ニキビは一度できると治りにくいのが特徴です。
ニキビは皮脂が多いとできるイメージですが、他にも原因があります。
本記事では、ニキビが治らない原因について以下の点を中心に紹介します。
- ニキビになりやすい肌とは
- ニキビが治らない生活習慣とは
- ニキビに合ったスキンケアとは
- ニキビが治らないときは
ニキビについて理解するためにも参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
ニキビとは?
ニキビは、「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気です。
ニキビは、額や鼻などの皮脂腺が活発な部分にできることが多いです。
皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まり、出口がふさがれると毛穴の中に皮脂が溜まります。
毛穴の中では皮脂をエサにするアクネ菌が増加します。
増えすぎたアクネ菌に白血球が抵抗して炎症が起こり、ニキビができます。
ニキビが治らない毛穴の状態
ニキビには大きく分けて4つの段階があります。
進行すると治りにくく、痕が残ってしまう場合もありますので、早めに対処しましょう。
それぞれの特徴について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
白いニキビ
白いニキビは最初の段階です。
本来、毛穴には出口があり、そこから皮脂が放出されています。
しかし、皮脂の分泌が活発になると溜まった皮脂が出口をふさぎ、毛穴を詰まらせます。
毛穴に詰まった皮脂は小さな白い発疹となり、この状態は白ニキビとも呼ばれます。
痛みや炎症はなく、適切なケアを行えば比較的すぐに治ることが期待できます。
黒いニキビ
毛穴に詰まった皮脂はゆっくりと肌表面に押し上げられます。
皮脂は空気に触れると酸化し、黒くなります。黒いニキビは、酸化した皮脂が黒い点に見えるためです。
黒いニキビにもまだ炎症は起こっていないので、悪化させないよう慎重にケアすることが大切です。
赤いニキビ
赤いニキビは、毛穴の中でアクネ菌や細菌が増え、炎症を起こしている状態です。
赤みや痛み、腫れを伴います。
この炎症は、白血球がアクネ菌と対抗している反応です。
かなり進行しているニキビのため、痕が残る可能性があります。
早めに炎症を抑えるために、医療機関の受診をおすすめします。
黄色いニキビ
黄色いニキビは、赤いニキビが化膿して膿をもった状態です。
膿疱とも言われ、ニキビの最終段階です。
周辺の皮膚にも炎症が広がっているため、クレーター状に陥没して痕が残ることがあります。
無理にニキビを潰して膿を出すと、さらに悪化する恐れがあります。
化膿を止める必要があるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
ニキビが治らないさまざまな原因
ニキビが治らない原因は、主に皮脂の分泌とターンオーバーの乱れです。
この主な原因を引き起こす肌の環境について解説します。
ぜひご自身の肌に当てはまるところがないか、チェックしてみてください。
肌の乾燥
ニキビができやすい肌質はオイリー肌だけではありません。
思春期のニキビと違って、20代以降のニキビには肌の乾燥が大きな要因となっています。肌は乾燥状態になると危機感をもち、自ら皮脂をたくさん出します。
過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせ、さらにニキビができやすい環境になります。
自分ではオイリー肌だと思っていても、実は乾燥肌だったということもよくあります。
大人ニキビには十分な保湿ケアが大切です。
症状に合っていないスキンケア
ニキビが治らない要因のひとつに、症状に合っていないスキンケアがあります。
ニキビを治そうと洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使う方がいますが、肌によっては逆効果です。
肌に必要なうるおいまで根こそぎ落としてしまい、皮脂の分泌が活発になります。
またニキビの部分をゴシゴシ洗いすぎると、角層が厚くなりさらに毛穴が詰まってしまいます。
まずはご自身の肌質を理解し、症状に合ったスキンケアを行いましょう。
ホルモンバランスの乱れ
思春期ニキビと大人ニキビ、どちらもホルモンバランスが大きく影響しています。
女性は生理前に、皮脂の分泌を促す働きのある黄体ホルモンが活発になります。
