肌のターンオーバーについて
美肌になるために重要な「肌のターンオーバー」をご存知でしょうか。
言葉だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
本記事では肌のターンオーバーについて以下の点を中心にご紹介します。
- 肌のターンオーバーの乱れが引き起こす肌トラブル
- 肌のターンオーバーが乱れる原因
- 肌のターンオーバーを整える方法
肌のターンオーバーについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
肌のターンオーバーとは
一定の周期で肌の細胞が生まれ変わる仕組みを「ターンオーバー」といいます。
肌は表皮、真皮、皮下組織の3つが重なってできています。
ターンオーバーは1番外側にある表皮で起こっています。
常にターンオーバーが繰り返されることで、古い皮膚や角質が剥がれ落ちます。
正常な周期でターンオーバーが行われると、美肌を保つことにつながるのです。
肌のターンオーバーの周期
ターンオーバーが行われる表皮は約0.1〜0.3㎜しかありません。
身体の部位によって表皮の厚さは異なり、ターンオーバーの周期も異なります。
表皮が厚いのが手のひらで、薄いのは頭皮や額、手首です。
最も周期が短いのが顔で一般的に28日程度といわれ、その他の部位はそれよりも遅くなります。
また、年齢によってもターンオーバーの周期は異なり、28日〜56日と個人差があります。
出典:「【図解】肌のターンオーバーとは?年齢とともに周期が遅くなる原因&対策」
肌のターンオーバーの乱れが引き起こす肌トラブル
肌のターンオーバーが乱れると、様々な肌トラブルの原因となります。
古い肌と新しい肌の入れ替わりが上手くいかなくなるため、なかなか肌トラブルが治らなくなる場合もあります。
シミ・そばかす
シミやそばかすは、紫外線を浴びて発生するメラニンと呼ばれる色素の蓄積によって発生します。
通常は肌のターンオーバーによってメラニンは排出され角質として剥がれ落ちます。
しかし、肌のターンオーバーが乱れると皮膚の表面にメラニンが留まり、シミが発生してしまうのです。
紫外線対策と、肌のターンオーバーを正常に保つことがシミやそばかすの発生を予防するために重要です。
乾燥・肌荒れ
肌自身が作り出す水分量や皮脂量がバランスよく存在すると、肌のうるおいを保つことができます。
しかし、肌のターンオーバーが遅れると、角質層の水分量やうるおいを保つ力が弱まります。
肌の乾燥により、キメが乱れて肌荒れの原因となります。
乾燥による肌のヒリつきを感じる場合は、ターンオーバーが乱れている可能性があります。
くすみ・ごわつき
肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が剥がれ落ちずに蓄積されます。
角質が厚くなった肌は柔らかさやみずみずしさが失われ、くすみにつながります。
くすみとは、肌の透明感が失われて濁って見える状態です。
また、角質が厚くなり肌の柔らかさやみずみずしさが失われごわつく原因にもなります。
ごわつきを放置していると、毛穴の黒ずみやニキビといった他の肌トラブルを引き起こす可能性もあります。
しわ
肌のターンオーバーが乱れて乾燥すると、細かいしわができやすくなります。
水分不足により肌のハリが失われて皮膚が硬くなり、しわができやすくなるのです。
目元や口元などの良く動く部分は、とくにしわになりやすいといわれています。
通常は、ターンオーバーにより改善される可能性がありますが、乾燥が続くと深いしわとなる場合もあります。
毛穴の開き
肌のターンオーバーが乱れ古い角質が蓄積されると、毛穴の開きや詰まりの原因となります。
古い角質が蓄積され、角質が厚くなった肌は毛穴の溝も深くなり、毛穴の開きの原因となります。
古い角質を正しく取り除かないと、毛穴の開きから黒ずみや毛穴のシミなどの肌トラブルにつながる場合があります。
にきび・ニキビ跡
ニキビができる原因は、毛穴付近の角質が厚くなることと、皮脂の過剰分泌だといわれています。
肌のターンオーバーの乱れによって古い角質が蓄積され厚くなっていきます。
そうすると毛穴に汚れや皮脂が詰まりやすくなるため、ニキビができやすくなります。
ニキビ跡も通常は肌のターンオーバーによって新しい皮膚と入れ替わり薄くなっていきます。
皮膚の入れ替わりがスムーズに行われないと、ニキビ跡が残ってしまう原因となります。
肌のターンオーバーが乱れる原因
肌のターンオーバーが乱れる原因は、生活習慣やストレスなど様々です。
加齢による乱れもありますが、年齢に関係なく10代や20代の方でも起こる可能性があります。
間違ったスキンケア
毎日のスキンケアも、正しい方法で行わないとターンオーバーが乱れる原因となります。
十分なクレンジングや洗顔ができていないと、古い角質が剥がれ落ちずに蓄積してしまいます。
逆に、角質を落としすぎるような過剰なスキンケアも正しいスキンケアとはいえません。
