乾癬の新しい治療薬:トルツ(イキセキズマブ)
2016年11月10日 新しい治療法
乾癬の方では、皮膚病変、関節病変が問題となります。
2016年11月21日、乾癬の方の治療薬に新たな選択肢『トルツ』が加わります。
トルツ(イキセキズマブ)は、炎症性サイトカインのインターロイキン(IL)-17Aを選択的に阻害し、皮膚の病変の増悪を抑制します。
乾癬の方では、皮膚の防御因子[角化細胞、ケモカイン、免疫細胞(T 細胞や抗原提示細胞である樹状細胞など) ]の制御が乱れた結果、機能不全のフィードバックループ及び悪循環に至り、境界が明瞭な紅斑と鱗屑を伴う表皮肥厚を発症し、増悪と寛解を繰り返します。乾癬をはじめとする自己免疫疾患の発症に、IL-17Aの発現増加が関連していることが知られています。 トルツは、IL-17A に対して特異的かつ高親和性を有するヒト化免疫グロブリンG サブクラス4(IgG4)モノクローナル抗体であり、乾癬の病態形成に重要な役割を果たすと考えられるIL-17Aを選択的に阻害します。
トルツは、骨や軟骨の破壊への関与が報告されているインターロイキン(IL)-17Aを選択的に阻害します。
関節症性乾癬の方では、血中のTh17 細胞の増加並びに皮膚病変及び滑液中のIL-17A 発現量の増加が報告されています。IL-17A は骨芽細胞におけるreceptor activation of nuclear factor-κB ligand(RANKL)の発現誘導を介して破骨細胞の形成を促進するほか、炎症性サイトカインと協調的に作用して軟骨のコラーゲン分解を促進することから、関節症性乾癬の方における骨及び軟骨の破壊にも関与していると考えられます。