肌荒れと老化の関係は?肌の老化のメカニズムと対策を紹介します!

年を重ねると、シワやシミ、肌のたるみ、色素沈着など、さまざまな肌悩みや肌荒れの症状に悩まされやすくなります。
なぜ、年を重ねれば重ねるほど、肌に対する悩みが増えやすいのでしょうか?

今回は、肌荒れと老化の関係性について、

  • なぜ年を重ねると肌荒れしやすいのか?
  • 老化による肌荒れを防ぐ方法とは?
  • 老化による肌荒れに効果が期待できるスキンケアとは?

以上のポイントを中心に詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ肌が老化すると肌荒れがおきるの?

肌の老化とは、肌に備わっているバリア機能などが低下したり、水分が保持できなくなることで乾燥肌になったりしている状態を指します。
また、肌のターンオーバーのサイクルが老化に伴って長くなることも肌の老化現象の1つといわれています。

始めに、肌の老化によって起こる現象について詳しく解説していきます。

乾燥

肌の老化によって皮膚が乾燥しやすくなる理由は、肌の表面を覆う細胞の保湿成分が減少してしまうためといわれています。

肌のターンオーバーサイクルが加齢に伴って長くなり、角質が排出されにくくなります。
古い角質が排出されずに残ることで角質層が厚くなり、皮脂の分泌量も減少しているため、肌の水分量が低下しやすくなります。

肌の水分量の低下に伴って、肌のバリア機能自体も低下してしまうことで、乾燥などの肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。
肌の老化による乾燥を防ぐためには、肌のターンオーバーを活性化させ、肌のバリア機能を向上・保持することが重要です。

紫外線

老化の原因の約8割は、紫外線が原因と考えられています。
そのため、紫外線によって起こる「光老化」も、シワやたるみなどの肌悩みの原因の1つです。

「光老化」とは、紫外線を長期間浴びることによって起こる皮膚の変化や肌荒れを指します。
紫外線を浴びることで、メラニン色素を生成する細胞が活性化してしまうことでシミになる原因になります。
また、真皮層の細胞に含まれるコラーゲンやエラスチンなどの成分に影響し、肌のハリや弾力が失われる原因にもなると考えられています。

光老化は、紫外線を浴びた時間や紫外線の強さなどによって、老化の度合いが異なります。
また、人間は一生の間に浴びる紫外線の半分を成人前までに浴びるといわれています。
そのため、光老化を防ぐためには、幼少期からの紫外線対策が重要です。

出典:光老化|持田ヘルスケア株式会社

糖化

肌が老化する原因の1つとして、「糖化」が挙げられます。
糖化とは、体内にある余分な糖がタンパク質や脂肪と結びつくことを指します。

糖化によって「AGEs(エージーイーズ)」と呼ばれる物質が発生し、このAGEsが肌の老化の原因と考えられています。
真皮にある細胞や線維にAGEsが蓄積し、線維自体を脆くしてしまうため、肌の柔軟性が失われやすくなります。
肌の柔軟性が失われることで、シワやたるみ、しみなどのさまざまな肌悩みを引き起こすといわれています。

また、糖化によって肌のターンオーバーが乱れ、角質が排出されにくくなることで、さらに肌荒れを引き起こしやすくなります。
肌の保水力も奪われていくため、肌の乾燥が進む原因にもなる場合があります。
糖化を防ぐためには、抗糖化と呼ばれる食生活を心がけ、栄養バランスを意識することが重要です。
抗糖化に重要な栄養素は、ビタミンCや鉄分、カテキン、食物繊維などが挙げられます。

出典:「糖化」とは?あなたの肌は大丈夫?肌を老化させる原因を知ろう|大正製薬商品情報サイト
   お肌の老化を誘発する「糖化」の原因・対策や血糖値との関係を解説|ドモホルンリンクル公式サイト

摩擦

洗顔やスキンケア、メイク時に肌を擦ってしまうことで、肌の老化や肌荒れの原因になる場合があります。
摩擦は肌へのダメージになりやすく、肌のターンオーバーが乱れたり、肌自体のバリア機能が低下したりするため、注意が必要です。
また、摩擦による肌の炎症は、くすみやシミの元となるメラニン色素の過剰生成に繋がるリスクもあります。

日常生活の中で肌との摩擦が起こる状態はとても多く、洗顔やスキンケア時だけでなく、就寝時や外出時にも摩擦が起こる可能性はあります。
肌と寝具、肌と衣類などがふれあうことで摩擦が起き、肌へのダメージになってしまいます。

寝具や衣類などは清潔を保つよう心がけ、肌との摩擦が起きにくい素材のものを選ぶのがおすすめです。

肌荒れによる老化を防ぐためには

次に、肌荒れによる老化を防ぐための対策について解説していきます。
老化を防ぐためには、紫外線対策やスキンケア、日常生活の見直しなどが重要なポイントになります。
それぞれの対策について重要なポイントや注意点について触れていますので、参考になれば幸いです。

