ニキビは薬で治る?有効な成分や人気の治療薬を紹介

ニキビができたらすぐに薬を塗るという方は多いと思います。
しかしニキビの原因は人それぞれで、ニキビに有効な成分も変わってきます。

本記事ではニキビの薬について以下の点を中心にご紹介します。

  • ニキビの原因は?
  • 有効な薬は?
  • 効果が期待できる栄養素は?
  • ニキビを予防するには?

ニキビの薬について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

そもそもニキビの原因って?

ニキビの薬を使う前にニキビの原因を知りましょう。なぜなら原因によって治療のアプローチの仕方が変わってくるからです。
ここでは3つのニキビの原因を紹介します。

皮脂の分泌増加

ニキビの原因に皮脂の分泌の増加があげられます。生理前のニキビや思春期にできるニキビは皮脂量の増加が関係していることが多いです。

皮脂量が増える原因の1つがホルモンバランスの崩れです。生理前に男性ホルモンの分泌が活発化したり、思春期に男性ホルモンが増えたりすると、毛穴の奥から皮脂がたくさん分泌されます。

また、もともと脂性肌だったり、油分を多く含む食事が多かったりすると皮脂量が増え、ニキビの原因になります。

毛穴のつまり

毛穴が詰まるとニキビになりやすくなります。

毛穴が詰まる原因の1つが皮脂量の増加です。ホルモンや食生活のほかに、肌の乾燥も皮脂量を増加させる要因です。肌が乾燥すると、肌を潤そうと過剰に皮脂が分泌され毛穴が詰まるからです。

またターンオーバーの乱れも毛穴が詰まる原因になります。肌は約28日のサイクルで生まれ変わっています。睡眠不足や食生活が乱れるとターンオーバーのサイクルが崩れ、毛穴の出口にある角層がはがれなくなり毛穴が詰まってしまいます。

アクネ菌の増殖

アクネ菌は健康な方の肌にも存在する菌です。アクネ菌は皮脂を栄養源にしています。そのため皮脂量が増えるとアクネ菌も増殖して、肌に炎症が起きます。この炎症が赤ニキビになります。

アクネ菌の増殖を防ぐためには

  • ターンオーバーを整える
  • バリア機能を健康に保つ
  • 皮脂の量を正常にする

ことが大切です。

ニキビに有効な成分

ここまでニキビの原因をお伝えしてきましたが、できてしまったニキビにはどんな成分が有効なのでしょうか。
殺菌するイソプロピルメチルフェノール、レゾルシン、炎症を防ぐグリチルレチン、イブプロフェンピコノール、皮脂分泌をコントロールするビタミンB2・B6を紹介します。

イソプロピルメチルフェノール・レゾルシン

イソプロピルメチルフェノールとレゾルシンはニキビの原因となるアクネ菌を殺菌し悪化を防ぐ働きがあります。
ニキビの中では軽症である白くぽつぽつとした白ニキビに効果が期待できます。

イソプロピルメチルフェノールとレゾルシンは殺菌効果が期待されることから薬用石鹸や歯磨き粉にも使われています。毎日のスキンケアに取り入れたい成分です。

グリチルレチン

グリチルレチンはニキビの炎症を抑え、悪化を防ぐのに有効な成分です。
グリチルレチンは漢方の原料である甘草の根に含まれる成分です。漢方では喉の痛みや口内炎を治すために使われます。
ニキビでは、白ニキビが進行した赤ニキビの炎症を抑えるのに効果が期待できます。

イブプロフェンピコノール

イブプロフェンピコノールもグリチルレチンと同様に炎症を抑えるのに有効な成分です。
医療用の医薬品にも使われていて、非ステロイド性抗炎症薬のタイプです。
ステロイドと比べて副作用の心配が少ないので、顔周りにも使えます。赤ニキビの治療によく使用されています。

ビタミンB2・B6

ビタミンB2は皮脂の分泌をコントロールするのに有効な成分です。牛肉や豚肉、牛乳に含まれます。
ビタミンB6は肌のターンオーバーを整える作用が期待されます。イワシやサンマ、バナナに多く含まれています。
ビタミンは体に蓄積されにくいため、毎日の食事で摂ることが大切です。難しければビタミン剤などからも摂取しましょう。

ニキビにはどんな市販薬が有効?

