Q&A Question and Answer

症状

何となく手がこわばったり何となくだるいのはリウマチですか?
リウマチの初期症状は、特徴的な両手の朝のこわばりや原因のはっきりしない関節の腫れ・痛みから、微熱がつづく、食欲がない、体重が減った、貧血気味、なんとなく気分がすぐれないなど多彩であるため、まずリウマチを疑い、早めに受診されるのが大切です。
首、股関節や顎が痛いです。リウマチですか?
リウマチは滑膜のある関節であればどこでも起こり得ます。手の指の第2・第3関節、手首、肩、肘、膝、足首、足の指などの起こりやすい部位から頸椎、股関節、顎など頻度は低くても起こり得る関節があるので注意が必要です。
リウマチで治療中ですが、最近眼と口が渇くようになりました。
リウマチと関係はありますか?
リウマチの方の5人に1人がシェーグレン症候群を合併します。シェーグレン症候群は、眼や口の乾燥症状(ドライアイ、ドライマウス)、耳下腺の腫脹を特徴とする自己免疫疾患です。シェーグレン症候群の合併は、治療反応性にも影響しますので、必ず主治医に伝えるようにしてください。

診断

診察されることなく血液検査のみでリウマチと言われ、治療が始まりました。
私はリウマチですか?
リウマチの診断は、十分な問診、関節だけでなく全身の診察、血液検査、レントゲンを総合的に診断基準に照らし合わせ、十分な除外診断のもと行われます。また、治療に際しては、合併症の有無で薬剤選択を行いますので、血液検査だけでリウマチと診断することはあり得ません。
関節があちこち痛いですが、リウマチ因子(RF)と抗CCP抗体が陰性なのでリウマチでないと言われます。本当にリウマチでないのですか?
RFと抗CCP抗体は診断基準の中で陽性であれば2~3点(10点満点中6点以上でリウマチ)と高いウェートを占める診断に有用な検査です。しかし、RF陰性、抗CCP抗体陰性のリウマチの方は5人に1人の割合でいます。陰性だからといってリウマチを否定できません。
リウマチ因子(RF)と抗CCP抗体が陽性のリウマチと言われました。
陰性のリウマチと相違はありますか?
RF陽性や抗CCP抗体陽性は、リウマチの予後不良因子と考えられています。予後不良とは、関節破壊の速度が速く、高度という意味です。ですから、陽性のリウマチの方は、早期よりメトトレキサート(MTX)を中心とした治療で開始し、効果不十分であれば、生物学的製剤の投与も早期に検討する必要があります。

検査

リウマチで治療中です。月に一度血液検査をしているのですが、
どのような項目を何のために見ているんですか?
どのような治療薬を使っているかにもよりますが、一般的にCRP、血沈、MMP-3でリウマチの炎症の程度を、後は薬の副作用の有無で、白血球減少・貧血・血小板減少・肝障害、腎障害の有無、KL-6で間質性肺炎のチェック、β-Dグルカンでカビのチェックなどを行っています。
今まで一度も関節のレントゲンを撮影されていません。
関節のレントゲンは不要でしょうか?
リウマチの診断時には手・足レントゲンを撮影します。それで、関節破壊の程度をstgeⅠ~Ⅳでチェックします。その後、関節破壊抑制の治療効果判定のために、6ヶ月~1年に1度チェックします。従って、関節のレントゲンはリウマチの診断にも治療効果判定にも必要です。
最近、関節評価に関節エコーがあると聞きました。
どのようなものがわかるのですか?
関節滑膜の肥厚、滑液貯留や異常血流増加で滑膜炎の程度、関節破壊の骨びらん、腱炎、腱付着部炎などが分かります。診断時にも治療評価判定としても、現時点での滑膜炎の有無、程度が分かるためとても有用です。