強い洗浄力のある洗顔料は、ターンオーバーのサイクルを促進させてしまいます。
しっかりと汚れを落とし、保湿することが大切です。
紫外線ダメージ
紫外線による外部からの刺激も肌のターンオーバーが乱れる原因となります。
肌が紫外線を浴びると炎症を起こし、ダメージを回復させるためにターンオーバーが早まります。
また、紫外線を浴びたことで肌が乾燥すると水分不足によりターンオーバーが遅れてしまいます。
肌のターンオーバーは早くても遅くても乱れとなるのです。
不規則な睡眠
質の良い睡眠を取ると、肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されます。
そのため、不規則な睡眠や睡眠不足がターンオーバーの乱れにつながる可能性があります。
成長ホルモンは、日中の疲れを取りや肌のダメージを回復させるなどの働きもあります。
入眠後3〜4時間はとくに眠りが深くなり、成長ホルモンが分泌されるといわれています。
寝る前にスマホを見ないようにしたり、部屋を暗くしたりするなども質の良い睡眠を取るために効果的といわれています。
偏った食生活
肌のターンオーバーを正常に保つためには、内側からのケアも大切です。
とくに、ビタミンB2やビタミンB6といった栄養素が不足するとニキビなどの肌トラブルを起こしやすくなります。
ターンオーバーを維持したり、ホルモンバランスを整えるビタミン類や鉄分、タンパク質を意識した食生活を心がけましょう。
食事で摂るのが難しいという方は、サプリメントで補うのもおすすめです。
ストレス
ストレスは身体や心に様々な影響をもたらしますが、肌への影響も同様です。
ストレスにより自律神経が乱れると、肌のターンオーバーが乱れる原因となります。
過度のストレスは男性ホルモンの増加や免疫機能の低下などを引き起こします。
その結果、皮脂の過剰分泌や紫外線によるメラニンの増加を促進してしまいます。
適度にストレスを解消することも、肌トラブルを防ぐには重要です。
加齢
加齢により女性ホルモンや成長ホルモンの分泌が低下すると、ターンオーバーが遅くなる場合があります。
女性の場合は、25〜30歳前後をピークに女性ホルモンの分泌が減少していくといわれています。
ある程度は仕方のないことですが、生活習慣の改善や紫外線対策などでターンオーバーを正常に保てるように心がけましょう。
運動不足
慢性的に運動不足が続くと、血行不良につながります。
血流の流れが滞ると、必要な栄養素が届けられなくなり、代謝も悪くなっていきます。
その結果、肌への栄養供給が足りなくなり、ターンオーバーの乱れの原因となります。
血行不良は、ターンオーバーの乱れだけではなくクマや顔色の悪さにもつながります。
ターンオーバーを活性化させるためには、適度な運動を続けることが大切です。
肌のターンオーバーを整えるスキンケアのポイント
肌のターンオーバーを整えるには、正しいスキンケアが大切です。
毎日のスキンケアでターンオーバーを整えるために、スキンケアのポイントを確認していきましょう。
クレンジング
毎日のメイクを落とすのに欠かせないクレンジングですが、方法を間違えると肌に負担をかけてしまいます。
メイクが残らないようにしっかり落とすことが大切です。
摩擦で肌を傷つけないように、やさしく丁寧に洗うのがポイントです。
また、汚れを蓄積させないためにもその日のメイクや汚れはその日に落とすようにしましょう。
洗顔
洗顔をする際にも摩擦を避けるために、しっかりと泡立ててやさしく洗うのが大切です。
指先が直接肌に触れないぐらいの泡で洗うのがポイントです。
また、洗い流すときにはぬるま湯を使用するようにしましょう。
冷たい水では皮脂が固まってしまいますし、熱いお湯では肌の乾燥につながります。
フェイスラインや髪の生え際にも泡が残らないよう、しっかり洗い流すよう心がけましょう。
保湿
洗顔後は肌が乾燥しやすくなっているので、すぐに保湿しましょう。
まずは化粧水で肌に水分を与えて、肌をやわらかく整えます。
その後、乳液やクリームで保湿成分や油分を補います。
化粧水や乳液は手で温めてから伸ばすと浸透しやすくなるのでおすすめです。
化粧水を塗っただけでは水分が蒸発し乾燥につながるため、必ず乳液やクリームで保護するのがポイントです。
紫外線ケア
紫外線は夏や晴れている日だけではなく、1年中どんな天候でも降り注いでいます。
季節や天候を問わず紫外線ケアを行うようにしましょう。
また、室内にいても窓から紫外線は入ってきます。
1日室内にいるときでも、日焼け止めは欠かさず塗るのがポイントです。
日傘やUVカット効果のある衣類などを、状況によって使い分けるのがおすすめです。
肌のターンオーバーを整える生活習慣
生活習慣の乱れは、成長ホルモンや女性ホルモンの分泌量に影響する場合があります。
ホルモン分泌量の乱れは、肌のターンオーバーの乱れに繋がるため、生活習慣の改善を心がけましょう。
十分な睡眠をとる
