肌の赤い斑点について
ふと気がついたときに、肌に赤い斑点ができていて原因が気になっている方もいるのではないでしょうか?
肌に赤い斑点ができる原因としては、何らかの疾患やアレルギー、ダニや薬が関係していると考えられています。
今回は、肌の赤い斑点について、
- 赤い斑点の原因とは?
- 肌に赤い斑点ができたときの治療法は?
- 肌に赤い斑点ができたときはどうすればいいのか?
以上のポイントを中心に詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
肌に赤い斑点ができる原因と対処法は?
はじめに、肌に赤い斑点ができる原因と対処法について解説していきます。
それぞれの症状の特徴や治療法について触れていますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
老人性血管腫
老人血管腫とは、毛細血管の異常によって引き起こされる赤い点状の血管腫です。
良性の腫瘍で、主に体の上半身に多く現れやすいとされています。
発症する原因について詳しくは分かっていませんが、老化や紫外線、体質や遺伝による影響が考えられています。
老人性となっていますが、早いと20代頃から発症する可能性もあります。
老人性血管腫は、1~4mmの大きさで平らな状態かやや隆起した形が多いとされています。
老人性血管腫の治療法は、メスを使用した切除術やレーザーでの切除、液体窒素を使用した凍結療法などがあります。
メスを使用した切除術での治療は、保険が適用できる場合があります。
レーザーや液体窒素を使用した治療は、保険適用外になる場合があるため、治療方法を選ぶときは保険適用できるか確認しておくことが重要です。
出典:老人性血管腫|山手皮フ科クリニック
老人性血管腫(赤くブクッっともりあがったもの)|神尾記念病院
【質問】ほおに赤いできものが|徳島県医師会
毛細血管拡張症
毛細血管拡張症とは、毛細血管が拡張し、その状態が肉眼で見える疾患を指します。
毛細血管拡張症が起こる原因としては、皮膚や肝機能の疾患、ホルモンの影響、妊娠、加齢などが挙げられます。
毛細血管拡張症は、血管の状態に基づいて4つに分類されます。
1つ目は、血管の太さや長さが異なってはいるが、枝分かれのない血管の拡張が見られる単純型です。
主に鼻先や頬などに多く見られる症状になります。
2つ目は、単純型と同様に血管の太さや長さが異なり、枝分かれが見られる樹枝状型です。
体のどこにでも発症する可能性があります。
3つ目は、くも状型と呼ばれ、中心の斑点から蜘蛛の巣状に血管が広がった状態です。
妊娠や肝機能の疾患に伴う皮膚の症状として発症する可能性があり、皮膚が薄くなった部位に現れやすいといわれています。
4つ目は、丘疹型と呼ばれ、隆起した赤い斑点を中心に囲むように血管が拡張した状態です。
老人性血管腫と類似しており、判別方法はダーモスコピーと呼ばれる検査によるものが多いとされています。
毛細血管拡張症の治療法は、主に硬化療法や色素レーザー治療が挙げられます。
硬化療法とは、静脈瘤に対して使用される治療方法で、溶液を拡張した血管に注入し、血管を閉塞することで血管の拡張を抑制する方法です。
症状が広範囲にわたる場合、複数回治療を受ける必要があります。
治療時に皮膚が変色する可能性がありますが、時間とともに自然消失する場合が多いです。
色素レーザー治療は、ヘモグロビンの色素に反応するレーザーを使用して血管を熱することで、毛細血管にダメージを与えることで拡張を抑制する方法です。
血管の太さや流れる血流の速度によって現れる効果が異なるため、患者の血管の状態に合わせて適切に照射の程度を調整する必要があります。
出典:毛細血管拡張症|四谷見附クリニック
毛細血管拡張症|MSDマニュアル家庭版
毛細血管拡張症|医療法人紗光会よしクリニック
毛細血管拡張症|山手皮フ科クリニック
ストレス性湿疹
ストレス性湿疹とは、肌のバリア機能がストレスや疲労などによって崩れることで、湿疹や赤みなどの症状が出ている状態です。
場合によっては、アトピー性皮膚炎が悪化した状態を指す「ストレス性皮膚炎」の場合もあります。
湿疹が出る原因として、ストレスや疲労などの体の不調が挙げられる場合と、過去にアトピー性皮膚炎を発症した方が再発や悪化している場合が挙げられます。
ストレスや疲労が原因の場合は、ストレスの原因になっている事項を解決したり休養を取ったりすることで改善が期待できる場合もあります。
アトピー性皮膚炎が再発または悪化した場合は、病院での診察と治療が必要です。
どちらも症状が現れた場合、塗り薬での治療が多いです。