紫外線対策

肌の老化の原因は、紫外線による光老化の影響が大きいといわれています。
そのため、紫外線対策を意識して実施することが重要です。
外出時には、肌が直接紫外線に当たらないように、できるだけ肌の露出を控えるのが良いでしょう。

また、紫外線対策として日焼け止めを塗ったり、日傘や手袋・帽子などを着用したりするのがおすすめです。
日焼け止めは朝塗るだけでなく、外出中は数時間おきに塗り直すと日焼け止め効果が持続しやすくなります。

日焼け止めにはSPFやPAといった値が設定されており、紫外線の強さやあたる時間の長さによって使い分けるのも良いでしょう。
春~夏にかけての時期や夏の晴れた日に外に出る場合は、SPFやPAが高い数値のものを使うのがおすすめです。
職業柄外に出ることが多い方や、何らかの事情で紫外線をいつもより多く浴びる方は、スキンケアに美白効果が期待できるものを使用するのが良いでしょう。

美白有効成分として化粧品に含まれている成分は以下の通りです。

  • トラネキサム酸
  • プラセンタエキス
  • ビタミンC誘導体
  • アルブチン
  • リノール酸S
  • ニコチン酸アミド

これらの成分は美白有効成分の一部であり、化粧品やスキンケア製品に含まれていることが多いです。
成分によっては、一般化粧品や医薬品として販売されておらず、病院での処方が必要なものもあります。
自分の肌に合った美白ケア商品をあらかじめ見つけておくことで、紫外線を浴びたときにケアしやすくなります。

出典:美白有効成分とは?それぞれの効果と種類について解説!|コーセー美容情報サイト
   肌の老化、原因の8割は紫外線?「肌」のトリビア5選|HELiCO|アイセイ薬局

保湿中心のスキンケア

老化の原因として、肌が乾燥していることが挙げられます。
肌の乾燥を防ぐために、保湿中心のスキンケアを心がけましょう。

肌のバリア機能は、皮膚の水分と油分がバランス良く保たれていることで正常に機能します。
肌の水分と油分のバランスが崩れることで、肌の水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥しやすい状態になります。
保湿ケアを意識することで、肌の水分が蒸発するのを防ぎ、バリア機能が正常に働くように補助することが重要です。

保湿ケアをするときのポイントとしては、化粧水を何回かに分けてじっくりと浸透させることです。
適量を両手に出して、体温で温めるようにして顔や体の保湿したい範囲にのせていきます。
化粧水や乳液を塗るときは、擦らずに優しく肌を押さえるようにのせるのがポイントです。

また、化粧水や美容液などを塗った後に、ベタつきが気になるからといって、クリームや乳液をつけないと、水分が蒸発して乾燥が改善しにくくなります。
そのため、さっぱりとしたテクスチャーの乳液やクリームを使用して、肌の水分が蒸発しにくくなるように蓋をするイメージで塗りましょう。

出典:肌荒れを改善するための3つの方法|肌育研究所poweredbyyuskin

規則正しい生活

肌の老化を防ぐためには、スキンケアだけでなく、日常生活の見直しも重要です。
睡眠や運動不足、睡眠の質の低下などは、肌への悪影響を及ぼす可能性があります。
睡眠不足や質の低下によって肌のターンオーバーが乱れ、肌荒れや肌のたるみ、シワなどの原因になることもあるため、注意が必要です。

心身共に健康的な状態を継続し、健康的な生活を送るためにも、規則正しい生活を心がけましょう。
適度な運動は、血行促進や新陳代謝の促進に伴う肌のターンオーバーの活性化にも繋がります。

運動する時間が取れないという方は、日常生活を送るなかで階段を利用したり、歩くスピードを速めたりして、生活での動きを運動の一環にするのがおすすめです。     

バランスの良い食事

食生活を見直すことも、肌の老化を防ぐために重要なポイントです。
肌に良いとされる栄養素をバランス良く摂取することで、肌を健康的に保つ効果が期待できます。

また、前述した「抗糖化」が期待できる栄養素も取り入れることで、より健康的な肌の状態を保ちやすくなります。

肌に良いとされる栄養素は以下の通りです。

  • ビタミンA:肌の細胞の生成を助ける
  • ビタミンB6:タンパク質の生成を助ける
  • ビタミンC:シミ予防、コラーゲンの生成を助ける
  • ビタミンE:新陳代謝の活発化、活性酸素の抑制
  • βカロチン:体内でビタミンAに変化する栄養素

これらの栄養素は、肉や魚、卵、果物、豆やナッツ類、緑黄色野菜などに含まれています。
食事での摂取が難しい場合は、サプリメントを活用してバランスを整えましょう。

シミ、しわ、肌荒れ以外にもある!紫外線がもたらす健康被害

長年の環境破壊や公害による影響で、オゾン層が薄くなったことで、紫外線の増加による健康への悪影響が懸念されています。
紫外線は、シミやしわ、肌荒れ以外にもさまざまな悪影響や健康被害をもたらすといわれています。
紫外線による皮膚への影響として、急性傷害・慢性傷害・皮膚がんなどが挙げられます。
急性傷害は、日焼けによる炎症や水ぶくれなどを指します。