治療

長年アザルフィジンとリマチルで治療されていますが、今まで痛くない日がありません。この治療法のままで良いのでしょうか?
現在リウマチ治療のアンカードラッグ(最も重要な、鍵となる薬)は、メトトレキサート(MTX)です。MTXが使用できない状況でなければ(腎障害、間質性肺炎、妊婦など)、MTXへ変更することが良いでしょう。
生物学的製剤の投与を医師より勧められました。どんな薬ですか?
リウマチ病態に重要な分子(TNF、IL-6やT細胞の活性化)ひとつにターゲットを絞って、自然界に存在する蛋白で作られています。リウマチを“不治の病から寛解を目指せる病”にしたのがMTXであり、生物学的製剤であります。ターゲットが絞られているため、チェックしなければならないことも明らかで、ガイドラインに基づいて使用すれば、安全に驚くべき効果が期待できます。痛くない、腫れない、関節が壊されない、リウマチになる前と同じ生活を送れ、一部で壊された関節も修復する力も持っています。
長年、ステロイドを内服し、腰椎圧迫骨折や糖尿病に悩まされています。
どうしたら良いでしょうか?
現在のリウマチ治療で、ステロイドは使用するとしたら抗リウマチ薬や生物学的製剤の根本治療の効果発現までの一定期間限定あって、漫然と内服することはありません。急に中止に出来ませんので、ステロイド減量~中止していけるのを目指した治療方針が必要と考えられます。ステロイド長期内服の方が、生物学的製剤よりも入院を必要とする肺炎の合併が多いです。現在のリウマチ治療で、終わりの見えない漫然としたステロイド治療はありません。
生物学的製剤はいつまで使い続けるんでしょうか?
生物学的製剤は驚くべき臨床効果をもたらしてくれる一方で、高額でありその安全な中止は今のリウマチ診療に携わる全ての人々にとって重要な課題です。現在さまざまな臨床試験で、低疾患活動性~寛解を半年~1年間維持出来た方で生物学的製剤を中止しても半数で良い状態を維持しております。しかし、半数は疾患活動性の再燃を認めています。今言えることは、関節破壊の一番高度な発症2年以内は、極力関節破壊の起こりづらい治療戦略が望ましいと思います。

治療効果測定

リウマチ治療で通院していますが、血液検査の結果が良いとか今一しか言われません。これで良いのでしょうか?
現在リウマチ診療では、適切な疾患活動性評価指標があります。DS28、SDI、CDIといったもので、圧痛関節数、腫脹関節痛、医師の疾患活動性全般評価(VSで0~10cm)、患者の疾患活動性全般評価(VSで0~100mmあるいは0~10cm)、血沈、CRPからなります。この数値で、寛解、低疾患活動性、中疾患活動性、高疾患活動性が分かります。現在のリウマチ診療で“なんとなく良い”とか“治療効果はいまひとつ”はありません。
目指すべきゴールはどこに設定すれば良いでしょうか?
まず目指すべきゴールは、臨床的寛解です。(進行した方や長期罹患の方は低疾患活動性)次に構造的寛解(関節が壊されない)であり、治療介入が早期であれば機能的寛解(日常生活が不自由なく送れる)です。その先にあるのは、使用している薬剤の減量であり、休薬でありますが、最終目標は、当然治癒(完治)です。この割合を上げていくためには、早期診断・早期治療が極めて重要です。
治療は先生にお任せしているので、治療内容や治療目標について全く知りません。このような姿勢でも大丈夫でしょうか?
現在のリウマチ診療では、適切な診断基準、効果的な薬剤、適切な疾患活動性評価指標があるため、糖尿病や高血圧などのように治療目標を明確に定めることが可能となっています。この治療を提供する側(医師)と受ける側(患者)で共有し、目標達成に向けた治療(Tret to Trget(T2T))ということが重要となっています。ご自身の大切なお体であり、人生ですので、少しづつでもぜひ医師と一緒により良い診療を作り上げていかれて下さい。

