新たな治療法~抗IL-20モノクローナル抗体(NNC-0109-0012)~

2016年06月18日 新しい治療法

IL-20 は,マクロファージや樹状細胞などから主に産生され,ケラチノサイトをはじめとして血管内皮細胞や滑膜細胞の増殖にも関与し、関節リウマチ(RA)の病態における役割が考えられています。

 

メトトレキサート(MTX)効果不十分のRAの方に、選択的抗IL-20組み換えヒトモノクローナル抗体であるNNC-0109-0012(3mg/kg/週、皮下注射)の有効性、安全性忍容性を評価したところ、(プラセボ群と比較して)   米国リウマチ学会基準による20%改善(ACR20)(59% vs 21%) ACR50%(48% vs 14%) ACR70%(35% vs 0%) と有効性が証明されました。

 

安全性についても、最も頻度の高いものは、注射部位反応と感染症(ヘルペス、鼻咽頭炎、呼吸器、尿路など)であり、重症な感染症や投与中止は認められませんでした。

 

Efficacy and Safety of?Anti-Interleukin-20?Monoclonal Antibody in Patients With Rheumatoid Arthritis: A Randomized Phase IIa Trial.

Šenolt L, Leszczynski P, Dokoupilova E, Gothberg M, Valencia X, Hansen BB, Canete JD. Arthritis Rheumatol. 2015 Jun;67(6):1438-48.

 

効果的で安全な使用については今後の更なる検討が必要でありますが、作用機序の異なる薬剤の使用の可能性は、リウマチの方々にとって幅広い治療選択肢となり重要と考えられます。