皮膚科に行っても治らない?皮膚科での治療で肌荒れが改善しない原因を解説!

早く治したくて皮膚科に行ったのに、なかなか改善しない…という経験がある方は多いのではないでしょうか。
本記事では、肌荒れで皮膚科に行っても治らない原因について、以下の点を中心に紹介します。

  • 皮膚科でのニキビ治療とは?
  • 皮膚科を受診した方が良い肌荒れの種類
  • 皮膚科の治療で肌がきれいにならない原因
  • 肌荒れを根本から改善する生活習慣

肌荒れが皮膚科に行っても治らない原因を理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

皮膚科でのニキビ治療の内容は?

皮膚科では、日本で承認されかつ保険が適用される範囲内の薬でニキビの治療が行われます。
ニキビができたときに改善をめざすという対処療法で、症状を抑えることが治療の目的です。
抗生物質の塗り薬や飲み薬の処方・治療の組み合わせ・配合薬を使用し、できたニキビに対して積極的に対処します。

また、毛穴にたまった皮脂を針で押し出す処置も行われます。
自費治療になりますが、ケミカルピーリングなどでできたニキビにアプローチする治療が行われます。

出典:「にきび Q8 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)」

皮膚科を受診するべき肌荒れの種類

皮膚科を受診すべき肌荒れの種類として以下の症状があげられます。

  • 赤ニキビ・黄ニキビ
  • 接触皮膚炎
  • 単純性粃糠疹
  • 皮脂欠乏症

それぞれについて詳しく解説していきます。

炎症のひどいニキビ(赤ニキビ、黄ニキビ)

炎症のひどいニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)の症状は以下の通りです。

症状
赤ニキビ ・炎症を起こし赤く腫れる
・人によっては強い痛みがある
黄ニキビ(化膿ニキビ) ・毛穴の中に膿が溜まり腫れている
・強い痛みを伴う場合がある

上記の段階まで進行すると、必要以上に刺激を与えないよう注意が必要になります。
炎症が自然と落ち着くには時間を要し、炎症が落ち着いたとしても跡が残るなどのトラブルの可能性があります。

出典:ニキビの種類 池袋フェミークリニック美容皮膚科
出典:市販薬と皮膚科のニキビ治療何が違うの? はつ花皮膚フ科クリニック

肌のかぶれ(接触皮膚炎)

皮膚に何らかの物質が触れ、それが刺激やアレルギー反応となって炎症をおこすのが接触皮膚炎です。
発症すると以下の症状がでる可能性があります。

  • 強烈なかゆみ
  • 激しい痛み
  • 特定の部位のみの発疹
  • 赤みや水ぶくれ(軽度)

接触皮膚炎は、原因となる物質を突きとめて、その物質との接触を回避することが大切です。
そのうえで、症状に合わせた処方薬により発症した部位の改善をめざします。
症状が強い場合には、全身のステロイド薬が必要になる可能性もあります。

出典:「接触皮膚炎治療ガイドライン2020」

皮膚が白くなり、カサつく(単純性粃糠疹)

肌が極端に乾燥し白くなる・カサつくなどの症状は、単純性粃糠疹(たんじゅんせいひこうしん)とよばれる、円形・楕円形の脱色素性病変です。
小児や10代に比較的多く「ハタケ」と呼ばれています。
症状は数カ月から1年ほどで改善する場合が多く、思春期頃までには自然に消失する可能性があります。

尋常性白斑など単純性粃糠疹と紛らわしい病気があるので、かゆみを伴ったり症状がひどい場合は皮膚科を受診することをおすすめします。

出典:「ハタケ(単純性粃糠疹) みやけ内科・循環器科」

肌にうろこ状に乾燥している(皮脂欠乏症)

皮膚の水分保持機能が低下することにより、肌がうろこ状に乾燥する症状を、皮脂欠乏症といいます。
角質が破壊され皮膚のバリア機能が低下し、外からの刺激を受けやすくなることで、かゆみを伴い湿疹となる可能性があります。

皮脂欠乏症の原因は以下の通りです。

  • 加齢
  • 冬期の乾燥
  • 入浴などでのタオル刺激
  • 過度な洗顔や手洗い
  • アトピー性皮膚炎

皮脂欠乏症は皮脂腺が発達していない子どもや、加齢に伴い皮脂腺が退化している中高年に発症することが比較的多いとされています。

出典:「皮脂欠乏症 高田馬場クリニック皮膚科」

皮膚科治療で、肌がきれいにならない原因は?

肌荒れの改善をめざし皮膚科の受診をしたにもかかわらず、思った効果が見込めなかった経験がある方もいらっしゃるでしょう。
皮膚科の治療で肌がきれいにならない原因について説明していきます。

今起こっている炎症に対しての治療のみ行われる

症状の治癒を目的としているのが皮膚科です。

皮膚科治療は、基本的に薬を処方して炎症をおさえる対処療法で、それ以上の治療は行われません。
今ある肌荒れの症状だけ改善すれば問題ないという方は、皮膚科の受診で効果が見込めます。

保険適用内の治療では改善しない

症状の治癒を目的としているのが皮膚科であり、症状の改善に加え美しくなることを目的としているのが美容皮膚科です。

健康保険とは、病気やケガなどの治療に対する費用の補填が目的であるため、ニキビ跡を消す・肌荒れしにくい肌質へ改善するなど、症状を改善しながらきれいな肌を目指す際多くの場合が保険適用外となります。

生活習慣が原因

ニキビなどの肌荒れの大きな要因に、生活習慣があげられます。
皮膚科などで症状が改善したとしても、生活習慣が乱れたままであれば再発する可能性があります。

アレルギー体質や皮膚のバリア機能が壊れやすい体質の方など、ニキビや肌荒れの原因はさまざまです。
しかし、根本的に生活習慣を見直すことで、肌がきれいになる効果が期待できます。

