肌の赤い点について
日常生活を送っている間に、肌に赤い点があることを発見し「この赤い点は何だろう?」と不安に感じている方もいるかと思います。
実は、肌の赤い点にはさまざまな症状や原因が考えられます。
今回は、肌の赤い点について、
- 肌の赤い点は一体何なのか?
- 肌の赤い点ができる原因と治療法はあるのか?
- 肌に赤い点を見つけたときにどうしたらいいか?
以上のポイントを中心に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
肌の赤い点の正体は?考えられる原因と治療法について
まず、肌に赤い点ができる原因は一体どのようなものが考えられるのでしょうか?
はじめに、考えられる原因と治療法について解説していきます。
それぞれの症状の特徴と改善させるための治療方法について触れていますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
老人性血管腫
老人性血管腫とは、皮膚の中にある毛細血管の増殖によって、体中どこでもできるとされている良性のできものの一種です。
「ルビースポット」とも呼ばれており、赤茶色の点状に顔や胸元、背中など幅広い範囲でできるといわれています。
大きさは1~5mm程度で平らな形が多く、本人の体質などによって作られる数は異なっています。
明確な原因は分かっていませんが、主に老化や紫外線の影響が考えられるとされています。
「老人性」とありますが、早い方では20~30代頃からできます。
老人性血管腫の治療方法として、レーザー治療や高周波メス、凍結療法などが挙げられます。
レーザー治療は、レーザーを患部に当てて原因となる毛細血管を破壊する治療方法です。
1回の治療で目立ちにくくなることが多いですが、血管腫の状態や体質によって複数回の治療を受ける可能性もあります。
高周波メスは、老人性血管腫のサイズが大きい場合やレーザーでの治療が難しい場合に実施される治療方法です。
患部の焼却と止血を同時に実施しながら治療していくため、出血や傷跡に配慮した施術が受けられます。
治療時には麻酔薬を使用するため、痛みに配慮した施術になっています。
凍結療法は、液体窒素を使用して患部の細胞組織を凍結させることで破壊する治療方法です。
イボの治療に使用されることが多い治療方法ですが、老人性血管腫などの良性腫瘍の治療にも使用されています。
1回の治療は数分で終わることが多く、1週間ほどで患部がかさぶたになって剥がれ落ちていくといわれています。
通院期間は1週間に1度が目安で、複数回の通院が必要になる場合があります。
出典:老人性血管腫|山手皮フ科クリニック
老人性血管腫(赤ほくろ)|池袋前のだ皮膚科
冷凍凝固療法とは-皮膚科-|女性医療クリニックLUNA
ニキビ
肌に赤い点ができたとき、最初にニキビの可能性を考える方も多いのではないでしょうか?
ニキビにも種類があり、赤い点の場合は「赤ニキビ」の可能性があります。
赤ニキビとは、白いニキビができてから患部が炎症を起こした状態を指します。
赤ニキビができる原因は、毛穴に皮脂が詰まったことによる毛穴の炎症が多いです。
毛穴に皮脂がつまり、アクネ菌などの細菌が毛穴の中で増殖することによって炎症を引き起こします。
赤ニキビができると、痛みや熱感などの症状を伴って腫れる場合もあります。
赤ニキビは、思春期やホルモンバランスが乱れやすい時期に発症することが多く、脂性肌の方に起きやすいニキビといわれています。
赤ニキビの治療法としては、抗生剤の塗り薬や飲み薬での治療が挙げられます。
症状が軽めの方は塗り薬を塗ることで症状の改善が見込めます。
症状が重めの方や複数の箇所で発症している場合は、塗り薬と飲み薬を併用することが多いです。
赤ニキビができた場合は、早めに皮膚科にかかることで症状の早期改善が期待できます。
長期間放置してしまうと、治りにくくなってしまったりニキビ跡になって残ったりする可能性もあります。
赤ニキビができたときは、できるだけ早めに医療機関にかかり、適切な治療を受けることが重要です。
出典:赤みを伴うニキビ(ざ瘡)の原因と治療について-専門医がガイドラインに沿って説明-|ここクリニック皮フ科アレルギー科
潰さないで赤ニキビ!どう対処する?|大西皮フ科形成外科医院
紫斑病
紫斑病とは、血管の炎症である血管炎が原因の場合とそうではない場合の2種類があり、どちらも皮膚の表面に内出血によるあざができる疾患です。
血管炎が原因の場合、ウイルスの感染や他の疾患が原因で血管が脆くなり炎症を起こすことで紫斑病の症状が現れやすくなります。
血管炎が原因ではない場合、特発性血小板減少性紫斑病や老人性紫斑などが原因で起こると考えられています。
紫斑病を発症した方の9割近くが3~10歳の子どもですが、大人も発症する可能性があります。
また、大人が紫斑病を発症した場合、紫斑病性腎炎などの合併症を発症するリスクがあるため、早めに病院を受診することが重要です。
紫斑病の治療方法は、発症原因によって異なる場合が多いです。
