1つできるだけでも憂鬱になるニキビは、すぐにでも治したいですよね。
大人ニキビに効果があるとされる市販薬はたくさんあり、どれに改善が見込めるのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事ではニキビ塗り薬について以下の点を中心にご紹介します。
- 大人ニキビとは
- ニキビができる原因
- 塗り薬の選び方
- セルフケアと皮膚科治療
ニキビ塗り薬について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
大人ニキビとは
おもに20歳以降にできるニキビを大人ニキビと呼ぶことがあります。
皮脂量の増加が原因の思春期ニキビと異なるとされています。
治りにくく繰り返しやすい特徴があります。
大人ニキビの特徴
おもに20歳以降にできるニキビを大人ニキビと呼ぶ傾向があります。
「20歳を過ぎたら吹き出物」と聞きますが、大人ニキビと吹き出物は同じものとされます。
大人ニキビは複数の要因が絡み合って生じる場合が多く、皮脂の少ない部位にできます。
とくにUゾーンやOゾーンといった顎や口周り、フェイスラインなどにでき、治りにくく繰り返しやすいという特徴があります。
大人ニキビと思春期ニキビの違い
高校生くらいをピークに、小学校高学年くらいから見られるニキビが思春期ニキビです。
思春期に性ホルモンは急激に増えるとされています。
急激に増えた性ホルモンの影響で皮脂が増加し、毛穴につまり炎症を起こします。
皮脂の増加が多いTゾーンと呼ばれる額や鼻などに多くみられるのが特徴です。
一方大人ニキビは不規則な生活などによる、ホルモンバランスの乱れが原因に繋がるニキビです。
皮脂分泌だけではなく、ストレスなど様々な要因が絡まって生じるのが大人ニキビです。
思春期ニキビが皮脂分泌の多いTゾーンを中心にできるのに対し、大人ニキビは乾燥しやすいUゾーンやOゾーンに多くできる傾向があります。
ニキビができる原因3つ
ニキビができる主な原因は以下の3つです。
- ターンオーバーの乱れ
- 皮脂分泌の増加
- 肌バリアの低下
それぞれについて解説していきます。
ターンオーバーの周期異常
本来はがれ落ちるはずの古い皮脂が肌表面に残ったままで、毛穴を詰まらせてしまいニキビにつながります。
一定のサイクルで生まれ変わりを繰り返す肌の働きをターンオーバーと呼びます。
ターンオーバーはおよそ28日程度とされ、年齢を重ねるほど長くなる傾向があります。
自然にはがれ落ちるはずの古い角質がいつまでも肌にとどまり、毛穴を詰まらせニキビにつながることがあります。
出典:ターンオーバーの乱れを正常にして美肌美人に! 美容皮膚科タカミクリニック
過剰な皮脂分泌
詰まってしまった毛穴に皮脂がたまり、アクネ菌が皮脂をエサとして増殖して炎症を起こすのがニキビです。
特に女性の場合、生理前に女性ホルモンの一種である黄体ホルモンが多くなります。
黄体ホルモンは皮脂を増加させるとされるため、皮脂分泌の過剰につながります。
皮脂分泌の過剰な状態にアクネ菌が繁殖し、ニキビの悪化につながるとされます。
出典:ニキビで悩んでいませんか? 南大沢婦人科ヒフ科クリニック
肌バリアの低下
ストレスや生活習慣の乱れ、周期ごとのホルモンバランスの乱れは肌のバリア機能を低下させます。
肌バリアが低下すると古くなった角質がうまくはがれ落ちず、刺激などから肌を守ろうと毛穴周りの角層が厚くなります。
角層が厚くなると皮脂の出口がふさがれ、皮脂の排出がうまくいかず毛穴に皮脂がたまります。
皮脂がたまることでアクネ菌が増殖するので、ニキビにつながるとされます。
自宅ケアと皮膚科治療の選び方
市販の塗り薬は数多くあります。
しかしニキビは皮膚の病気の1つとされる為、正しく対処することが大切です。
市販の塗り薬でケアできる場合と皮膚科での治療が必要な場合の違いを詳しく解説します。
市販の塗り薬でケアできる場合
炎症を起こしていない初期段階のニキビは以下の通りです。
症状 | |
白ニキビ | ・初期段階 ・白く見える状態 ・炎症は起きていない ・痛みはない |
黒ニキビ | ・白ニキビが進行 ・黒くなった状態 ・炎症は起きていない ・痛みはない |
以上の段階のニキビでは正しい洗顔と十分な保湿により、ターンオーバーを整えることで改善が見込めます。
肌を清潔に保ち、患部を触らないことが大切です。
皮膚科での治療が必要な場合
炎症を起こした重度のニキビは以下の通りです。
