顔に出来るシミの一種に、肝斑があります。
シミの治療方法は、種類によって違います。
本記事では、肝斑について以下の点を中心にご紹介します。
- 肝斑ができる原因
- 肝斑の治療法
- 自宅でできる肝斑の対処法
シミについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
肝斑とは
肝斑は、両頬を中心としてほぼ左右対称にできるシミです。
肝斑には、できやすいといわれる場所があります。
また、肝斑になる原因には様々なものがあります。
肝斑は、ぼんやりと地図状に広がった形状をしています。
また肝斑は、褐色調の色をしています。
肝斑は、30代から40代に発症しやすいとされています。
皮膚の色が濃い人ほど、肝斑はできやすいといわれています。
肝斑には、有効な治療法があります。
肝斑の治療法は、症状に合わせて行います。
出典: 3分で分かる!肝斑って何?肝斑というシミの知識入門編|かんぱんINFORMATION
肝斑ができやすい場所
肝斑のできやすい場所は、
- 頬
- 額
- 鼻下
- 口周り
とされています。
以下にそれぞれの部位にできる肝斑の特徴などを説明します。
頬
頬は、顔の中でも特に肝斑ができやすい部位とされています。
頬の肝斑は、両頬骨の張り出した部分を中心に現れます。
また頬の肝斑は、ぼんやりと茶色いシミ状になります。
肝斑は、頬骨を中心に頬全体に広がることもあります。
広範囲に及ぶ肝斑は、境界がはっきりしないのが特徴です。
広範囲の肝斑は、化粧で隠すことが難しくなります。
そのため、精神的ダメージも大きいといわれています。
頬の肝斑の形状は、蝶が羽を広げたような外観をしています。
額
額は紫外線が当たりやすく、シミができやすい部位とされています。
額の肝斑は、眉の上から髪の毛の生え際あたりまでの範囲に現れることがあります。
額にできる肝斑は、ぼんやりとした地図のような形状をしています。
額の肝斑は、額の中央に広がって現れることもあります。
また、額の左右対称に肝斑が現れることがあります。
額の肝斑の色は、淡い褐色をしています。
額の肝斑は、眉の下や目の周りにできることはないとされています。
鼻下
肝斑は、鼻の下にも現れることがあります。
口ひげが生える部分に、ぼんやりとした肝斑が広がることがあります。
鼻の下の肝斑は、男性の口ひげのように左右対称に広がります。
鼻の下に肝斑ができると、肝斑の部分に影ができます。
肝斑の影が、ひげのように見えることがあります。
また鼻の下が黒ずんで、ひげのように見えてしまう場合もあります。
そのため、見た目を気にして悩む女性も多いといわれています。
口の周り
口の周りも肝斑ができやすい場所です。
口の周りの肝斑も、左右対称に現れることがあります。
ぼんやりとした、くすみのような褐色のシミが現れます。
口の周りを一周して縁取ったような肝斑が現れることがあります。
また肝斑が顎近くまで広がる可能性もあります。
肝斑とその他のシミの違い
肝斑とその他のシミは、区別し難いとされています。
肝斑以外のシミには、
- 老人性色素斑
- 色素沈着
- そばかす
があります。
肝斑以外のシミの特徴を以下で説明します。
老人性色素斑との違い
老人性色素斑は、シミの中で、1番多く生じる種類とされています。
紫外線が当たりやすい部分にできやすく、日光性黒子とも呼ばれます。
老人性色素斑は、
- 大小さまざまなサイズ
- はっきりとした輪郭
- 茶褐色や茶色いシミ
- 紫外線をよく浴びる部位のシミ
が特徴で、肝斑と見分ける目安になります。
老人性色素斑は、主に40代以降に現れるといわれています。
スポーツなどで多く紫外線を浴びていた場合は、20代に現れることもあります。
炎症後の色素沈着との違い
色素沈着により、皮膚の一部の色が濃くなることがあります。
色素沈着は、メラニン色素が皮膚に沈着することで起こります。
炎症後の色素沈着はシミになる前に、
- ニキビ
- 虫刺され
- かぶれ
- 火傷
などの炎症が起きているのが特徴です。
シミが出来る前の炎症の有無が、肝斑と見分ける目安になります。
炎症後の色素沈着は、若い年代にも起きることがあります。
また炎症後の色素沈着は、50代や60代以降でも増えたり濃くなったりすることもあります。
そばかすとの違い
そばかすは、鼻の周りなどに小さくシミができる現象です。
そばかすの原因は、遺伝的要素が大きく関わっているといわれています。
そばかすの特徴は、
- 1つ1つが非常に小さい
- 左右対称ではない
- はっきりした輪郭
などで、肝斑の特徴とは違っています。
そばかすは、幼少期から10代にできることも多いとされています。
そばかすの特徴には、気温が上がると濃くなるというものもあります。
また、気温が下がると薄くなりやすいといわれています。
肝斑ができる原因
肝斑ができる原因には、
- ストレス
- 紫外線
- 乾燥
- 摩擦
- 妊娠やピルの服用
があります。
肝斑の原因について、以下で説明します。
ストレス
肝斑の主な原因は、ホルモンバランスの乱れといわれています。
ホルモンバランスの乱れは、ストレスによって起きることがあります。
