年07月10日 日記
私は、京都の東寺内にある立体曼荼羅が一番好きです。 弘法大師空海が密教の教えを伝えようと建立された講堂内には21体の仏像が安置されており、密教の教えが記されている曼荼羅の世界をより分かりやすく立体的に表した「立体曼荼羅」として配置されています。 講堂内の須弥壇には中心に大日如来を安置し、その周りを阿しゅく如来、宝生如来、不空成就如来、阿弥陀如来が囲みます。大日如来の右側には金鋼波羅蜜多菩薩を中心とした5体、左側には不動明を中心とした5体が並び、須弥壇の四隅には広目天などの四天王、須弥壇の両脇に梵天、帝釈天が配置されています。 この立体曼荼羅の世界観は、医療においても当てはまると考えております。中心に位置する大日如来が、患者さんで、その周りに看護師、薬剤師、事務・受付そして医師がチーム医療として存在する。 そのような考えで、立体曼荼羅の左末端に位置する帝釈天さまを私は最も気に入っております。 【帝釈天】 梵語名のシャクローデーバーナーム・インドラで、 音訳では釈迦提婆因陀羅と呼ばれます。 このうち、「シャクロー」の音訳「釈」と、インドラの意訳「帝王」から 帝釈天と呼ばれます。 古代神話の戦いの神インドラが元となり、 甲冑をまとい象に乗り金剛杵(ヴァジュラ)をとって毒龍と戦い、 阿修羅に勝利し仏門に帰依させた英雄とされています。 一面三目二臂で金剛杵を持ち、白象に乗って半跏踏み下げの姿勢をとっています。 平安時代、承和6年(839年)に完成しましたが、頭部はすべて後補となっています。 そのため、他の平安期像と比較すると、顔は穏やかで美しいと評されることが多いようです。