リウマチ治療にパラダイムシフトをもたらした【レミケード】③薬剤フリー寛解(治癒)の可能性【BeSt試験】

2015年06月12日 新しい治療法

リウマチ界にディープインパクトを与え、バイオフリー寛解だけでなく、薬剤フリー寛解(治癒)の可能性が示唆され、リウマチ診療にパラダイムシフトがもたらさることになった【BeSt試験】について紹介します。

 

発症2年以内の未治療のリウマチの方508症例を第1群~第4群で治療

・第1群:DMARD治療

・第2群:step- up併用療法

・第3群:step-down併用療法

・第4群:MTX+レミケード療法  

 

この試験で重要なのが、3ヵ月毎に低疾患活動性を達成できなければ、順次治療変更し、逆に6ヶ月以上同じ治療で達成できれば、減量・中止を行う介入試験という特徴をもっています。

 

MTX+レミケードで治療された第4群では、2年後に56%がレミケードを中止(バイオフリー)されており、5年後にはMTXも休薬可能となった薬剤フリー寛解(19%)を含めると58%がバイオフリーを維持出来ていたというものでした。

 

また、5年後の最初に割り当てられた治療のみで寛解を達成できた割合は、

・第1群:51%

・第2群:65%

・第4群:81% で、寛解を達成した方では、骨破壊の進行が少なく、身体機能の改善が認められました。  

 

このBest試験により、レミケードの早期導入の意義、バイオフリー寛解、薬剤フリー寛解の可能性が示唆され、リウマチは早期診断、適切な早期治療によって、治癒する可能性がある疾患に変貌を遂げることになりました!!