シンポニーのポテンシャル『4週間毎の医療機関での皮下注射、50~100mgの投与量の選択肢』

2017年03月12日 治療戦略

シンポニーには、点滴製剤にない、在宅自己注射製剤にないポテンシャルがあります。
『4週間毎の医療機関での皮下注射、50~100mgの投与量の選択肢』

 

シンポニーは欧米で2009年に、国内では6年前の2011年に承認された最新の生物学的製剤で世界40以上の国と地域で使用されています。TNF阻害薬としてはレミケード、エンブレル、ヒュミラに次ぐ4剤目の生物学的製剤で、レミケードやヒュミラ同様に抗体によってTNFαの働きを阻害します。関節で過剰に産生されているTNFαの働きを阻害する事によってリウマチの痛みや腫れの改善だけでなく、関節破壊進行を抑え、身体機能も改善します。

 

ヒュミラやエンブレル同様に皮下注射により投与でき、またエンブレルが週に1-2回、ヒュミラが2週に1回の投与が必要なのに対し、4週に1回の投与で済むため、TNF阻害薬の中では投与方法がもっとも簡便であります。日本のリウマチ患者さんの多くは4週に1度の通院のため、通院間隔を変更することなく生物学的製剤の投与を受けることが可能です。

 

皮下注射製剤でありながら、投与量の変更(50mg or 100mg)が可能なのもこの製剤の大きな特徴の一つです。状態に応じて標準用量の倍量である1回100mgに増量して使用することが可能です。

 

同じ抗体製剤であるヒュミラ同様にヒト型抗体(マウスなどの異種タンパクを含まない)のため、中和抗体(シンポニーに対する抗体)が出来にくく、MTXの併用は必須ではありません。しかし他の生物学的製剤と同様にMTXを併用したほうが有効性が高まるため、可能な限りMTXの併用が望ましいと考えられます。