症状 | |
赤ニキビ | ・毛穴の中でアクネ菌が増殖 ・炎症を起こしている状態 ・人によっては強い痛みがある |
黄ニキビ(化膿ニキビ) | ・毛穴の中に膿が溜まり腫れている ・炎症が奥深くまで達している ・ニキビの最終段階とされる |
以上の段階まで進行してしまうと、必要以上に刺激を与えないよう注意が必要になります。
炎症が自然と落ち着くには時間を要し、炎症が落ち着いたとしても跡が残ってしまうなどのトラブルの可能性があります。
また市販薬を2週間以上使用しても改善が見込めない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
出典:ニキビの種類 池袋フェミークリニック美容皮膚科
出典:市販薬と皮膚科のニキビ治療何が違うの? はつ花皮膚フ科クリニック
皮膚科の処方箋と市販のニキビ塗り薬の違い
皮膚科の処方箋と市販のニキビ塗り薬の違いは、成分の種類や効果の違いです。
市販薬で治療するメリットに手軽さがあげられます。
ニキビ治療には長期戦になる場合も多いため、自分にあった市販薬があれば助かります。
しかし診察を伴わない「自己責任」で治療することになります。
場合によっては炎症を起こすなどの悪化につながる可能性があります。
皮膚科の処方薬には、アクネ菌の増加を抑えて毛穴つまりの改善に効果が期待される成分を含んだ薬や抗生剤などがあります。
ニキビ治療への使用が強く推進されている薬は、市販薬では扱いがありません。
初期段階の白ニキビや黒ニキビ、あるいはニキビ予防を目的とするなら市販の塗り薬で効果が期待できます。
しかし、赤ニキビや黄ニキビなど症状が進んでしまっている、あるいは市販薬での改善が見込めない場合は、ニキビ治療として強く推進する薬が処方される皮膚科への受診がおすすめです。
大人ニキビに有効な塗り薬の選び方
大人ニキビは、状態に合った塗り薬を使用することが大切です。
不適切な塗り薬を使用すると、十分な効果が見込めないどころか悪化につながる可能性もあります。
塗り薬は商品によって配合されている成分が異なるため、ニキビの状態によって使い分けることで改善への効果が見込めます。
大人ニキビに有効な塗り薬の選び方を詳しく解説していきます。
白・黒ニキビ
ニキビの初期段階で白く浮きでている状態が白ニキビです。
黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開き黒く見える状態です。
どちらも炎症を起こす前の段階で、市販薬での改善も見込める状態です。
白・黒ニキビにはニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌する成分を含む塗り薬に効果が期待できます。
おもな殺菌成分は以下のものとなります。
- イソプロピルメチルフェノール
- レゾルシン
- クロルヘキシジン
赤ニキビ
炎症を起こし赤く腫れ上がった状態が赤ニキビです。
アクネ菌が増殖し炎症が起きている赤ニキビには、まず炎症をおさえる抗炎症剤を含む塗り薬で悪化を防ぐことをおすすめします。
おもな抗炎症剤は以下のものになります。
- イブプロフェンピコノール
- アラントイン
- グリチルリチン酸二カリウム
黄ニキビ
赤ニキビが悪化し先端に膿がみえる状態が黄ニキビです。
黄ニキビは市販薬での炎症をおさえる効果は見込みづらく、皮膚科での治療がおすすめです。
しかし、忙しくてすぐに皮膚科を受診できない方や一時的でも炎症を抑えたい方もいらっしゃるでしょう。
その場合抗生物質、また抗炎症成分が配合された塗り薬で効果が期待できます。
応急処置であるとの認識を持つことが大切です。
長期使用は避け、早急な皮膚科受診が改善の効果へ導きます。
【ニキビ症状別】おすすめ塗り薬
塗り薬はニキビの状態を見極め、ニキビの症状にあった塗り薬を正しい方法で使用することでニキビ改善の効果が見込めます。
ニキビ症状別のおすすめ塗り薬を詳しくご紹介します。
白・黒ニキビにおすすめ塗り薬
初期段階とされる白・黒ニキビにはニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌する成分を含む塗り薬に効果が期待できます。
イハダ アクネキュアクリーム
資生堂より大人ニキビ・吹き出物に効果が見込める治療薬として販売されています。
イハダ アクネキュアクリームのおすすめポイントは以下の点になります。
- ジェルタイプのノンステロイド治療薬
