関節リウマチ診療ガイドライン2014に基づく診療 治療方針;推奨(まとめ1~4)

2017年02月26日 治療戦略

関節リウマチ診療ガイドライン2014に基づく診療 治療方針・戦略;推奨(まとめ1~4) ・csDMARD(従来型抗リウマチ薬)の治療は、診断が下ればできるだけ早く始めるべきである。   ・すべての患者において、寛解あるいは低疾患活動性を目指して治療すべきである。   ・高疾患活動性の患者では、患者評価を頻回(1~3ヵ月ごと)に行うべきである。もし治療開始後3ヵ月以内に改善がみられない場合、または6ヵ月以内に治療目標が達成できない場合は、治療を再考すべきである。   ・MTXは、活動性RA患者に対する最初の治療手段の1つに含めるべきである。   ・MTXが禁忌であるか、早期に使えなくなった場合は、サラゾスルファピリジンなど他のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)を最初の治療手段の1つに含めるべきである。ただし、レフルノミドは、日本人における副作用発現のリスクを十分に勘案し、慎重に投与する。   ・DMARD未使用の患者では、ステロイド使用の有無にかかわらず、csDMARD(従来型抗リウマチ薬)を単剤で開始すべきである。有効性が得られない場合は他のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)を追加して併用療法を考慮する。   ・低用量ステロイドは、1つまたはそれ以上のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)と併用していれば、最初の治療手段の1つとして治療開始後6ヵ月までは考慮すべきである。ただし臨床的に可能なかぎり早期に減量すべきである。   ・最初のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)治療により治療目標が達成できない場合、予後不良因子がなければ他のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)への変更を考慮し、予後不良因子があればbDMARD(生物学的製剤)の追加併用を考慮すべきである。   ・MTX単独または他のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)による治療戦略で十分な効果が得られない患者に対しては、ステロイド使用の有無にかかわらず、bDMARD(生物学的製剤)(TNF阻害薬、アバタセプト、トシリズマブ)をMTXとともに開始すべきである。   ・最初のbDMARD(生物学的製剤)が奏効しない場合は、他のbDMARD(生物学的製剤)を使うべきである。最初のTNF阻害薬が奏効しない場合は、別のTNF阻害薬または作用機序の異なるbDMARD(生物学的製剤)を使ってもよい。 トファシチニブはbDMARD(生物学的製剤)治療が奏効しない場合の選択肢としてもよい。   ・bDMARD(生物学的製剤)投与中の患者でステロイドを減量後も寛解が維持できていれば、特にcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)併用例の場合にはbDMARD(生物学的製剤)の減量を考慮できる。   ・長期間寛解が維持できれば、患者と医師の意思共有のうえでcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)の投与量を慎重に減量することを考慮してよい。

  ・治療を再考する場合に、疾患活動性以外の要素、構造的破壊の進行、合併症、安全性に関わる問題なども考慮すべきである。