ニキビが軽症の場合には市販薬で治せる場合があります。市販されている4つの薬の有効成分や期待できる効果を紹介します。

ペアアクネクリームW

ペアアクネクリームWには、炎症を抑える成分・イブプロフェンピコ―ノールや、アクネ菌を殺菌する成分イソプロピルメチルフェノールなどが含まれています。

炎症を起こしているニキビや毛穴が詰まって硬くなってしまったニキビにも有効です。
白いクリームですが、塗ると透明になります。ペアネクリームWをニキビ部分になじませた後に、化粧水などのスキンケアしましょう。

IHADAアクネキュアクリーム

IHADAアクネキュアクリームにも炎症を抑える成分・イブプロフェンピコ―ノールや、アクネ菌を殺菌する成分イソプロピルメチルフェノールなどが含まれています。

非ステロイド、アルコール不使用で肌に優しいのが特徴です。また、さっぱりとしたジェル状のクリームで、油分が少なめなので、メイクがよれにくくなっています。洗顔で顔を清潔にしてから、適量を手に取り塗りましょう。

Clearasilニキビ治療クリーム白色タイプ

殺菌作用のあるイオウ、皮脂の詰まりを抑えるレゾルシン、ニキビの炎症を抑えるグリチルレチン、血行促進するトコフェロール酢酸の4つの成分が配合されています。
皮脂の吸収、アクネ菌の殺菌、赤みの抑制が期待できます。のびやすく、なじみやすいクリーム状です。
白色タイプと肌色タイプがあります。

ピンプリットN

ピンプリットNは、殺菌作用のあるイオウ、皮脂の詰まりを抑えるリゾルシン、ニキビの炎症を抑えるグリチルレチン、日焼け止めなどに用いられる酸化亜鉛を配合しています。
油分を含んでいないので、さっぱりとした使用感です。またクリームが肌色でニキビ部分を隠しながら使用できます。

オロナインH軟膏

オロナインH軟膏にはクロルヘキシジングルコン酸塩という消毒液が入っています。
細菌を死滅させる作用があり、ニキビの原因となるアクネ菌にも効果が期待できます。

クロルヘキシジングルコン酸塩は医療機関でもよく使われていて、乾燥肌や毛穴の詰まりの改善も期待できます。
ステロイドを使用していないので、子どもから大人まで使いやすい市販薬です。

皮膚科でもらえるニキビの治療薬

市販薬で治らないほどニキビが悪化してしまった場合は、病院で薬を処方してもらいましょう。
ニキビは美容皮膚科だと思っている方も多いと思いますが、実は皮膚科で保険適用になります。

アダパレン

アダパレンは成分名で、ニキビの治療薬はディフェリンゲルという名前です。皮膚が角質になるのを調整し、毛穴の詰まりを改善する作用があります。
毛穴の詰まりが原因でできる、白ニキビに効果が期待できます。1日1回、洗顔後に使用できます。
塗り始めてから2週間以内にかゆみなどの症状が現れることがありますが、塗りなれると治ってきます。ニキビの症状を改善するためには、数ヵ月塗り続けるとよいでしょう。

ゼビアックスローション

ゼビアックスローションは抗菌薬で、症状が進行した赤ニキビに対して効果が期待できます。

ローションは粘り気がありながら垂れにくい性質があります。その他に油性クリームタイプもあり、軟膏のようにしっとりと塗れます。1日1回洗顔後に塗布します。

ダラシンゲル・ローション

ニキビの原因となるアクネ菌に感染し、化膿している赤ニキビに効果が期待できる薬です。
ゲルタイプは粘り気があるので、乾燥している部分など狭い範囲に塗るとよいです。もう1つのローションタイプは背中のニキビなど広範囲に適しています。
効果がみられるのは、ニキビによる腫れや痛みがある部分だけなので注意が必要です。1日2回洗顔後に使いましょう。

