ダイエットを決意したとき、その方法は様々ですが本記事では漢方をおすすめします。漢方によるダイエットは体の内側からの改善を期待できます。
本記事では「漢方を使ったダイエット」について以下の点を中心にご紹介していきます。
- 漢方ダイエットとは
- 漢方を使ったダイエットのタイプとは
- ダイエットに効果がある漢方とは
- 漢方ダイエットは美容にも効果があるのか
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漢方を使ったダイエットとは
漢方を使ったダイエットとは東洋医学による健康的なダイエットです。海外から入ってくるダイエット法は欧米人向けのものが多く、日本人が行っても体質の差で効果が出にくいものがあります。
また、根本的に「太りやすい体質」の原因を改善ができていないものもあります。
漢方はこの「太りやすい体質」の改善に着目しているため、痩せやすくリバウンドしにくい体質に変化させてくれることが期待できるのです。さらに、漢方を使ったダイエットは、痩せるだけでなく美容や健康面など複数の面でプラスの効果が期待できます。
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漢方を使ったダイエットのタイプ
漢方は、病気の養生をピンポイントで治療する西洋医学とは異なり、患者の体質や心身の状況、そして本来持っている自然治癒力を利用して治すという考えを持っています。
そこで漢方では「気・水・血」の3つの要素が体中をうまく巡ることで健康が維持できると考え、体質に合わせた漢方を飲むことで根本からの体質改善を狙っています。
- 気
心と体を動かすエネルギーのことで、自律神経の働きに近いです。「気」が不足すると、無気力や疲労感、食欲不振に繋がってしまいます。「気」のめぐりが悪くなることで息苦しさや喉のつまり、不安感などの症状が出てきます。
- 水
リンパ液や消化液、唾液、汗などの血液以外の体液のことです。「水」が不調になるとむくみや冷え、めまい、排泄障害などを起こしてしまいます。さらに、水分を過剰にためてしまうとその人の1番弱いところに溜まってしまうので、関節痛や鼻炎などの症状を引き起こすようになるでしょう。
- 血
血液の流れや老廃物を回収する働きのことです。「血」の不調は貧血や生理不順だけでなく、便秘、肩こりの他、肌のターンオーバーも乱れていまいます。ターンオーバーが乱れることによって肌荒れや皮膚の乾燥、色素沈着、脱毛などに繋がってしまいます。
この3つの流れを整えることで内蔵が潤滑に働き、人間が本来持っている自然治癒力を高めることで代謝が良くなり、排泄が滞りなく進むようになります。その結果、無理なダイエットで身体を弱らせることなく、痩せることに繋がるのです。
気太り
気太りとは、別名ストレス太りと呼ばれます。
ストレスや日々の忙しさから自律神経が乱れてしまい、食欲や代謝が乱れることで太りやすくなってしまいます。ストレスや寝不足、不規則な食事などの乱れた生活習慣によって気の巡りが悪くなると、太りやすくなるだけでなく、イライラや緊張、肩こり、頭痛などの身体の不調に繋がるのです。
このような場合は気の巡りを良くして安定させることが大切です。気の巡りを安定させることで、代謝のバランスが整い、体と心のバランスも取れるようになり、心身ともに改善が期待できるのです。
水太り
水太りとはぷよぷよした太り方のことで、体内の水分が滞ってしまうことで太ってしまいます。水分を巡らせる力が落ちてしまうと、水分代謝が落ちてしまうため、余分な水分が身体に溜まりやすくなってしまいます。
全身がむくみやすくなるだけでなく、柔らかい脂肪がつきやすくなります。筋肉に締まりのない、ぽっちゃり体型になりやすいです。特に下半身太りになりやすく、日本人女性の中では1番多いタイプです。
水太りの原因は水のめぐりの悪さにあり、「余分な水を排泄するチカラ」と「水を巡らせるチカラ」が重要になります。この2つのどちらかが滞ってしまうと、水の巡りが悪くなり体内の余分な水も滞ってしまいまうので、まずは「余分な水を排泄するチカラ」を高めることが大切です。余分な水が尿や汗として体外へ排出されることで、今まで溜め込んでいた余分な水分を巡らせて、水分が溜まりにくい体質にしていくことができるでしょう。
血太り
血太りでは、血の巡りが悪くなることで老廃物が排出されないので、余分な脂肪になりやすくなってしまいます。生理不順や肩や背中がこりやすく、下っ腹がぽっこりと出やすいのも特徴です。