例えば、特発性血小板減少性紫斑病の場合、免疫異常によって血小板が破壊されることで血小板が減少してしまうといわれています。
急性型は子どもがかかることが多く、慢性型は成人以上の大人に多く見られる疾患です。
急性型の場合、自然治癒する場合もありますが、症状が重めの方はステロイドによる治療を実施することが多いです。
慢性型の場合は、ピロリ菌の検査をした上で感染している場合は除菌療法を実施します。
ピロリ菌に感染していなかった場合は、ステロイドによる治療か免疫抑制剤による治療を検討して実施していきます。
紫斑病は、それぞれの原因に対して治療方法が異なるため、発症した場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。
出典:紫斑病とは|原因や症状、検査、治療法|医療法人社団日暮里医院
紫斑病(血小板減少症)の症状・診断・治療|こころみクリニック上野御徒町
紫斑病|MedicalNote
肝臓の病気
肌に現れた赤い点が盛り上がりのある形状をしている発疹の場合、肝臓の疾患が原因のクモ状血管腫の可能性があります。
クモ状血管腫とは、発疹を中心に蜘蛛の巣状に血管が浮かび上がるように見える状態をさします。
成人以上の大人が発症し、首から胸の位置にかけて多数見られる場合は、肝臓疾患が疑われる場合があります。
また、妊娠中にも発症しやすいといわれていますが、ほとんどの場合分娩後数ヶ月経つと自然消失することが多いです。
子どもの顔に1箇所だけ発症する場合もありますが、詳しい原因はまだ分かっていません。
クモ状血管腫の治療は、通常の場合不要とされています。
見た目が気になる場合は、レーザー治療や凍結療法などで改善が期待できます。
子どもが発症した場合も、成長の過程でほとんどの場合自然に消失していくといわれています。
クモ状血管腫が多数見られると同時に、手のひらの親指の付け根などが赤くなっていたり、強い倦怠感を感じていたりする場合は病院を受診しましょう。
黄疸が見られる場合にも同様で、肝硬変を発症している可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
出典:クモ状血管腫|あきおか形成外科
くも状血管腫|MedicalNote
ストレス性湿疹
ストレス性湿疹(または蕁麻疹)とは、過度のストレスなどが原因で皮膚表面に赤みや発疹が起きる状態を指します。
湿疹や蕁麻疹を発症したときに、医療機関で診察や検査を受けても、はっきりとした原因が特定できない場合があります。
原因が特定できない湿疹や蕁麻疹のうち、6週間以内に収まる場合を急性、6週間以上続く場合を慢性としています。
これらの症状は、日々のストレスや疲労、日常的に摂取する食べ物、自己免疫の異常などが原因で悪化すると考えられます。
ストレス性の湿疹(または蕁麻疹)は、急性の場合症状が数時間で消えてしまう場合もあります。
頻繁に湿疹が出る場合は、特定の条件が原因で発症している場合もあるため、医療機関を受診するようにしましょう。
ストレス性湿疹を予防するためには、生活習慣を見直したり、ストレス解消を心がけたりすることが重要です。
湿疹が出たことがあるという方は、できるだけストレスを溜めないような生活を意識的に過ごすようにしましょう。
出典:もしかしてストレスの影響?大人の蕁麻疹の原因を調べるには?|日比谷ヒフ科クリニック
薬疹
薬疹とは、薬剤が原因でできる発疹のことを指します。
薬剤を内服もしくは注射したときに、アレルギー性の発疹を発症することが多いです。
症状としては、発疹、かゆみ、赤み、皮膚の痛みなどが挙げられます。
薬疹が起きた場合、どの薬剤によって発疹を発症しているかの特定が重要になります。
そのため、複数の薬剤を服用している場合は1種類ずつ中止し、特定する作業が必要になることがあります。
薬疹は、原因の薬剤を服用中止することで、ほとんどの場合は自然に消失します。
発疹の症状が軽めの方は、症状を抑えるためにクリーム剤を使用することが多いです。
また、症状が重めの方は合併症予防の観点から、アドレナリンやコルチコステロイドなどを使用した治療を受ける場合もあります。
出典:薬疹|MSDマニュアル家庭版
薬疹(重症)|公益社団法人日本皮膚科学会
肌に赤い点ができたら早めに病院を受診する
肌に赤い点ができたときは、早めに医療機関を受診しましょう。
受診の目安としては、アレルギー性の発疹の場合や高熱が伴う場合、夜間や休日関係なく医療機関を早急に受診することをおすすめします。
自力で病院にたどり着けない場合は、救急車などの手段も考慮して対策することが重要です。
高熱とまではいかないものの、発疹と同時に発熱の症状がある場合は、医療機関の診察時間内に受診するようにしましょう。
また、発疹に痛みやかゆみ、腫れの症状が伴う場合、自身の周りで似たような症状の方が多い場合も、同様に近日中に受診を検討することをおすすめします。
発疹は、原因によって予防・対策や治療方法が異なる症状です。
そのため、不安な場合は安易に自己判断せず、医療機関を受診しましょう。
肌に赤い点ができる老人性血管腫は紫外線が原因?