デュアック・ゲル

デュアック・ゲルは抗菌作用、抗炎症作用があります。炎症性のニキビである赤ニキビを早く治す効果が期待できます。
赤ニキビを治すとニキビ跡の予防につながります。また、赤ニキビだけでなく白ニキビにも使える薬です。1日1回洗顔後に塗布します。

ベピオゲル

ベピオゲルはアクネ菌を抑える効果が期待できます。
また、古い角質を取り除き、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを改善してくれます。2週間以上塗り続けることで効果が実感しやすくなりますが、途中でやめてしまうとニキビが繰り返してしまいます。
ニキビが治ってからも一定期間継続して塗りましょう。赤ニキビ、白ニキビにも使用可能です。1日1回、洗顔後に、ニキビができやすい場所全体に塗りましょう。

ミノマイシン(飲み薬)

ニキビの炎症が進んでいる場合には、抗菌薬の飲み薬を服用します。ミノマイシンはニキビの原因となるアクネ菌に効果が期待できる抗生物質です。
アクネ菌を死滅させるのではなく、増殖を抑えるので、服用から1週間程度で効果がみられることが多いです。
飲んだ後にめまいが起こる可能性があります。服用後の車の運転などには注意しましょう。

ビブラマイシン(飲み薬)

ビブラマイシンはニキビ治療によく用いられる内服薬です。抗菌作用のほか、抗炎症作用もあります。
ミノマイシンよりも副作用が少ないといわれ、日本のニキビ治療のガイドラインでは、内服薬の中で使用が強く推奨されています。

ロキシスロマイシン(飲み薬)

ロキシスロマイシンもニキビ治療に使われる内服薬です。ニキビの原因となるアクネ菌に対して効果が期待でき、炎症が進んだニキビの治療に使用されます。
基本的にはアクネ菌の増殖を抑える作用がありますが、高濃度だと殺菌作用もあります。

ニキビ改善に効果が期待できる栄養素

市販薬や皮膚科の治療薬でニキビを治すことが一般的ですが、合わせてニキビに効果が期待できる栄養素を摂るのも大切です。ビタミンの3つの栄養素を紹介します。

ビタミンB1

ビタミンB1は皮脂の分泌を整える役割があります。また、肌のターンオーバーの乱れや、色素沈着を防ぐ働きがあります。

ビタミンB1が多く含まれている食品は

  • 豚肉
  • 大豆
  • ナッツ
  • ほうれん草

などです。不足しないように毎日の食事に取り入れましょう。

ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚の保護や再生、維持に効果が期待できる栄養素で、皮膚や粘膜を健康的に守ってくれます。

ビタミンB2が多く含まれている食品は

  • 豚レバー
  • 納豆
  • ブロッコリー

などです。ビタミンB2を多く含む食材を組み合わせて摂取するとよいでしょう。

ビタミンE

ビタミンEには血行を促進し、肌細胞に新鮮な栄養素を届ける働きがあります。また代謝をサポートする機能があり、ターンオーバーを整える効果も期待できます。

ビタミンEが多く含まれている食品は

  • かぼちゃ
  • うなぎ
  • たらこ
  • 卵黄

などがあります。また、ツナ缶などを副菜として取り入れるのもおすすめです。

ニキビを予防するには?

ニキビができてしまった際の対処法を紹介してきましたが、ニキビができる前に日頃から予防しておくのも大切です。
ニキビを予防するためには十分な睡眠時間を確保し、肌のお手入れをしましょう。

睡眠時間を確保する

睡眠不足が続いていたらニキビができたという経験はないでしょうか。睡眠不足は肌の状態を悪化させます。なぜなら寝ている間に成長ホルモンが分泌され、皮膚を回復させているからです。

また睡眠の時間だけではなく、睡眠の質も大切です。良質な睡眠のために、朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びましょう。そうすると夜に自然と眠くなるようにスイッチが入ります。