生物学的製剤についてはこちらにて解説しております。

副作用

メトトレキサート(MTX)を内服していますが、
用量依存性副作用と用量非依存性副作用って何でしょうか?
現在MTXは6~8mg/週より開始し、16mg/週まで内服可能です。用量依存性副作用とは、口内炎や肝障害などで、用量を増やしていった場合出現するもので、葉酸(フォリアミン)5mg/週(MTX内服後1日あけて内服)内服にて予防出来ます。一方、用量非依存性副作用は、用量とは関係なく起こる薬剤性肺障害で、内服1年以内に1~数%の頻度で起きることが多いです。
生物学的製剤を安全に使用するためには?
投与前に、結核・B型肝炎・非結核性抗酸菌症・カビのチェックを行い、投与可能かどうか、可能であっても結核やカビの予防内服の有無を確認します。また、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの予防接種も推奨しています。投与中は、手洗い・うがい・マスク着用を励行して頂き、咳や体調不良時には早めに受診して下さい。
リウマチ治療で一番副作用の少ない薬は何ですか?
“くすりはリスク”であり、副作用のない薬は存在しません。どんな薬でも大なり小なり副作用は存在します。その中で重要なことは、薬を使用した時に得られる効果(ベネフィット)、頻度を踏まえた副作用(リスク)、薬を使用しなかった時のリスクを天秤にかけ、薬の使用を考慮します。この点で、リウマチ治療のアンカードラッグは、メトトレキサート(MTX)であり、効果不十分であった場合、生物学的製剤使用が望ましいとされています。

合併症

リウマチは関節だけでないと聞きましたが、どんな合併症がありますか?
骨粗しょう症や貧血は高頻度に合併し、間質性肺炎、リウマトイド血管炎(眼・皮膚・神経・心臓)、シェーグレン症候群、慢性甲状腺炎、アミロイドーシスなどがあります。診断時に合併症の有無をチェックし、それに合わせた治療を行っていきます。また、リウマチのコントロールをきちんと行うことが、この合併症を起こりづらくします。
間質性肺炎の合併があると言われました。どのような治療を行えますか?
現在の間質性肺炎の状況が最も大切で、活動性と非活動性、重症度によって治療選択が異なります。軽症で非活動性であれば、ベネフィット・リスクに応じてメトトレキサート(MTX)や生物学的製剤の投与も可能ですし、アザルフィジン(SSP)、リマチル(BUC)、プログラフ(TC)など使いやすい薬剤があります。
リウマチで治療を行っていますが、ステロイドを長期間内服しています。ステロイドの副作用で骨粗しょう症があり、リウマチはそもそも骨粗しょう症を合併しやすいと聞きましたが大丈夫でしょうか?
リウマチでは炎症性サイトカインの影響で骨粗しょう症の合併が多いです。また、ステロイドは骨粗鬆症の大きな原因であり、骨粗しょう症の有無、程度をチェックすることが大切です。今の骨粗しょう症治療薬は、骨吸収抑制剤に加え、骨形成促進剤もあり、よい薬がたくさんあります。また、生物学的製剤には、リウマチへの効果に加え、骨密度増加効果が認められています。骨粗しょう症は骨折リスクを増加させ、一旦骨折してしまうと日常生活の低下を余儀なくされてしまいますので、極力ステロイドを減らしていくリウマチ治療と定期的な骨粗しょう症評価が重要です。
リウマチの方は糖尿病になりやすいと聞きましたが、本当ですか?
リウマチそのものが、糖尿病を引き起こすことはありません。ただしリウマチの治療に使われるステロイドや一部の抗リウマチ薬の影響で、糖尿病を引き起こしやすくなることはあります。

