肌荒れ予防には乾燥対策が必要?おすすめのスキンケア方法を紹介

肌荒れや乾燥は、老若男女関係なく悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
こまめな保湿をしているにもかかわらず、なかなか改善が見込めないこともあります。

本記事では肌荒れと乾燥について以下の点を中心に紹介します。

  • 肌が乾燥する理由
  • 肌荒れと乾燥の関係
  • 乾燥による肌荒れを防ぐ方法
  • 肌の乾燥を防ぐ食事
  • 肌荒れの対処法

肌荒れと乾燥について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

肌が乾燥する理由

肌が乾燥する原因を解説していきます。
あわせて、乾燥肌の症状や乾燥性皮膚炎との違いをご説明します。

肌が乾燥する原因

皮膚の角層と呼ばれる部分の水分量の低下が、肌が乾燥する原因です。

皮膚の水分量は、皮脂・天然保湿因子NMF・角質細胞間脂質という3つの物質により、通常は一定にキープされています。
これらが十分な量分泌されず働かなくなると、肌から水分が蒸発しやすくなり乾燥する可能性があります。

乾燥の主な原因は以下の通りです。

  • 乾燥した空気
  • 間違った洗顔
  • セラミド不足
  • 生活習慣
  • アレルギー体質
  • 肌のターンオーバーの乱れなど

湿度が下がる冬期は特に、乾燥肌になりやすいことはご存じの方も多いと思います。
しかし、汗が残っていたり、クーラーにより肌の水分が奪われたりするため、暑い季節も肌の乾燥に気をつけることが大切です。

高齢者は、皮脂や発汗量が減少したり、皮膚が薄くなったりするため、乾燥しやすいとされます。
また、皮脂の分泌が少ない子どもや30代以降の女性は、皮脂の分泌が減少し乾燥しがちになる可能性があります。

出典:「乾燥肌改善 東京の美容皮膚科銀座肌クリニック」

乾燥肌の症状

乾燥肌はドライスキンとも呼ばれています。
特に皮脂の分泌が少ない以下の部位に起こりやすいとされます。

  • すね
  • 顔(頬・口の周り・目の間周りなど)
  • 足裏のかかとなど

乾燥肌の主な症状に以下があげられます。

  • カサカサする
  • ガサガサになる
  • つっぱり感
  • 白い粉がふく
  • ひび割れなど

出典:「乾燥肌とは?原因、症状、治療など 新宿駅前クリニック皮膚科」

乾燥肌と乾燥性皮膚炎の違い

皮膚の乾燥は、比較的多くの方が経験します。
一般的に乾燥肌といわれる症状です。
乾燥肌がさらに進行し、角質層の水分が不足して皮膚が柔軟性を失った状態が、乾燥性皮膚炎と呼ばれる症状です。

乾燥性皮膚炎に以下の症状があげられます。

  • ひび割れ
  • 皮むけ
  • 強いかゆみや赤み
  • 水ぶくれ
  • 湿疹など

湿疹ができると皮脂のターンオーバーは早くなり、肌の乾燥がさらに悪化する可能性があります。
肌の乾燥だけでなく赤みなどの湿疹の症状がある場合は、乾燥性皮膚炎の可能性があるため医療機関の受診をおすすめします。

出典:「乾燥肌と乾燥性皮膚炎の違いは 山本メディカルセンター」

肌荒れが乾燥で起こる理由

肌がうるおいを保つ仕組みとともに、乾燥が肌荒れによって起こるメカニズムを解説していきます。

肌はどのようにうるおいを保つのか

肌のうるおいは、皮脂や汗などが混じりあってできる皮脂膜で保たれています。
皮脂膜は紫外線などの外部刺激から肌を守り、うるおいが逃げないように保つバリア機能を果たしているとされます。

本来人間の皮膚には、うるおいを保つバリア機能が備わっていると考えられます。
しかし生活習慣の乱れや加齢など、何らかの要因で機能が正常に働かなくなる可能性があります。

この肌のうるおいを保つ仕組みが崩れることが、肌荒れや乾燥をひきおこす原因とされています。

肌荒れが乾燥によって起こる理由

乾燥肌は肌のバリア機能が低下している可能性があります。
バリア機能の具体的な機能に以下があげられます。

  • 肌の水分量を一定に保つ
  • 外部から肌の内部への異物混入を防ぐ
  • 外部の刺激から肌を守る

バリア機能が正常な場合は肌の水分が保たれ、外部刺激などから肌は守られるとされています。
バリア機能が低下すると、肌は乾燥し刺激を受けやすくなり、さらに乾燥が進むことで赤みやかゆみ・湿疹などの肌荒れにつながる可能性があります。

乾燥による肌荒れを防ぐには

乾燥による肌荒れを防ぐ方法として以下があげられます。

  • 洗顔
  • スキンケア
  • お風呂の温度の調整
  • 紫外線対策
  • 水分補給

それぞれ詳しく解説していきます。

洗顔

汚れを落としきろうと摩擦をかけて洗顔することは、肌に負担をかけ乾燥肌につながる可能性があります。
肌に負担をかけないように洗顔するには、次の内容を実践することが大切です。

