ケアラム~MTXとの併用で有効性が確認された日本発の抗リウマチ薬~
2016年08月20日 治療戦略
ケアラムは、MTXとの併用で有効性が確認された日本発の抗リウマチ薬です。
用法・用量;1回25mg、1日1回朝食後に4週間以上経口投与し、それ以降、1回25mg、1日2回(朝食後、夕食後)に増量
関節リウマチ(RA)の治療では、骨・軟骨破壊を極力抑制して、関節機能およびADL(日常生活動作)を維持すること、さらには生命予後を改善することが目標となります。治療薬としては、発症早期からメトトレキサート(MTX)などの免疫異常をコントロールする薬剤、すなわち「疾患修飾性抗リウマチ薬」(DMARDs)を使用し、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)および少量ステロイドを短期間のみ補助的に用いることが基本となっています。そして、これらDMARDsの治療で効果不十分な場合には、レミケードを始めとする生物学的製剤が用いられます。
ケアラムは、日本で創出された新規のDMARDsである。化学構造上、既存の抗リウマチ薬とは異なる「クロモン骨格」を有し、in vitroで、RAとの関連性が示唆される免疫グロブリン及び腫瘍壊死因子(TNF-α)やインターロイキン(IL)-1β、IL-6等の炎症性サイトカインの産生を抑制することが確認されています。また、分子レベルでの作用機序は十分には解明されていないものの、転写因子NFκBの活性化を阻害する作用に関与していることが示唆されています。
これまでの臨床試験では、単剤投与で、プラセボに対する優越性及びアザルフィジンENなどに対する非劣性が認められています。また、RAの標準治療薬であるメトトレキサートで効果不十分な患者を対象としたメトトレキサートとの併用試験では、ケアラムの併用により有意な改善を示したことが確認されています。経口抗リウマチ薬のうち、メトトレキサートとの併用における有効性のエビデンスが認められた、国内初の薬剤であります!!
ケアラムの主な副作用は、ALT増加(18.55%)、AST増加(16.54%)、γ-GTP増加(15.72%)、Al-P増加(14.91%)などであります。
日本発のケアラムは、世界中のRA治療の重要な治療選択肢の一つであり、安全に効果的にお届けしていくことが大切と考えられます!!