妊娠

リウマチと診断され治療が必要と言われました。
挙児希望があります。どうしたら良いでしょうか?
すべて女性にとって妊娠・出産は人生の最も大切な、守らなければいけない最重要イベントです。一方で、リウマチの状況が、疾患活動性として高度で、予後不良因子(RF陽性、抗CCP抗体陽性)がある場合、無治療の期間が1年以上あってしまうと、関節破壊が進行してしまいます。無事妊娠・出産頂いたとしても、痛くて、変形し始めた手・肘では赤ちゃんを抱っこしてあげるのがおっくうに思ってしまいます。このような状況を防ぐためには、予めご夫婦同席のもと、①現在のリウマチの状況、②治療の必要性の有無、③ご夫婦間での挙児希望の時期について、十分お話し、治療を行うかどうか決めていくことが大切です。
妊娠中に使える薬はありますか?
リウマチは妊娠中に半数以上で改善するため、妊娠時にすべての薬を中止することは大切です。その中で、症状が再燃し、ベネフィット・リスクを考慮した上で、使える・使いやすい薬は、抗リウマチ薬であれば、アザルフィジン(SSP)(FD*分類B)、生物学的製剤であれば、エンブレル(FD分類B)、シムジア(FD分類B)、ステロイドはプレドニゾロン(PSL)15mg以下であれば影響が少ないとされています。 *FD薬剤胎児危険度分類基準は、アメリカのFDによる胎児に対する薬の危険度を示す評価基準です。、B、C、D、Xの5段階のカテゴリーからなり、のほぼ安全からXの絶対禁忌まで危険度に順じた分類がされています。
FD分類Bは、「人での危険性の証拠はない」ものであって、リウマチ治療で人で100%安全性の証明された薬はありません。やはりベネフィットがリスクを上回った場合のみに、短期間で、最低用量で使用されるのが安全です。
リウマチだと妊娠しにくいですか?
報告によっては、リウマチでは不妊の危険性が14倍増加するとされていますし、早産や出生体重が若干低いと言われています。しかし、すべて女性にとって妊娠・出産は人生の最も大切な、守らなければいけない最重要イベントであり、乗り越えなければいけない多くの困難があるかもしれません。そこで大切なことは、挙児時期までリウマチをきちんとコントロールする、しておくことで、挙児が叶った後赤ちゃんを痛くなく抱っこしてあげてください。

生活

リウマチは、治らない病気なのですか?
一生治療を続けなければならないのですか?
リウマチは、以前でも10~30%の患者さんでは寛解が進んで治ったともいえる状態になると言われていました。しかし、最近では治療法の進歩により、まず薬を使いながら寛解を続けられる方が加わってきました。さらに、薬を止めても寛解が続く患者さんの率も確実に増えてきています。
リウマチではどのような食事が良いですか?
落ちた筋肉を作るために良質なたんぱく質、豊富なビタミン、ミネラルなどバランスの良い食事が大切です。青魚の背には抗炎症作用があるEP(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。骨粗しょう症・貧血予防に、カルシウムを多く含む食事、鉄分を多く含む食事も大切です。
普段の食事で気を付けることはありますか?
リウマチの患者さんが食べてはいけないような食品はありません。偏った食事を避けて、バランスよく栄養をとることを心がけましょう。骨粗鬆症がある方はカルシウムを、貧血を起こしている方は鉄分をしっかりとることを心がけましょう。食べ過ぎによる肥満は、関節の負担につながりますので、食事の量には気をつけましょう。
どのようなことを心掛けて生活したら良いでしょうか?
リウマチは患者さんの精神状態によって悪くなったりよくなったりします。ストレスをためずに、十分な睡眠をとることが大切です。笑い、泣くといった豊かな感情を持って生活することも、プラス思考で考えることもリウマチに対し良い効果をもたらしてくれます。
どのような運動が良いですか?
まず、痛くないが最も重要で、運動療法、物理療法、作業療法などさまざまにあります。家の中でも出来る簡便な運動は、リウマチ体操ですので、ぜひしてみてください。また、趣味やしたいことをするために、していくという、義務でなく、動機となれば継続して、楽しく続けていけると思います。
リウマチと診断されました。関節をよく使う仕事をしているのですが、
このまま今の仕事を続けていても問題ないでしょうか?
ある関節を使い続けたり、また大きな負荷がかかるような状況が続くと、その後のリウマチの進行に影響することがあります。出来る限りそのような仕事は避け、また負担がかかるときはサポーターなどを使用するようにしましょう。しかし、きちんとした治療を受けて頂き、極力現状の仕事を続けて頂くことが、私の使命と考えております。
飲酒、喫煙は、リウマチの症状を悪くしますか?
過度な飲酒は、血管を拡げてリウマチの炎症を悪くすることがあります。それ以上に、体に良いことがありません。適量を楽しむのであれば、とくに問題はありません。 喫煙に関しては、そもそもリウマチの発病に関連するといわれています。また、リウマチの患者さんが喫煙を続けていると、肺の合併症を引き起こしたり、悪くする危険性があります。リウマチの患者さんは、禁煙しましょう。

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