血の巡りが悪いと身体にとって不要な老廃物を排出しにくくなってしまい、中性脂肪を溜め込みやすい体になってしまいます。加えて栄養の運搬もスムーズでないので代謝が悪くなり体が冷えると、さらに代謝が悪くなるという悪循環が起きてしまいます。
血太りを防ぐためには、食事、服装、生活環境を見直すことが大切です。冷房や薄着、冷たい飲み物など身体を冷やしやすいものに注意をすることで体質の改善が期待できます。
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ダイエットの効果が期待できる漢方
漢方は痩せるための薬ではありませんが、体質にあった漢方薬を飲むことで自然治癒力が高まるとされ、代謝や排泄が進むことで、結果として痩せることが期待できます。
ここではいくつかの漢方薬について紹介していきます。
防風通聖散
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は太鼓腹で食欲旺盛、便秘、ほてり、脂肪太りによる肥満タイプの方におすすめです。
防風通聖散は、発汗を促すことで腸の熱を下げてくれます。カロリー(熱量)の多い食事をしていると胃に熱が溜まりやすくなり、こもった熱によって消化機能が低下してしまいます。
この熱が腸にも影響してしまうことが、便を乾燥させ便秘や体重増加の原因になってしまうのです。このような状態の場合に防風通聖散を摂取することで、脂肪の分解や燃焼を促し、脂質を便と一緒に排出する効果が期待できます。
防已黄耆湯
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は水太りによる下半身のむくみや関節痛、倦怠感、多汗の方におすすめです。防已黄耆湯は胃腸の消化吸収を助けながら、皮膚や消化管で停滞している水分を尿として流すことで水分代謝の改善が期待できます。
水太りは気の不足によって血と水が滞ってしまうことが原因です。そのため、無理な運動や食事制限はかえって気を消耗してしまい、症状を悪化させてしまう場合があります。
防已黄耆湯に配合される黄耆にはイソフラボンの1種”ホルモノネチン”という成分が含まれているので、高脂血症の改善や抗肥満効果が期待できます。
大柴胡湯
大柴胡湯(だいさいことう)は、ストレスが貯まると食欲が異常に高まる方や、高血圧、頭痛、肩こりがある方におすすめです。
大柴胡湯には肝臓での脂質代謝を高め余分な脂質の吸収を抑える作用があります。脂質は体内のエネルギーを蓄えたり細胞膜や女性ホルモン、消化酵素の原料です。
そのため身体になくてはならないものですが、多すぎると生活習慣病を引き起こしたり肥満の原因となってしまいます。この脂質が増えすぎないように脂質代謝サイクルの乱れを改善してくれるのが大柴胡湯です。
また、体の熱を取り炎症を鎮める作用もあるので、高血圧や肥満に伴う肩こりや頭痛、便秘の改善が期待でき、興奮を鎮めてストレスやイライラを抑えることが期待できるでしょう。
桃核承気湯
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)はホルモンバランスが崩れたことによる冷えやのぼせ、血行不良によって便秘がちである方におすすめです。
女性は更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。すると脂肪代謝が低下し、体重が増えやすくなってしまいます。
また、血の巡りが悪くなると生理不順や生理痛、便秘や頭痛、肩こりにも繋がってしまいますが、桃核承気湯には血の巡りを良くして熱を分散させることで、これらの症状改善が期待できます。
当帰芍薬散
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)はむくみや冷え、貧血、生理不順が気になる方におすすめです。
当帰芍薬散は血を補い、水の巡りを良くすることを目指します。代謝を良くし全身に栄養が届きやすくなることで、むくみ改善や体を暖める効果が期待できます。
月経時のトラブルや女性特有の症状を改善してくれるので”女性の聖薬”と呼ばれることもありますが、自律神経を整える働きもあるので男性が使用することもあります。
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漢方を使ったダイエットは美容と密接な関係がある?