- イブプロフェンピコノール配合・イソプロピルメチルフェノールのWアプローチ
- 素肌と同じ弱酸性
- ノンアルコール
- 塗布した上からメイク可能
オロナインH軟膏
発売から50年以上経過し広く知られた商品です。
皮脂トラブルに効果が期待できるので、常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。
オロナインH軟膏のおすすめポイントは以下の点になります。
- クロルヘキシジングルコン酸塩が有効成分
- ノンステロイドの軟膏治療薬
- 家庭の皮脂トラブルに効果が見込める
- オリーブ油などの保湿成分が含まれる
アンナザルベ・エース
ニキビ治療の専用薬として販売されています。
のびがよく、べとつきの少ないクリームタイプの治療薬です。
アンナザルベ・エースのおすすめポイントは以下の点になります。
- ニキビ専用治療薬
- イオウ・レゾルシン・グリチルリチン酸が有効成分でニキビ治療に効果が見込める
- 塗ったあとが目立ちにくいクリームタイプ
参照:肌の悩み・にきびにはアンナザルべ・エース エスエス製薬
赤ニキビにおすすめ塗り薬
ニキビの赤みは炎症を起こしている状態です。
塗り薬を選ぶ場合は、炎症を抑える成分が配合されている製品に効果が期待できます。
アポスティークリーム
ゼリア製薬が製造しているニキビ専用治療薬です。
アクネ菌の繁殖を抑え、患部を殺菌する効果が見込めるクリームタイプの治療薬です。
アポスティークリームのおすすめポイントは以下の点になります。
- イブプロフェンピコノール・イソプロピルメチルフェノール配合
- ビタミンE酢酸配合(肌の代謝アップと同時に殺菌効果を高める効果が期待される)
- 肌に塗ると透明
- メイク前に使用可
- ミニサイズも販売されている
ピンプリットN
資生堂から販売されるオイルフリーのニキビ治療薬です。
ピンプリットNのおすすめポイントは以下の点になります。
- イオウ・レゾルシン・酸化亜鉛・グリチルレチン酸配合で3ステップでニキビにアプローチ
- オイルフリーでさっぱりした使い心地
- 無香料
- 濃グリセリン配合により患部がカサつきにくい
- 肌色タイプ
ビフナイトn
小林製薬が製造するニキビケア用クリームです。
ニキビの皮脂を吸収し、腫れや赤みの改善を目指す治療薬です。
ビフナイトnのおすすめポイントは以下の点になります。
- イオウ・イソプロピルメチルフェノール配合
- 眠っている間のニキビ改善を目指す治療薬
参照:一般医薬品 ビフナイトn
黄ニキビにおすすめの塗り薬
黄ニキビは赤ニキビがさらに進行した状態で、黄色く膿んでしまったニキビです。
黄ニキビは高度の進行で、炎症が強いほど跡が残ってしまうなどの可能性があります。
ニキビの先端に黄色の膿があった場合は、できるだけ早い皮膚科受診がおすすめです。
一時的な治療薬としては炎症を抑え殺菌効果が期待できる抗生物質、また抗炎症成分が配合された塗り薬に効果が見込めます。
クロロマイセチン軟膏2%A
抗生物質のみが配合されたニキビをはじめ、化膿をともなうおできやふきでものに効果が期待できる軟膏です。
クロロマイセチン軟膏2%Aのおすすめポイントは以下の点になります。
- 抗生物質だけなのでステロイド薬に抵抗を感じる方におすすめ
- 軟膏なので薬の効き目の持続性が期待できる
- ベタつきが比較的少ない
キシロA軟膏
ニキビが膿んだ状態の場合の他、痛みが強く出ている際に効果が見込める軟膏です。
キシロA軟膏のおすすめポイントは以下の点になります。
- 局所麻酔薬や殺菌薬が含まれる
- 刺激が比較的少ないとされる
- 油性基剤の為、皮膚の乾燥を予防し傷のカバー力にも効果が見込める
- 表面麻酔により早い効果を見込める
参照:キシロA軟膏l公式
ニキビ塗り薬にステロイドはNG
SNSやYouTubeなどでステロイド含有薬でニキビが改善したと紹介しているのを見かける方も多いのではないでしょうか。
しかし、ニキビ治療にステロイド剤の使用は推奨されていません。
ニキビ治療にステロイドがNGな理由を詳しく解説していきます。
出典:リンデロンVG軟膏はニキビに効果ある?ニキビとステロイド剤の関係 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック
ステロイドはニキビを悪化させる
ステロイドを使用すると、薬を塗った部分の皮膚の免疫力が低下する傾向があります。