  • 洗顔の回数は基本、朝晩の2回
  • 洗顔料は、手を逆さまにしても落ちない程度まで泡立て、肌にのせる
  • 泡で転がすように「泡で泡を洗う」くらいのイメージで洗う
  • 泡が肌に長い時間のっていると肌の負担になるので、丁寧に洗い流す
  • 熱いお湯は肌への刺激になるので、ぬるま湯で念入りに洗い流す
  • 決して擦らず、肌をタオルで軽くおさえるように「水分を吸い取る」

出典: https://www.kose.co.jp/kose/skin_care/skincare12.html

スキンケア

スキンケアで肌内部の油と水分とのバランスを整えることが、バリア機能の低下を防ぎ肌をすこやかに保つのに大切です。
洗顔後や入浴後は肌が乾燥しやすくなるので、できるだけ早い保湿ケアがおすすめです。

柔らかいタオルで軽く水分を拭き取ったあと、水分が残っているうちに保湿することで、より高い保湿効果が期待できます。
保湿の際は化粧水だけでは不十分です。
乳液やクリームなど、適度に油分が配合されたアイテムで化粧水の蒸発を防ぎ、しっかり蓋をしてあげることが大切とされます。

お風呂の温度に気をつける

入浴・シャワー時の皮膚と温度の関係は以下の通りです。

42℃以上 かゆみが引き起こされる可能性がある
36~40℃ 皮膚バリア機能回復の至適温度

出典:「乾燥肌の入浴と石けん 医療法人さくら皮フ科」

以上のことから、38℃から40℃が乾燥肌による肌荒れを防ぐのに適したお風呂の温度と考えられます。

紫外線対策をする

皮膚の表面にある角質の層は、皮膚膜に覆われています。
皮膚膜は、刺激物の侵入を防いだり水分を保つバリア機能を担ったりすると考えられています。

紫外線は皮脂を酸化させ、バリア機能の低下につながる可能性があります。
バリア機能の低下によりターンオーバーは乱れ、乾燥肌になるとされます。

また、バリア機能が低下した皮膚の内部は、水分が逃げるので乾燥が進む可能性があります。
紫外線対策の効果に期待される行動例として以下が挙げられます。

  • 肌の露出をできるだけ控える
  • 正しく選んだ日焼け止めを使用する
  • 日焼け止めは正しいタイミングで塗る

出典:紫外線の種類によって肌への影響は異なる!違いを知って正しい紫外線対策 KOSE

こまめに水分を補給する

水分不足は肌の乾燥につながる可能性があります。
スキンケアなど外側からのケアのほか、水分補給など内側からのアプローチも大切です。
肌をすこやかに保つのに効果的とされる水分摂取の方法として、以下があげられます。

  • 純粋な水で水分補給
  • ホットまたは常温で飲む
  • 一気に飲むのではなくこまめな水分補給を心がける
  • 就寝前・運動後・暑い日は積極的に摂取する

水分補給時の飲み物で気をつけたいのがカフェインです。
日常的な飲み物であるお茶やコーヒーには、カフェインが入っています。
カフェインには利尿作用があるとされ、かえって体内の水分排出を引き起こす可能性があります。

肌荒れや乾燥を防ぐためには、お茶やコーヒーは嗜好品と考え、水分補給としては水を飲む習慣をつけることがおすすめです。

肌の乾燥を防ぐ食事

肌の乾燥を防ぐサポートをしてくれる食べ物として以下があげられます。

  • たんぱく質が豊富な食べ物
  • ビタミンCが多い食べ物
  • セラミドを多く含む食べ物

それぞれについてご紹介します。

出典:「肌の乾燥対策!保湿効果のある食材 札幌シーズクリニック」

たんぱく質が豊富な食べ物

たんぱく質はアミノ酸に分解され、健康な肌を作る材料となる栄養素です。
たんぱく質は約20種類のアミノ酸が結合してできており、肌のターンオーバーを促す効果が期待できる栄養素です。

たんぱく質が豊富な食べ物の例として以下の食材があげられます。

  • たまご
  • 納豆
  • 豆乳などの大豆製品
  • 牛乳やヨーグルトなどの乳製品など

最近は、たんぱく質を多めかつ気軽に摂取できる商品も市販されているので、積極的な摂取がおすすめです。

ビタミンCの多い食べ物

ビタミンCは、肌の酸化抑制やコラーゲン生成の効果が期待できる栄養素です。
体内で作られないため、食事から摂取することが大切です。

ビタミンCは水溶性で、加熱したり水にさらしたりすると栄養が減少する可能性があるので、できる限り生で摂取するのがおすすめです。

ビタミンCの多い食べ物の例として以下の食材があげられます。

  • レモンなどの柑橘類
  • いちご
  • アセロラ
  • キウイ
  • ブロッコリー
  • 小松菜
  • 赤ピーマンなど

フルーツと小松菜でスムージーを作るなど、手軽で効率的な摂取がおすすめです。

セラミドを多く含む食べ物

セラミドはバリア機能の正常な働きをサポートし、外部刺激から肌を守る効果が期待できる栄養素です。
化粧品などでセラミドという言葉を見かけますが、食べ物からのセラミド摂取も肌荒れや肌乾燥の予防・改善には大切です。