また、紫外線によって皮膚に炎症が起こることで、口周りの単純ヘルペスの発症や光線過敏症などの原因になる場合もあります。
慢性傷害とは、長年紫外線に当たり続けることで、シミやしわ、腫瘍などが現れることを指します。
皮膚の腫瘍には、良性の脂漏性角化症と悪性の皮膚がんがあります。

シミやしわなどの肌の変化や皮膚の腫瘍などは、光老化による肌への慢性傷害の影響が大きいと考えられており、予防のためには紫外線対策が重要です。

また、紫外線は目にも影響を及ぼすと考えられています。
紫外線角膜炎や翼状片、白内障などの原因として紫外線が関係しているとされています。
紫外線角膜炎は、強い紫外線を浴びたときに一時的に見られる角膜の炎症を指します。

翼状片とは、白目が翼状に黒目に侵入し、場合によっては視力に障害をきたす場合がある疾患です。
30代以上の方に多く見られ、紫外線などの外からの刺激が発症に関係していると考えられています。
白内障は、水晶体が濁ることで視力が低下し、進行すると失明するリスクがある疾患です。
日本人に多いといわれている皮質白内障は、発症する原因として、紫外線が関係しているといわれています。

出典:紫外線環境保健マニュアル2015|環境省

肌荒れと老化の関係に関するよくある質問

最後に、肌荒れと老化に関するよくある質問について解説していきます。
光老化や日焼け止めの塗り方などについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

光老化と老化はどう違うの?

光老化と老化の違いは、肌の変化の原因が紫外線であるかどうかです。

老化は年齢を重ねることで起こる肌の変化を指します。
光老化は、紫外線を長期間浴びたことによる慢性傷害であり、老化にプラスする形で現れます。

また、光老化によって皮膚が厚くなり、皮膚の弾性線維の機能が低下することで、シワやたるみの原因になると考えられています。
弾性線維の機能が低下することを光線性弾性線維症といい、光老化で現れる特徴として挙げられます。

出典:Q5光老化は普通の老化とどう違うのですか?|皮膚科Q&A

日焼けサロンで焼いたら皮膚へのダメージは少ない?

日焼けサロンで照射されている紫外線は、波長の長いUV-Aのみの場合が多いですが、皮膚へのダメージは避けられません。

肌が黒くなるサンタンと呼ばれる現象は、皮膚にダメージを与えた結果、メラニン色素が多く生成されるためであり、皮膚の酸化を加速させることにもなります。
また、過剰にUV-Aにあたることで水疱やシミなどの症状が現れる場合もあります。
紫外線による肌の変化は長年蓄積されたあとに現れるため、注意が必要です。

皮膚のシミやしわ、場合によっては皮膚がんの原因になることもあるため、リスクを理解した上で日焼けサロンを利用するか慎重に判断しましょう。

出典:Q14日焼けサロンは大丈夫?|皮膚科Q&A
  紫外線環境保健マニュアル2015|環境省

日焼け止めクリームの効果的な塗り方は?

日焼け止めの塗り方として重要なポイントは、厚めに乗せるように塗ることです。
塗り込むのではなく、ムラなく乗せるようにするのがポイントです。

日焼けしやすい頬やおでこ、あご、鼻の頭などは特に厚めに塗っておきましょう。
また、生え際やまぶた、耳などは塗り忘れやすい範囲のため、塗り忘れがないようにきちんと塗っておくことをおすすめします。

また、朝外出前に塗って終わりではなく、2~3時間に1度のペースで塗り直すのがおすすめです。
汗や摩擦などによって日焼け止めが取れてしまい、日焼け止め効果が失われてしまう場合があります。

出典:肌の老化、原因の8割は紫外線?「肌」のトリビア5選|HELiCO|アイセイ薬局

しわやたるみが特に冬に目立つのはどうして?

日本の冬は空気が乾燥しやすいほか、室内外の気温差によって、肌の水分が蒸発しやすいことが原因でシワやたるみが目立ちやすいといわれています。
肌の乾燥を防ぐために、冬の期間は特に保湿ケアを入念にしておくのがおすすめです。

化粧水や乳液のほか、保湿成分が含まれた美容液、肌に水分を閉じ込めるためのクリームを使用して、肌の水分が蒸発しにくくなるようにスキンケアをしましょう。

肌荒れと老化の関係のまとめ

ここまで肌荒れと老化についてお伝えしてきました。
肌荒れと老化についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 老化による肌荒れが起きる原因として、乾燥や紫外線、糖化、摩擦が挙げられる
  • 肌荒れによる老化を防ぐためには、紫外線対策や規則正しい生活をすると良い
  • 肌の老化を防ぐために、肌に良いとされるビタミンを摂取するのが重要である
  • 肌の老化や肌荒れを防ぐためには、保湿を重視したスキンケアをするのがおすすめ

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。