塗り薬での治療は、ステロイド系の塗り薬が処方され、症状の程度によっては、内服薬や保湿剤も併用する場合があります。
市販薬による治療方法もありますが、自己判断での使用は原因によって悪化することもあるため、注意が必要です。
出典:大人も悩むストレス性皮膚炎。原因と対処法|健達ねっと
手湿疹が治らないのはストレスのせい?手湿疹の原因、治し方とは|池袋駅前のだ皮膚科
ニキビ
ニキビにはさまざまな種類があり、白ニキビや黒ニキビと呼ばれるニキビは、毛穴に角質や皮脂がたまってふくれた状態を指します。
白ニキビはふくれた状態で毛穴が閉まっている状態を指し、ふくれた状態で毛穴が開き、皮脂が酸化し黒くなった状態を黒ニキビと言います。
この白ニキビや黒ニキビに炎症が起き、赤く腫れている状態が「赤ニキビ」と呼ばれます。
赤ニキビは、毛穴内に詰まった角栓や角質によってアクネ菌が増殖し、アクネ菌を白血球が攻撃することで炎症を起こした状態です。
このまま放置してしまうと、ニキビ跡の原因や膿を持つ原因になることがあり、迅速に炎症を鎮めることが重要です。
赤ニキビの治療方法としては、塗り薬や飲み薬での治療や光線療法が挙げられます。
塗り薬による治療は、アクネ菌の繁殖を抑制したり、毛穴のつまりを改善する効果が期待できる薬が処方されます。
飲み薬は、主に抗生物質が処方される場合が多く、症状の程度によって塗り薬と併用するために処方することもあります。
光線療法とは、発光ダイオードの光で炎症性の疾患を改善させる効果が期待できる治療です。
塗り薬や飲み薬との併用治療が重要となる治療になっており、週1~2回の照射を一定期間継続することで効果を実感しやすくなります。
ニキビは症状が軽めの場合、市販薬での治療も可能です。
しかし、症状が重めの場合や市販薬を使用して悪化した場合は、病院での診察と治療を受けることをおすすめします。
出典:しつこい大人のニキビの特徴は?思春期との違いとケアのポイント|イハダ公式サイト
専門医が教える「赤みを伴うニキビ」の医学的な原因と、早く治すために必要な治療法|TMクリニック西新宿皮フ科・内科
ダニ刺され
ダニに刺されることで肌に赤い斑点ができる可能性もあります。
人を刺す可能性があるダニは、主にツメダニ・イエダニ・マダニの3種類が挙げられます。
ツメダニとイエダニは家の中で発生することが多く、マダニは野外で発生することが多いです。
症状としては、患部のかゆみや赤い腫れ、灼熱感、痛みなどを感じることが多いといわれています。
また、吸血時に感染症を媒介し、日本紅斑熱やライム病、ダニ媒介性脳炎などを発症する可能性があります。
ダニ刺されの治療法としては、塗り薬や飲み薬での治療が挙げられます。
炎症を抑えるステロイド軟膏の処方や、かゆみを抑える効果が期待できる飲み薬の処方が多いです。
患部をかきむしってしまって化膿している場合はステロイド軟膏を使用せず、抗生物質が入った軟膏を使用することもあります。
また、マダニに刺された場合は、抗生剤や駆虫薬などの通常と異なる薬剤を使用した治療を受ける場合もあるため、医師の判断に従いましょう。
ダニ刺されと他の疾患を見極めることは非常に難しく、症状が重めの場合や気になる症状がある場合は、早めに病院での診察を受けるのがおすすめです。
特に、マダニが吸血しているのを発見した場合は、触ったり潰したりせず、速やかに病院での診察を受けましょう。
マダニの頭部や器官が皮膚に残ってしまうことで、ウイルスへの感染リスクが高まる可能性があるためです。
また、かゆいと感じたときに放置したり、反対にかきむしったりしてしまうことで、症状の悪化や細菌感染のリスクが高まります。
安易に自己判断せず、病院を受診した上で医師の判断を仰ぎ、適切な治療を受けましょう。
出典:【虫刺され】『ダニ』に刺されたらどうすれば?症状、対策、予防法を解説|田辺三菱製薬ヒフノコトサイト
ダニ刺されに悩んでいる方は必見!刺されたときの具体的な対処法や予防法など解説|スギ薬局
ダニ刺されの特徴について解説【症状・薬・治らない時やダニ対策】|ひまわり医院(内科・皮膚科)
肝臓の病気
肝臓の異常によって、肌に赤い斑点が現れている場合もあります。
肝臓の異常で起こる赤い斑点は、クモ状血管腫や手掌紅斑(しゅしょうこうはん)の2種類が挙げられます。
クモ状血管腫は、赤い斑点を中心として蜘蛛の巣状に血管が伸びて皮膚の表面に現れ、それが肉眼で確認できる状態を指します。
主に首や肩、胸などの上半身に現れやすく、痛みやかゆみなどの他の症状を伴わない場合が多いです。
手掌紅斑とは、手の親指や小指の下の部分が赤くなり、熱感を感じる症状です。
手のひらの中心部分は白く、かゆみなどの症状は伴わない場合が多いです。
肝硬変など肝臓の疾患の場合、この他にもさまざまな症状を発症している場合があります。
