C-EARLY試験~早期にMTX+シムジア治療を行う意義~

2016年06月01日 治療戦略

C-EARLY試験は早期関節リウマチの方を対象としたMTX単独治療とMTX+シムジアの1年後の治療効果を比較した海外の試験です。(日本人を対象としたC-OPERAの海外バージョンです。)

 

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試験に参加された方の背景特徴として
・罹病期間(診断してから治療に至るまでの期間)約3か月・・・発症早期の方々

・DAS28(ESR):6.7・・非常に疾患活動性が高い
・RFやACPA陽性:8割~9割・・・予後不良因子を有する方々が多い

 

試験結果として、
MTX単独群に比べ、MTX+シムジア治療群で1年後で有意に寛解を達成しておりました。(15.0% vs 28.9%)

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また、注目すべき点として関節破壊の抑制効果が挙げられました。
52週での関節破壊の非進行率が、MTX単独群で49.7%に対し、MTX+シムジア治療群は70.3%と大きなさがありました。

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早期に治療を開始したにも関わらず、MTXだけでは関節破壊の進行を抑えることができない方々が大勢いらっしゃるということがわかります。
このことから、発症早期に的確な治療を行うことが疾患活動性を抑ええるだけでなく、関節破壊から関節を守るという点でも重要であることがわかりました。

 

日本人の早期RAを対象としたC-OPERA試験でも同様の結果が出ておりますが、
シムジアで発症早期に治療をすることで疾患活動性抑えるだけでなく、関節破壊を抑制させることができると示されました。

 

シムジアは、皮下注射の生物学的製剤で唯一ローディングを行え、ペグ化製剤であるため炎症部位へ移行しやすいという特徴があり、予後不良因子を有する高疾患活動性の方々にとって重要な薬であると考えられます。