肌に数mm程度の赤い点ができる「老人性血管腫」の詳しい原因は分かっていません。
しかし、発症しやすい顔や胸、腕などは紫外線が当たることが多い部位のため、紫外線が原因とも考えられています。
また、肌と衣服が擦れることによる摩擦や老化なども関係しているといわれています。
さらに、遺伝子の要因もあるとされており、人によっては体質的に老人性血管腫ができやすい可能性が高い方もいると考えられています。
老人性血管腫は発疹以外の症状を伴わない場合が多く、基本的に治療の必要性は低いと考えられています。
見た目が気になる場合は、手術での切除やレーザー治療によって除去が可能です。
治療方法によって、保険が適用できる場合とできない場合がありますので、皮膚科を受診して詳しい診察と説明を受けることをおすすめします。
肌の赤い点に関するよくある質問
ここからは、肌の赤い点に関するよくある質問について解説していきます。
保険の適用についてや治療方法に関する質問について紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
老人性血管腫の治療は保険適用ですか?
老人性血管腫の治療は、治療方法によって保険適用できるかどうか異なります。
保険診療の場合、手術による治療を実施することが多いです。
保険適用内での治療を受けたい場合は、医療機関での診察時に必ず保険証を持参してください。
保険証を持参した上で診察を受け、診断を受けることで保険適用内での治療が受けられます。
レーザーでの治療を希望する場合、自費診療になることがあります。
自費診療の場合、クリニックによって料金や治療内容が異なる場合が多いです。
あらかじめ複数のクリニックの料金を確認し、自身の予算内で受けられるクリニックで治療を受けるようにしましょう。
老人性血管腫は何回のレーザー治療で治りますか?
老人性血管腫のレーザー治療は、多くの場合1回の治療で赤みが消える効果が期待できます。
しかし、一部大きさや患者自身の体質によっては、完全に消えない場合や再発する可能性があります。
老人性血管腫は施術後、赤から茶色に色が変化し、2~4週間程度で色が薄くなっていくことが多いです。
そのため、複数回施術を受ける場合は、2ヶ月に1度のペースで経過を観察しながら継続的な治療を受けることになります。
出典:赤ら顔・血管腫の治療|よねだ内科・皮フ科
老人性血管腫|今井皮フ科形成外科クリニック
ストレス性湿疹に虫さされ用のかゆみ止めを使っても良いですか?
ストレス性の湿疹を発症したときに、虫刺され用のかゆみ止めを使う場合は必ず薬に添付されている文書を読むようにしましょう。
虫刺され用や湿疹用に販売されている市販薬や、医療機関から処方されている医薬品には必ず添付文書が付属されています。
かゆみ止めには、同じ成分や共通する作用の成分が含まれていることが多いですが、適用できる湿疹の記載がない場合は使用を避けましょう。
適用外の薬を塗ってしまうことで、思わぬ肌トラブルや副作用を招く恐れがあります。
そのため、使用前には必ず添付文書を読み、適応の湿疹かどうかを確認しましょう。
不安な方は、自己判断で使用せず、近くの医療機関で診察を受けることをおすすめします。
ニキビができたら皮膚科に行った方が良いですか?
ニキビの症状が軽めの場合、ドラッグストアなどで販売されている市販薬で改善が期待できる場合も多いです。
市販薬を使用している期間が1ヶ月以上続く場合は、使用を一旦中止し医療機関を受診することをおすすめします。
ニキビの症状が重めな方や大人ニキビができた方は、個数や状態にかかわらず皮フ科や美容皮膚科での診察を受けるようにしましょう。
ニキビを放置したり、自己判断で治療してしまうことで、症状が悪化したり、色素沈着やクレーターなどの原因になったりする場合があります。
ニキビができた場合は、安易に自己判断せず医師の診察を受け適切な治療を受けることをおすすめします。
肌の赤い点まとめ
ここまで肌の赤い点についてお伝えしてきました。
肌の赤い点についての要点をまとめると以下の通りです。
- 肌の赤い点は、さまざまな皮膚疾患によるものである
- 肌の赤い点は、老人性血管腫やニキビ、紫斑病、ストレス性湿疹などが考えられる
- クモ状血管腫は、場合によっては肝硬変が原因で起こっている場合がある
- 肌に赤い点ができたら、医療機関を受診して医師の診察を受けることが重要である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。