- 全身にかゆみがあり、かゆみが強く出ている
- 白目が黄色くなる黄疸を発症している
- 全身の倦怠感
- 上腹部の痛みや硬くなっているのを感じる
- 濃い茶色の尿が出る
- 下腹部が膨満する(腹水)
- 鳥が羽ばたくような手の震え方がある(羽ばたき振戦)
以上の症状に心当たりがある方は、肝臓に何らかの疾患を発症している場合があるため、早急に病院を受診することをおすすめします。
出典:肝臓病の症状|やまうち内科クリニック
肝臓の手(手掌紅斑)|日本医事新報社
肝硬変|肝炎情報センター
薬疹
薬疹とは、薬の使用中や使用後に現れる発疹のことを指します。
薬の使用開始から発疹が出現するまでには、およそ1~2ヶ月以内が多いといわれています。
一部、数ヶ月~数年かかる場合もあります。
発疹の症状のほかに、発熱や水ぶくれなどが起こっている場合は、症状が重くなっている可能性があるため、早急に医師の診察が必要です。
抗菌薬や解熱鎮痛剤、ビタミン剤、漢方薬など、どんな薬剤であっても薬疹が起きる可能性があります。
薬疹が起こる原因の多くは、アレルギーによるものといわれています。
一部、アレルギーによらない原因で薬疹を発症する場合があるといわれています。
この場合、アレルギー反応が発症に関与しておらず、薬剤によって直接発疹が生じることがあります。
薬疹の対処法としては、どの薬剤で発症しているかを確認するために、使用中の薬剤を1種類ずつ中止して特定することが必要になります。
ほとんどの場合、原因の薬剤を中止することで自然消失していくとされています。
症状が軽めの場合は発疹などの症状を抑える塗り薬による治療を受けます。
症状が重めの場合は、合併症予防のためのアドレナリン注射やアレルギー反応を抑制する効果が期待できるジフェンヒドラミンなどが使用されることもあります。
また、炎症を軽減する効果が期待できるコルチステロイドでの治療が必要になる場合もあります。
薬疹の可能性が考えられる場合は、速やかに医師の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
肌に赤い斑点が出たらまずは病院を受診する
肌に赤い発疹ができたときは、まず病院を受診するようにしましょう。
症状が軽めの場合は市販薬での治療でよい場合もありますが、安易な自己判断は症状の悪化や予期しない肌トラブルになる可能性もあります。
そのため、いきなり発疹が出たり、なかなか症状が改善しなかったりした場合は、病院での診察と適切な治療を受けることをおすすめします。
また、発疹とともに発熱やかゆみ、その他体の不調を感じる場合は速やかに病院へ行くようにしましょう。
何らかの病気が原因の可能性もあるため、医師の判断と指示を仰ぐようにしてください。
発疹は、時間経過とともに症状の程度などが変わりやすい場合があります。
口頭で説明しづらい場合もあるため、症状が出ている間に写真や動画に収めておくと説明しやすくなります。
同時に他の症状が現れているかどうかや、原因に心当たりがあるかどうかも説明できるようにしておくことをおすすめします。
肌の赤い斑点に外用薬を塗るときは順番に注意
患部に複数の外用薬を塗る場合は、塗る順番や注意点を正しく理解しておくことが重要です。
軟膏やクリームなどの薬剤が複数処方されている場合は、医師からの指示に従ってください。
医師から説明がなかった場合は、塗る範囲が広いクリームや軟膏から順に塗っていきましょう。
また、保湿剤などを併用する場合は、保湿剤を塗ってから外用薬を患部に塗るようにしてください。
外用薬を塗った後に保湿剤を塗ることで、患部以外の部分に成分が広がり、思わぬ副作用が起こる可能性もあります。
軟膏やクリームは塗り方で効果に差が出てしまう場合があるため、注意が必要です。
ステロイド外用薬や消炎鎮痛剤などは、皮膚に擦り込むことで吸収されやすくなるといわれています。
反対に、保湿剤や多くのクリームや軟膏は優しく伸ばして塗ることで、皮膚にダメージを与えずに塗布できます。
薬剤の効果的な塗り方については、薬剤によって異なるため、医師からの指示に従って塗るようにしましょう。
出典:軟膏やクリームが複数処方されている場合の塗る順番は?|皮膚Q&A|日本皮膚科学会
軟膏やクリームはどのように塗ればいいの?|皮膚Q&A|日本皮膚科学会
肌の赤い斑点に関するよくある質問
最後に、肌の赤い斑点に関するよくある質問について、解説していきます。
病院を受診するときの注意点や薬剤の使用期限などについて触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
病院を受診するときは、何科に行けばいいですか?