セラミドを多く含む食べ物の例として以下の食材があげられます。

  • 米(米ぬか)
  • こんにゃく芋
  • 味噌
  • 糀甘酒
  • 大豆
  • 黒豆
  • ひじき
  • わかめ
  • 牛乳など

セラミドは脂溶性のため、脂と組みあわせることで吸収率がアップする可能性があります。

乾燥肌対策のときの食事の取り方のポイント

毎日の食事は、内側からの肌荒れや肌の乾燥ケアにつながります。
1日3回の食事からさまざまな栄養を適量摂取することで、肌荒れや肌乾燥の予防や改善に期待できます。

糖分や脂質を控え、肌の材料となるタンパク質や、便秘解消効果が見込める食物繊維を積極的に摂取することが大切です。

さらに、美肌効果が期待できるビタミン類の摂取も、肌荒れや肌の乾燥予防や改善につながります。

症状別の乾燥による肌荒れの対処法

乾燥による肌荒れが起きた時の対処法は、症状により異なります。
それぞれの症状別に、ケア方法をご説明します。

かゆみがある場合

肌の内部は大きく分けると、奥から「真皮」「表皮」、1番外側に「角質」があります。
通常、かゆみを感じる神経は真皮と表皮の間にあるとされています。

しかし乾燥することにより、かゆみを感じる神経が肌表面の角質付近まで伸びると考えられています。
それにより、わずかな刺激でもかゆみを感じる「かゆみ過敏」の状態になるとされています。

肌のかゆみ対策として以下の方法があげられます。

  • クリームや塗り薬の使用
  • 患部の冷却
  • 食べ物やストレスへの意識

かゆいからとダメージを与えてしまうと、さらに刺激になりかゆみを広げる可能性があるので、かいたり叩いたりしないことが大切です。

出典:「一般皮膚科について わかたび皮ふ科」

湿疹など皮膚炎を起こしている場合

湿疹などの皮膚炎が軽症であれば、専用の市販薬で症状の緩和が見込めます。
しかし、湿疹の原因や症状はさまざまです。

まず自分の症状が市販薬で対処できるものなのか、きちんと見極めることが大切です。
市販薬でセルフケアが可能な症状例は以下の通りです。

  • 明らかな原因がある接触皮膚炎
  • 肌にふれた化粧品や金属などの刺激によるもの
  • 虫さされ
  • あせも
  • 乾燥による軽度のかき壊し
  • 日焼けなどによる炎症など

広い範囲に症状がある場合や体調も変化している場合、また急速に腫れやかゆみが広がる場合は、医療機関での治療が必要です。
市販薬には、過剰な免疫反応をおさえる効果が見込めるものや、乾燥を防ぐ保湿成分が配合されているものなどがあります。
購入時に、薬局に常駐している薬剤師に確認し、決められた量をしっかり塗ることで緩和効果が期待できます。

ニキビや吹き出物ができている場合

ニキビや吹き出物の原因は以下の通りです。

  • 皮脂の過剰分泌
  • 毛穴詰まり
  • アクネ菌の増加

炎症を起こしていない初期段階のニキビや吹き出物は、正しい洗顔と十分な保湿により、ターンオーバーを整えることで改善が見込めます。
肌を清潔に保ち、患部を触らないことが大切です。
炎症を起こした重度の段階まで進行してしまうと、必要以上に刺激を与えないよう注意が必要になります。
炎症が自然と落ち着くには時間を要し、炎症が落ち着いたとしても跡が残ってしまうなどのトラブルの可能性があります。

グリチルリチン酸・サリチル酸などが配合された市販薬も、炎症をおさえる効果が見込めます。
市販薬を2週間以上使用しても改善されない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。

出典:ニキビの種類 池袋フェミークリニック美容皮膚科
出典:市販薬と皮膚科のニキビ治療何が違うの? はつ花皮膚フ科クリニック

肌荒れと乾燥まとめ

ここまで肌荒れと乾燥についてお伝えしてきました。
肌荒れと乾燥についてまとめると以下の通りです。

  • 肌荒れや乾燥の原因は、乾燥した空気・間違ったスキンケアなどによるターンオーバーサイクルの乱れ
  • ターンオーバーサイクルの乱れにより、バリア機能が低下し乾燥につながる
  • 肌荒れを防ぐ方法は、洗顔・スキンケア・お風呂の温度調整・紫外線対策・水分補給
  • たんぱく質・ビタミンC・セラミドを意識した食事が大切
  • 乾燥による肌荒れは症状にあった対処をし、場合によっては医療機関の受診が大切

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。