免疫力が低下した部分に細菌がつくと、ニキビはできやすくなります。
ステロイドは炎症を抑える作用が期待されるので一時的に炎症が抑えられたとしても、結果的にニキビのできやすい肌になる可能性があります。
日本皮膚科学会が作成した尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017にも「炎症性皮疹にステロイド外用を推奨しない」と書かれており、治療効果も確かな根拠はありません。
副作用がでても自己責任
医薬品を使用した際に大きな副作用が出た場合、副作用被害救済制度という救済給付を受けることが可能です。
副作用被害救済制度は、薬を正しく使用した場合に対象となる制度です。
市販のステロイド剤の効能効果には、ニキビに対しての効果が記載されていません。
したがって市販のステロイド剤をニキビ治療に使用した場合、給付対象外となります。
出典:医薬品副作用被害救済制度について 厚生労働省医薬食品局
ステロイドより効果の高い成分
ニキビに効果が期待される塗り薬として、ステロイドより効果が見込める成分をご紹介します。
特徴 | |
ハイドロキノン | ・色素沈着のニキビ跡に効果が見込め ・赤みニキビからの色素沈着予防としての 使用で効果が期待できる ・市販で購入できるものが多くある |
レチノイド | ・ビタミンAと誘導体を合わせた総称 ・初期段階の白・黒ニキビに対して効果が期待できる ・ニキビの発生自体を抑制する効果が見込める |
トラネキサム酸 | ・抗炎症作用によるニキビ跡の改善に期待できる ・炎症反応やアレルギーを抑える効果が見込める ・市販で購入できるものが多くある |
出典:リンデロンVG軟膏はニキビに効果ある?ニキビとステロイド剤の関係 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック
ニキビ 塗り薬に関するよくある質問
ニキビの塗り薬に関してよくある質問は以下です。
- 潰してしまった場合に塗る薬は?
- オロナインはニキビに効果が見込める?
- ニキビの塗り薬はどれくらいで改善が見込める?
- ニキビの塗り薬と化粧水はどっちが先?
それぞれ詳しく回答します。
ニキビを潰してしまったら何を塗ればいいですか?
雑菌の繁殖を防止する為、病院で処方された抗生剤を塗ることが大切です。
潰してしまった場合の手順は以下です。
- 刺激による悪化に十分注意しながら、清潔なティッシュやガーゼなどで膿や血を拭き取る
- 雑菌を洗い流す為、皮膚用の消毒液(マキロンなど)で消毒する
- 病院で処方された抗生剤を塗る
- ニキビ部位に触れない・メイクなどは刺激となる可能性があるので避けることで改善の効果が見込める
オロナインはニキビに効果がありますか。
ニキビができる要因はさまざまとされますが、ニキビを作り出す原因はアクネ菌です。
オロナインに含まれるクロルヘキシジングルコン酸塩は、アクネ菌を殺菌する効果も見込めます。
また、クリーム状の軟膏タイプのオロナインにはオリーブ油などの保湿成分が含まれています。
そのため、乾燥が要因とする大人の白ニキビにも効果が期待できます。
ニキビの塗り薬は、どれくらいの期間で治りますか?
ニキビ治療は、しっかり毎日続ければ治療効果が期待できます。
毎日続けることが大切で、ニキビ治療は湿疹などとは違い2日から3日ほどでの効果は期待できません。
効果を見込めるまで早くて2週間ほどかかるとされ、改善が見込めるのは3ヶ月ほど続けた後が大半です。
ニキビ塗り薬と化粧水、どちらを先に付ければいいですか?
ニキビの塗り薬は、基礎化粧の前に塗ると効果が期待できます。
正しい洗顔をし、肌が清潔な状態の洗顔後すぐに塗り薬を薄く塗り広げます。
塗布する際は、肌の刺激に繋がらないようやさしく塗り広げることが大切です。
ニキビ塗り薬を塗布した後に化粧水、乳液や美容液といったクリーム系のものという順番で行うことで治療効果が見込めます。
ニキビ 塗り薬まとめ
ここまでニキビの塗り薬についてお伝えしてきました。
ニキビの塗り薬についてまとめると以下の通りです。
- 20歳以降にできる治りにくく繰り返しやすいのが大人ニキビ
- ターンオーバーの乱れ・過剰な皮脂分泌・肌バリア低下がニキビの原因
- 状態に合った塗り薬を選ぶことが大切
- 炎症を起こしたニキビや市販薬で改善が見られない場合は皮膚科受診がおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。