乾燥を避ける

大人になってからできるニキビは肌の乾燥が原因の場合があります。肌が乾燥するとターンオーバーが乱れます。ターンオーバーが乱れた結果、毛穴がふさがり炎症が起き、ニキビができてしまいます。

肌が乾燥しやすくニキビができるという方は、まずスキンケアをしっかりと行い、肌に潤いを与えましょう。乾燥肌用のスキンケアアイテムを使ったり、クリームを重ねづけしたりするのもおすすめです。

肌に刺激を与えない

肌への刺激はニキビを悪化させます。ニキビができると無意識に触ってしまうという方は注意が必要です。また、髪が常に肌に当たっているだけでも刺激になるので、髪を結ぶなどの工夫をしましょう。

その他、スキンケアも肌の刺激になる場合があります。洗顔やタオルで拭くときに顔をゴシゴシとこすると、摩擦により肌が傷ついてしまします。肌に触れるときは優しく行いましょう。

ニキビの薬に関するよくある質問

ここまでニキビの薬の種類や成分を紹介してきましたが、ニキビの薬を使うときに様々な疑問があると思います。ここではニキビの薬に関するよくある質問をまとめました。

ニキビの薬はどのタイミングで塗ったらいいの?

ニキビの薬は肌が保湿された状態で塗るのが基本です。なのでスキンケアが終わったあとのタイミングがよいでしょう。
メイクするときは、スキンケア、ニキビの薬、メイクの順がおすすめです。
ただ薬によって塗るタイミングが異なる場合があるので、説明書をしっかり確認してください。また、薬を塗る前には必ず手を綺麗にしましょう。

ニキビの薬はどのくらい続けたら治るの?

ニキビの薬は湿疹のように2、3日では効果がでません。効果を実感するには早くても2週間かかる場合が多いです。ニキビ治療は根気よく続けていきましょう。

ただ抗生物質を3ヵ月続けて効果がでないときは、抗生剤が合っていないと考えられます。その場合は皮膚科の医師に相談しましょう。

ニキビの治療薬にはどんな副作用があるの?

ニキビの治療薬を使い始めてから2週間以内に

  • かゆみ
  • 赤み
  • ヒリヒリ感

などが現れることがあります。だいたいは一過性のもので症状は軽いです。
しかし、発疹や発熱などの症状がでた際は使用を中止し、医師に相談しましょう。

皮膚科でのニキビ治療にかかる費用はどれくらい?

病院の皮膚科で保険適用となるニキビ治療を受けると、義務教育終了後から70歳未満の方は基本的に、診察代や薬代はすべて3割負担となります。
なので1回の診察につき、1000円から3000円かかることが多いです。

保険が適用されるニキビ治療には

  • 毛穴に詰まった皮脂を取り出す処置
  • 塗り薬
  • 飲み薬

などがあります。

ニキビが同じ部位に再発しやすいのはなぜ?

ニキビが同じ部位に再発しやすいのは、コメドが原因となっている場合があります。
コメドとは、ニキビの始まりである毛穴の詰まりが悪化した状態のことです。
白ニキビや黒ニキビともいわれ、コメドの状態ではニキビに気付かない方もいます。

赤ニキビになって初めてニキビに気付き、薬を塗って治ったと思っても、実はまだコメドが残っていることがあります。コメドがある限りニキビは繰り返しできてしまうので、コメドを取り除くことが重要です。

最近では毛穴の詰まった状態のコメドを改善する薬も登場しています。繰り返すニキビに悩む方は皮膚科に相談して、コメドの治療をしてみるのも1つです。

ニキビの薬まとめ

ここまでニキビの薬についてお伝えしてきました。
ニキビの薬に関して要点を以下にまとめておきます。

  • 皮脂が増え、毛穴が詰まり、アクネ菌が増えることでニキビになる
  • 市販薬のほか皮膚科でもらえる薬の種類は多く、症状に合わせて使用する
  • ビタミン群はニキビの改善に効果が期待できる
  • ニキビ予防には十分な睡眠と肌への潤いが重要である

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。