リウマチ治療の寛解の先にあるものは? -通院からの卒業(graduate)を目指して-

2016年01月18日 寛解

リウマチ治療には、パラダイムシフトがもたらされ、”臨床的寛解”(痛くない、腫れない)、”構造的寛解”(関節が壊されない)、”機能的寛解”(日常生活が不自由なく過ごせる)は現実のものとなりました。

これらは、適切な治療介入によってもたらされ、MTX(メトトレキサート)を中心とし、必要があれば、生物学的製剤などの治療選択肢も存在します。 寛解を維持できた場合、慎重に薬剤の減量、そして休薬を目指します。 すべての薬剤休薬後も寛解を維持できた場合(すなわち薬剤フリー)、寛解の先にある最終目標は、通院からの卒業(graduate)であります。

この寛解の先にある最終目標達成には、現存する多くの良い薬剤を用いてもその割合はまだまだ高いとは言えず、しかし、不可能ではない目標であります。

 

しかし、実際にRF陽性、ACPA陽性であった高疾患活動性の40代女性で、MTX+生物学的製剤治療によって、1年間深い寛解を維持し、MTXを1mgづつ減量、最終的に中止可能で薬剤フリーとなり、その後も寛解を維持できたため(関節破壊の進行なし)通院からの卒業(graduate)を現実のものとされた方がいらっしゃいます。その方は、症状の再燃があれば、すぐご連絡をくださいますが、未だ疾患活動性の再燃は認めておりません!! 現在、この割合を増やしていく唯一の方法は、可能な限り早期に診断し、速やかに深い寛解導入・維持することであります。

すなわち、リウマチという異常免疫を早期から一気に完全に制御することが、寛解の先を目指した治療戦略であります。まずは、寛解を目指し、次に、休薬を目指し、そして、最終的には通院からの卒業(graduate)を目指して、決してあきらめることのない治療を行っていかれてください!!