肌に赤い発疹が出た場合、まずは皮膚科に行くことをおすすめします。
皮膚科は皮膚の疾患や気になる症状について扱う専門の病院です。
そのため、発疹以外で肌に気になる症状が現れた場合も、はじめに皮膚科を受診するようにしましょう。
老人性血管腫は何回で治療が終わりますか?
老人性血管腫をメスによる切除やレーザーで治療する場合、血管腫の大きさにもよりますが、平均1~3回の治療が必要といわれています。
治療後は、1~2週間で傷が塞がっていくとされています。
また、ダウンタイムとして赤みが数週間~数ヶ月続く場合があります。
紫外線を受けた影響で色素沈着が起こる場合があるため、施術後は患部に紫外線を当てないようにしたり、日焼け止めなどを塗ったりして対策しましょう。
また、患者の体質によっては、ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)になる可能性もあります。
思い当たる体質の方は、治療前に医師に確認しておくことをおすすめします。
出典:赤ほくろ(チェリースポット・老人性血管腫)|九段下さくら形成外科・皮膚科
老人性血管腫|医療法人あきおか形成外科
老人性血管腫|山手皮フ科クリニック
老人性血管腫は自然に治りますか?
老人性血管腫は通常、自然治癒しにくい疾患です。
しかし、老人性血管腫は良性腫瘍のため、気にならない場合は治療する必要はないといわれています。
見た目が気になる場合は、レーザー治療やメスでの切除、液体窒素を使った凍結治療によって切除が可能です。
老人性血管腫を取りたいと考えている方は、皮膚科の医師に相談することをおすすめします。
出典:老人性血管腫について|大西皮フ科形成外科医院
Q.シミとは別に体に赤いホクロのようなものが……|今井院長のお肌相談室|今井皮フ形成外科クリニック
老人性血管腫(赤ほくろ)|池袋駅前のだ皮膚科
ステロイド剤はどのくらいの期間使用していいですか?
ステロイド剤は、患部の炎症を抑える作用が期待できる薬剤で、湿疹や皮膚炎などの皮膚症状の治療に幅広く使われています。
ステロイド剤は、数日から1週間程度で効果を発揮することが多い薬剤とされています。
そのため、1週間以上塗っても症状が改善されない場合は、使用を中止し医師に相談しましょう。
また、ステロイド剤を使用して症状が悪化した場合は、使用をすぐに中止し、同様に医師に相談することをおすすめします。
出典:ステロイド外用剤(塗り薬)を毎日塗り続けても大丈夫?|ヒフシルワカル|シオノギヘルスケア
Q.皮膚用薬によく配合されている「ステロイド」ってどんな薬?|ひふ研|第一三共ヘルスケア
肌の赤い斑点まとめ
ここまで肌の赤い斑点についてお伝えしてきました。
肌の赤い斑点の要点をまとめると以下の通りです。
- 肌の赤い斑点は、皮膚や内臓の疾患が原因の可能性がある
- 肌に赤い斑点ができたときは、主に塗り薬や飲み薬での治療が多い
- 原因によっては、メスやレーザーを使用した切除手術を受けることもある
- 肌に赤い斑点ができたときは、早めに皮膚科を受診することが重要である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。