リウマチは発症早期であればあるほど、自己免疫発症の上流に位置する抗原提示を抑えるオレンシアによる治療効果が高まる【AVERT試験のサブ解析】より
2015年07月29日 治療戦略
リウマチは発症早期であればあるほど、自己免疫発症の上流に位置する抗原提示を抑えるオレンシアによる治療効果が高まる【AVERT試験のサブ解析】より
罹病期間を①~③で層別解析を行ったところ、
①罹病期 間が 3 カ月以下のオレンシア + MTX 併用療法群および MTX 単剤療法群
②罹病期間が 3 カ月超 6 カ月以下のオレンシア + MTX 併用療法群および MTX 単剤療法群
③罹病期間が 6 カ月超のオレンシア + MTX 併用療法群および MTX 単剤療法群
【結果】
①オレンシア + MTX 併用療法群 では、MTX 単剤療法群より多くのベネフィットが認められました。
これらの患者のうち 33%が DAS で定義さ れている寛解を維持したのに対し、
その割合は罹病期間が ②では 14.7%、③では10.2% でした。
また、①では、オレンシア + MTX併用療法群において臨床的反応の発現が 29 日目と、他群より早い時期に認められました。
また、オレンシア+ MTX 併用療法群では、DAS で定義されている寛解を達成した患者の割合は、②と ③でそれぞれ 11.8% と 6.1% であったのに対し、①では 25%でした。なお、 MTX 単剤療法群(罹病期間が 3 カ月以下)では 8.3%でした。
MTX 単剤療法群では、DAS で定義されて いる寛解を維持した患者の割合は、②と③でそれぞれ13.8% と 5.1% であったのに対し、3 カ月以下の群では 10.4% でした。
このことより、オレンシア+MTX治療は、発症3ヵ月以内に行うことが最も効果的であり、その治療反応性は、罹病期間の短さに関連しておりました。すなわち、T細胞の抗原提示を抑えるオレンシアは、リウマチという自己免疫が起こった初期に使用されることが、最大の効果をもたらし、異常免疫を是正する可能性を秘めた薬剤と考えられます。
この試験では、3ヵ月以内がひとくくりにされておりますが、発症2か月、発症6週で、層別可能であれば、さらに効果が高まる可能性があるものと考えております!!
一方で、MTX治療についても、6ヶ月以降で寛解達成割合が半減していたため、MTX治療は6ヶ月以内に行わないと治療効果が落ちることが再確認されております。