肌荒れを根本から治す生活習慣

先程もふれましたが、肌荒れと生活習慣は大きく関係していると考えられます。
肌荒れを治しすこやかな肌をめざすには、医療での施術だけでなく生活習慣を見直すことが大切です。

見直すべき生活習慣に以下の3つがあげられます。

  • 食事
  • スキンケア
  • 睡眠

特に食生活の見直しは、内側からのスキンケアにつながります。
肌にいい栄養素と、栄養素が多く含まれる食材例は以下です。

ビタミンB1
(皮脂の過剰分泌を予防)
  • 豚肉
  • タラコ
  • うなぎ
  • 玄米
  • ピーナッツ
  • ごま
ビタミンB2
(皮脂の分泌を抑制)
  • レバー
  • うなぎ
  • 納豆
  • モロヘイヤ
  • ブリ
  • タラコ
ビタミンB6
(正常なターンオーバーをサポート)
  • レバー
  • まぐろ
  • カツオ
  • サンマ
  • 人参
  • かぼちゃ
  • ほうれん草
ビタミンA
(ターンオーバーを促す)
  • 鶏レバー
  • うなぎ
  • モロヘイヤ
  • 春菊
  • ほうれん草
  • にら
ビタミンC
(メラニン毛穴の予防・黒ずみ毛穴改善)
  • パプリカ
  • ブロッコリー
  • ゴーヤ
  • モロヘイヤ
  • キウイフルーツ

さらに、正しい洗顔や十分な保湿などのスキンケアをすることや、活発に細胞分裂が行われる睡眠の質を改善することで、肌へ根本的にアプローチできる効果が期待できます。

出典:「生活習慣の改善で、ニキビの発生・再発を防ぐ 美容皮膚科フェミークリニック」

皮膚科での肌荒れ治療に関するよくある質問

保険適用外での治療はどんなものがある?

保険適用内・保険適用外の治療例は以下の通りです。

保険適用内 ・抗生剤の塗り薬
・毛穴詰まりを改善する塗り薬
・内服薬
・漢方治療
・面皰圧出など
保険適用外 ・ケミカルピーリング
・イオン導入
・ダーマペン
・レーザー治療
・トレチノイン塗布など

出典:「にきび(保険診療) はなふさ皮膚科」

治療で肌の状態が悪化する事はある?

肌荒れの治療、特にニキビ治療において副作用として以下の症状があげられます。

  • 肌の赤み
  • 乾燥
  • ぴりぴり感
  • かゆみなど

これらの症状がでる可能性は比較的多く、副作用と呼ばず随伴症状と呼ぶことが多いとされます。
随伴症状とは、薬の効果があらわれることによってできる症状であり、つまりニキビ治療に伴ってでる症状とされています。

症状の改善をめざし受診したのに、新たな症状がでるのはストレスになりかねません。
しかし自己判断での治療中止は避け、気になる症状がでた際は、まず医師に相談することが大切です。

また抗生物質にはリスクがあるとされています。
抗生物質の長期服用や自己判断での中止は、耐性菌(抗生物質が効かない殺菌)が発生したりカンジダが発症したりする可能性があります。

医師の指示通りに服用し、自己判断を避けることが肌荒れ改善への一歩につながります。

出典:「抗生物質とは。その注意点 ペガサス薬局」

どんな皮膚科を選べばいい?

肌荒れを治療する皮膚科は無数にありますが、基本的に実績が豊富な病院を選ぶのが賢明です。
皮膚科を選ぶ際は公式サイトなどを活用し、実績に加え、口コミや症例写真が充実しているなどの根拠をもとに、信頼できるか判断し選びましょう。

症例写真は、施術前後の写真に加え、施した治療・治療回数・副作用やリスク・担当医師名まで記載されたものは、信憑性が高いと考えられます。
実績があるとされる皮膚科は、おのずと口コミや評判も高くなります。
医者やスタッフの方々の対応も、皮膚科を選ぶ際の重要ポイントです。

少しでも違和感を感じたら、違う皮膚科を検討することをおすすめします。

セルフケアだけでもニキビは良くなる?

初期段階の白ニキビや黒ニキビの治療、あるいはニキビ予防を目的とするなら、生活改善や市販の塗り薬で効果が期待できます。
しかし、赤ニキビや黄ニキビなど症状が進んでしまっている場合、あるいは市販薬での改善が見込めない場合は、ニキビ治療を強く推進する薬が処方される皮膚科の受診がおすすめです。

ニキビ治療は長期戦になる場合も多いため、自分にあった市販薬があれば便利です。
しかし、診察を伴わない「自己責任」で治療することになります。
場合によっては、炎症を起こすなどの悪化につながる可能性があります。

皮膚科の処方薬には、アクネ菌の増加を抑えて毛穴詰まりの改善に効果が期待される成分を含んだ薬や抗生剤などがあります。
ニキビ治療への使用が強く推進される薬は、市販薬では扱われていません。

ニキビくらいと思わずに早めに受診することが、すこやかな肌を保つ効果につながります。

出典:尋常性痤瘡治療ガイドライン2017

皮膚科に行っても治らない肌荒れ原因のまとめ

ここまで肌荒れが皮膚科で治らない原因についてお伝えしてきました。
肌荒れが皮膚科で治らない原因は以下の通りです。

  • 皮膚科では、飲み薬や塗り薬を用いて症状の改善をめざす
  • 皮膚科を受診する必要があるのは、炎症のひどいニキビ・接触皮膚炎・単純性粃糠疹・皮脂欠乏症など
  • 皮膚科では出ている症状を抑える治療のみ
  • 生活習慣の改善が、肌荒れの根本的な原因へのアプローチにつながる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。