漢方と聞くと治療が困難な病気の体質改善や、中年の方の健康維持に使われるイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、漢方は美容の手段としても取り入れることができます。
特に対処療法的な美容法とは違い、美容漢方は身体の状況や肌の不調の原因に合わせ、身体の中から改善を目指す、根本的な美容法です。
「肌は五臓の状態を反映した鏡」と言われることもある程、肌の質は体の内側から作り出されるものです。漢方は体の内側の体質から改善を目指していくので、漢方を使ったダイエットでは腸内環境を整えることや、肌トラブルの改善が期待できます。
また、漢方の観点から見る肌トラブルの原因は主に3つあります。
- ホルモンバランスの乱れ
西洋医学的な検査では異常が見つからないような僅かなバランスの乱れでも、肌に影響が出てきます。ホルモンバランスが乱れる原因には、不規則な生活やストレスなどが考えられます。
- 胃腸のトラブル
胃腸が治れば肌が綺麗になるとも考えられています。慢性的な便秘や下痢、消化不良などの胃腸トラブルも肌に影響を与えてきますが、胃腸が悪いと薬が飲めない場合もあります。
このような場合、漢方の治療ならば可能な場合があります。
直接的な治療はできないので遠回りになってしまうこともありますが、胃腸の症状が改善されるとともに、肌トラブルの改善も期待できます。
- ストレス
ストレスは「気」の流れを乱してしまい、ホルモンバランスに悪影響を及ぼします。医学的にいうストレスとは、転職や昇進、引越し、海外旅行など、本人にとって辛いことだけでなく嬉しい変化も含まれるので、ストレスがあることを自覚するのが難しい場合もあります。
漢方を使ったダイエットを行うと身体の中からの改善が目指せるので、ダイエットをしながら体調が整うと同時に、髪に艶が出てきたり肌が綺麗になったりと美容面の改善が期待できるでしょう。
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漢方を使ったダイエットに関するよくある質問
漢方を使ったダイエットに関する質問について、その回答とともにご紹介していきます。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
漢方をやめたらリバウンドする?
漢方を服用していくと体内から痩せやすい体質に変化していくので、漢方を飲むのをやめてすぐにリバウンドをすることは少ないとされています。
しかし、漢方に限ったことではありませんが食べすぎると太っていきます。栄養バランスを考え、ちょうどよい量の食事にすることが大切です。
効果が出るまでどのくらいかかる?
人それぞれ体質や目標によって個人差がありますが、平均1ヶ月程度で3kg前後の変化が出てくるでしょう。
副作用はある?
漢方を服用したことによる大きな副作用はないとされています。
しかし、頭痛や不眠、発汗、体のだるさ、心臓のドキドキなどが起きる可能性はあります。
西洋医学との違いは?
西洋医学では病気そのものを狙って、局所的にアプローチをしていきます。一方東洋医学では、症状を元に身体全体へアプローチをするので、体質を根本的に改善することを目指していきます。
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漢方を使ったダイエットまとめ
ここまで漢方を使ったダイエットについてお伝えしてきました。
漢方を使ったダイエットについてまとめると以下のとおりです。
- 漢方ダイエットは東洋医学をもとに身体全体の改善を目指す
- 漢方には「気」「血」「水」の考えがある
- ダイエットの効果を期待できる漢方はいくつもあり、人によって合うものが異なる
- 漢方ダイエットは美容にも効果が期待できる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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