肌のターンオーバーを促進させるために必要な成長ホルモンは、質の高い睡眠によって分泌されます。
眠りが深くなる入眠約3時間後はとくに成長ホルモンが分泌されやすいといわれています。
十分な睡眠とは、ただ睡眠時間を長くすればいいというわけではありません。
質の良い睡眠をとるために、寝る前にスマホやPCを触らないなど睡眠環境を整えるようにしましょう。
栄養バランスの良い食事を摂る
肌のターンオーバーを整えるためには、内側からのケアも重要になります。
ターンオーバーを整えるために摂ると良い栄養素と、多く含まれる食材を紹介しますので、毎日の食事に取り入れてみてください。
摂ると良い栄養素 | 多く含まれる食材 |
ビタミンB群 | レバー、卵、乳製品 |
ビタミンC | ブロッコリー、キャベツ、キウイ |
亜鉛 | 牡蠣、納豆、チーズ |
ストレスをためない
ストレスにより自律神経が乱れると、肌のターンオーバーが乱れる原因となります。
また、ストレスにより男性ホルモンが増えると皮脂の分泌が増える場合もあります。
ストレスの発散方法は人それぞれですが、喫煙や飲酒によるストレス発散は、肌への影響が考えられるため、あまりおすすめしません。
ストレスをためないように、休息をとること、適度に発散することを心がけましょう。
適度に運動をする
運動することは、ターンオーバーを整えるのに必要な血行促進につながります。
日々の適度な運動は、ストレスの解消やリフレッシュにもなるでしょう。
特にウォーキングや水泳などの有酸素運動は、心肺機能と免疫力を高め、血行を促進させます。
無理のない範囲で、運動やストレッチを行うようにしましょう。
たばこ・アルコールを控える
喫煙すると、ニコチンの血管収縮作用により血行が悪くなります。
また、アルコールは利尿作用があるため水分不足を起こし、ターンオーバーが乱れる原因となります。
どちらも身体に様々な影響があるといわれていますが、肌への影響も同様です。
肌のターンオーバーを整えるためには、できるだけ控えるのがおすすめです。
便秘を改善する
便秘で長時間腸内に便が残っていると、腸内で便の腐敗が進み悪玉菌が発生します。
悪玉菌から発生した有害物質が血液中の栄養素と一緒に取り込まれ、ターンオーバーが乱れる原因となります。
食事に発酵食品を取り入れたり、適度に運動して便秘にならないよう心がけましょう。
また、水分不足も便秘の原因となるので、こまめに水を飲むのもおすすめです。
肌のターンオーバーに関するよくある質問
肌のターンオーバーについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
ここからは、肌のターンオーバーに関するよくある質問に回答していきます。
自分のターンオーバーの周期を知る方法はありますか?
肌のターンオーバーの計算方法には、以下のようなものがあります。
- 28日(4週間)
- 年齢×1.5
- 28日+年齢(30歳の方は28日+30歳=58日)
ターンオーバーは個人差が激しく、ご紹介した計算方法で算出できる周期はあくまでも目安となります。
ターンオーバーが早いか遅れているかの見極め方はありますか?
肌のくすみが気になったり、手触りがゴワゴワしているときはターンオーバーが遅れている可能性があります。
また、ニキビや吹き出物がなかなか治らないときもターンオーバーが遅れていると考えてもよいでしょう。
通常、ニキビや吹き出物は7〜10日で治るといわれているため、この日数を目安にしてみてください。
ターンオーバーを整えることでシミは消えますか?
一般的にシミと呼ばれる老人性色素班は、ターンオーバーの正常化でもっとも改善しやすいといわれています。
肝斑やそばかすは、ターンオーバーの正常化で目立たなくなる可能性があります。
ただし、改善するためにはその他のレーザーや内服薬と併用して治療するのがおすすめです。
自分のシミがどのタイプか、自己判断するのは難しいため、クリニックや皮膚科で相談してみるとよいでしょう。
ターンオーバーを整えるためにピーリングはどのくらいの頻度で行うのがいいですか?
ピーリングは週1〜2回の頻度で行うのがおすすめです。
ピーリングとは、表皮表面の古くなった角質を洗い流すケア方法です。
やりすぎると肌を傷つけたり、赤みがでたりすることがあります。
ピーリングの薬剤の種類や商品によって頻度は異なります。
商品の説明をよく読んでから、正しい頻度で使用するようにしましょう。
肌のターンオーバーについてのまとめ
ここまで肌のターンオーバーについてお伝えしてきました。
肌のターンオーバーの要点を以下にまとめます。
- 肌のターンオーバーが乱れると、様々な肌トラブルの原因になる
- 加齢だけではなく、生活習慣や間違ったスキンケアで周期が乱れる場合がある
- 生活習慣の改善や薬で改善できる可能性がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。