また美肌を保つエストロゲンの働きが減少し、ホルモンのバランスが崩れてニキビができやすくなります。
思春期ニキビの場合も成長期のホルモンバランスは安定しておらず、ニキビができやすい状態です。
日頃からホルモンバランスを意識して生活リズムを整えることがおすすめです。
不規則な生活習慣
睡眠時間が短い、眠りが浅いなど不規則な生活習慣はニキビのリスクが高まります。
肌の細胞は眠っている間に活性化し、ターンオーバーを整えます。しかし、睡眠の質が悪いと古い角質が代謝されず、毛穴が詰まり、ニキビを発症します。
また睡眠不足は免疫力が低下し、ニキビができやすい肌環境を作ります。
健やかな肌にとって、質の良い睡眠は欠かせません。
できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
栄養バランスの偏り
ファーストフードや甘いお菓子の食べ過ぎは、ニキビの悪化に繋がります。
油や糖質が多い食事は皮脂の分泌を促進するため、できるだけ控えましょう。
ニキビが治りにくい方には、脂質の代謝を促すビタミンB群を積極的に摂取することをおすすめします。
また、ビタミンAを含む食事はニキビの炎症を抑える効果も期待できます。
栄養バランスを考え、体の中からニキビができにくい環境に整えることが大切です。
外的要因による刺激
あまり知られていないかもしれませんが、ニキビの要因として外的刺激が挙げられます。
特に枕やシーツなどの寝具類には、汗や皮脂をエサにする雑菌がたくさん付着しています。
眠っている間に雑菌が肌に触れ、ニキビができるきっかけを作ります。
また、ニキビには紫外線も大敵です。
皮脂は紫外線を浴びると酸化し、ニキビができやすい環境が生まれます。
さらに、紫外線はニキビの炎症を悪化させ、跡が残りやすくなります。
ニキビを改善するにあたり、紫外線対策は必須です。
ストレスの蓄積
日常生活で感じるストレスは、自律神経やホルモンバランスに深く関わります。
ストレスが蓄積すると、免疫力の低下などが起こり、ニキビに悪い影響を与えます。
また、ニキビは一度できると治りにくく、ケアを始めてもすぐに効果が出ないことが多いです。
そのため、途中で諦めてしまったり、効果が出るまでの期間をストレスに感じる場合があります。
ニキビのケアは焦らず、長期的に継続することが大切です。
ニキビ跡の種類
残念ながら、ニキビは改善しても跡が残ることがあります。
ニキビ跡の種類は、ニキビの状態により異なります。
どのような種類があるのか、ニキビ跡を残さないためにもぜひ参考にしてください。
クレータータイプ
クレータータイプは肌が陥没し、表面がボコボコしている状態を指します。
ニキビを放置して悪化したり、膿を潰したりすることでできます。
炎症が真皮層まで進行し、損傷が毛穴の壁まで広がっています。
真皮層まで到達する深い傷は化粧品では限界がありますので、医療機関での治療が必要です。
赤みタイプ
ニキビの炎症が続くとその部分の毛細血管に血液が集中し、肌表面が赤く見えることがあります。
赤みタイプはニキビが改善したあとも、赤みが長引いてしまう状態のことを指します。
ほとんどの赤みは、2ヶ月程でゆっくり改善していきます。
赤みが気になって、余計な刺激を与えてしまうと肌内部の炎症に繋がり逆効果です。
赤みが引くまで気長に待ちましょう。
色素沈着タイプ
色素沈着には2つのタイプがあります。
ひとつは、紫がかった色素沈着です。
激しく炎症したニキビは毛細血管を破壊し、肌表面で血液が酸化します。
酸化した箇所は紫色になって、色素沈着として肌に残るのです。
もうひとつは、茶色に見える色素沈着です。
ニキビの炎症が起こると、肌細胞を守るためにメラニンが大量に作られます。
炎症が長引くとメラニンが肌内部に残り、シミのように見えてしまいます。
しこりタイプ
ニキビの炎症が真皮層まで深く進行すると、肌は修復しよう細胞を生成します。
この時、細胞が過剰に作られると、表面が盛り上がったしこり状になることがあります。
しこりに触ると違和感や痛みがある場合もあります。
ケロイドタイプ
ニキビで受けた肌のダメージを修復する際、細胞が過剰反応を起こし、ミミズ腫れのような赤く盛り上がったケロイドになることがあります。
ニキビでケロイドが残ってしまうのは、もともとケロイドになりやすい体質の方が多いです。
ケロイド状のニキビ跡は自然回復は難しいので、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
ニキビが治らないときの対処法
ニキビが治らないときに、まず意識してほしいことが4点あります。
下記にそれぞれ対処法をまとめました。
日常の習慣を見直し、ニキビの改善に繋がれば幸いです。
日々のスキンケアを丁寧に行う
ニキビには洗顔が基本です。
洗いすぎは禁物なので、摩擦や刺激を避け、やさしく洗顔を行います。
洗顔後の肌は急速に乾燥するため、すぐにたっぷりとうるおいを与えます。
ニキビが気になるときには、油分の少ない化粧品での保湿がおすすめです。
また、肌に触れる寝具を清潔に保ったり、髪の毛が顔に触れないように気を付けることも効果的でしょう。
生活習慣を規則正しくする
健やかな肌のために、なるべく決まった時間に就寝しましょう。
睡眠時間は6時間以上が望ましいです。食事時間を意識すると、質の良い睡眠が確保できるのでおすすめです。
また、ウォーキングなどの適度な運動は体のめぐりを良くし、ストレス解消にもなります。
心身ともに健康的な生活を心がけることは、ニキビの改善にとても効果的です。
バランスの良い食事を心がける
ニキビを悪化させないためには食生活を見直し、体の内側からケアすることが大切です。
脂質や糖質の高い食事を控え、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
特にビタミンB群を豊富に含む、にんじん、ほうれん草、レバーなどは積極的に取り入れるのがおすすめです。
忙しく、なかなか料理ができない場合はサプリを利用する手もあります。
悩み過ぎずに皮膚科を受診する
ニキビができることは日常的に珍しくありません。
そのため、受診を迷う方もいますがニキビは尋常性ざ瘡という皮膚の病気です。
少しでも気になることがあれば、迷わず受診して問題ありません。
ニキビ治療を行う際には、まず効果や安全性が担保された保険適用内の治療をおすすめします。
ケミカルピーリングは皮膚に薬剤を塗り、古い角質を取り除く保険適用内の治療法です。
治療については医師とよく相談し、十分に理解した上で行っていくことが大切です。
ニキビが治らない原因に関するよくある質問
ここではニキビが治らない原因に関するよくある質問をまとめました。
解決のヒントになれば幸いです。
ぜひご活用ください。
ケアしても治らない場合は放っておいてもいいですか?
ニキビが治らないからといって放置してはいけません。
放っておくとアクネ菌が増殖し、ニキビが増えたり悪化してしまうことがあります。
ニキビの跡を残さないためにも、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
思春期を過ぎてもニキビが治らないのはなぜですか?
ニキビには大きく分けて「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」があります。
皮脂量が多い10代の思春期ニキビは、油分の多いTゾーンなどを中心にできます。
それに対して、20代以降の大人ニキビは頬やフェイスラインを中心とし、乾燥肌にできることも多いです。
年齢に合わせたニキビケアをすることが大切です。
皮膚科の薬でもニキビは治らないのですか?
ニキビの治療で処方される薬は、抗生物質が一般的です。
炎症や膿をもったニキビに使われますが、あくまでも対処療法で根本的な治療にはなりません。
また抗生物質は長期間の使用で耐性菌ができるなど副作用も懸念されています。
薬での治療と同時に、生活習慣の改善がニキビの根本的な治療に繋がります。
治らないニキビは食物アレルギーの可能性もありますか?
治らないニキビは、「遅発型食物アレルギー」が原因かもしれません。
通常、食物アレルギーは原因となる物質を摂取後、すぐに蕁麻疹やかゆみなどの症状が現れます。
一方、遅発型は原因となる物質を摂取後、数時間〜数日かけて肌荒れなどの不調が徐々にでてきます。
食物アレルギーとニキビの関連性は、まだあまり知られていません。
原因不明のニキビでお悩みの方は、一度ご自身のアレルギーについて調べてみてはいかがでしょうか。
ニキビが治らない原因まとめ
ここまでニキビが治らない原因についてお伝えしてきました。
ニキビが治らない原因の要点をまとめると以下の通りです。
- ニキビは皮脂の過剰分泌によってできるが、脂性肌だけではなく、乾燥肌でも起きる
- ニキビは睡眠不足や、偏った食生活などの不規則な生活習慣でできる
- 丁寧な洗顔と、油分の少ない化粧水などでしっかりと保湿ケアを行う
- ニキビが治らないときは、迷わず医療機関を受診する
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。