肝斑ができないように、ストレスをため込まない生活をすることが大切です。
またシミがあることがストレスになり、症状が悪化することもあります。
シミが治らないことで、ストレスがたまることが考えられます。
自分でケアをしても効果が感じられない時は、皮膚科医に相談することをおすすめします。
紫外線
肝斑は、紫外線ダメージがきっかけで発症することがあります。
紫外線の影響により、肝斑の色が濃くなることもあります。
紫外線は、季節や天気に関係なく常に降り注いでいます。
紫外線対策は、一年を通して行うことをおすすめします。
日傘や帽子などの紫外線対策グッズは、紫外線カット率の記載が目安になります。
日焼け止めは、紫外線から肌を守る目安のSPFやPAの指標があります。
日焼け止め選びは、SPFやPA の指標を参考にすることをおすすめします。
摩擦
肌の摩擦は、肝斑の原因になると考えられています。
メイクやスキンケアをする時に、肌は摩擦による刺激を受けやすくなります。
肌は刺激を受けると、メラニン色素を作り出します。
メラニン色素が沈着して、肝斑が現れるおそれがあります。
摩擦が原因で、肌表面のバリアが破壊されて肝斑ができることもあります。
摩擦の刺激に注意するには、
- メイク落とし
- 化粧水
- 保湿液
でスキンケアをする時に、肌に負担をかけないことが大切です。
妊娠やピルの服用
妊娠すると、ホルモン量が大幅に増えます。
妊娠中のホルモンバランスの変化が、肌に複雑に影響することがあります。
そのため、肌にメラニンができやすくなり、肝斑が現れる可能性があります。
妊娠中に出来る肝斑は、妊娠性肝斑と呼ばれます。
妊娠性肝斑は、産後にはおおむね落ち着くといわれています。
ピルの服用も、肝斑ができる原因と考えられています。
またもともと肝斑があった人のピルの服用は、肝斑の悪化の可能性があります。
肝斑に有効な治療4選
肝斑は、適切な治療で改善可能です。
有効な治療法は、
- 皮膚脱色クリーム
- ケミカルピーリング
- 内服薬
- レーザー治療
です。
肝斑に有効な治療法について、以下で説明します。
1.皮膚脱色クリーム
ハイドロキノンという塗り薬は、肝斑の治療に有効とされています。
ハイドロキノンには、メラニンの生成を抑制する働きがあります。
そのため、ハイドロキノンの使用でシミを薄くすることが可能です。
ハイドロキノンを使用する際は、紫外線対策をすることが重要です。
ハイドロキノンの使用中に強い紫外線を浴びると、肝斑が悪化するおそれがあります。
日焼け止めなどを使用して、万全の紫外線対策を行うことをおすすめします。
2.ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、肝斑の治療に適しているといわれています。
ケミカルピーリングは、肌表面の色素や汚れを酸の力で除去します。
その結果、肌のターンオーバーの乱れを正常に戻します。
ケミカルピーリングを継続すると、肌のターンオーバーが整えられます。
その結果、肌状態が改善されます。
ケミカルピーリングには、肌を傷つけるおそれはないとされています。
3.内服薬
肝斑ケアに使用する内服薬は、トラネキサム酸です。
トラネキサム酸は、色素沈着を防ぐ効果が見込めます。
トラネキサム酸の服用は、医師の指示のもと毎日の服用をおすすめします。
服用期間は、最大で2カ月間とされています。
2カ月以上の服用の場合は、休み期間を挟んでからの再開とされています。
トラネキサム酸は、市販薬もあります。
市販薬は、用法容量を必ず守ることが重要です。
長期服用の場合は、皮膚科や美容外科受診をおすすめします。
4.レーザー治療
肝斑治療で行うレーザー治療は、レーザートーニングです。
レーザートーニングは、肝斑に非常に弱い威力のレーザーを照射します。
そのため、肌へのダメージを最小限に抑えられます。
レーザートーニングで、
- 毛穴の開きや黒ずみ
- 肌のくすみ
の改善や美白が期待でき、肝斑が少しずつ薄くなります。
施術は、
- 2週間に1度
- 5~10回
が目安です。
肝斑の色は、施術完了後しばらくしたら戻ります。
そのため、施術を再度受ける必要があります。
肝斑がマスクで悪化
マスクの着用で、肝斑が悪化することがあります。
マスク着用で、
- 肝斑が悪化する理由
- 肝斑を悪化させない対処法
を以下に紹介します。
肝斑がマスクで悪化する理由
肝斑の悪化の原因には、皮膚の摩擦が関係しているといわれています。
マスクの着用は、肌に摩擦が生じて肝斑の悪化の原因になります。
マスクがこすれる部位は、特に肝斑ができやすい傾向があります。
マスクの着用前に日焼け止めを塗っておくことは大切です。
ただし、マスクの着用で塗布していた日焼け止めが落ちてしまう可能性があります。
日焼け止めが落ちた部位に紫外線のダメージを受けると、肝斑の悪化のおそれがあります。
マスクで肝斑を悪化させない対処法
マスクで肝斑を悪化させない対処法には、
- サプリの内服
- 有効成分入り化粧水で保湿
があり、以下で詳しく説明します。
対処法1:サプリを内服
肝斑に有効とされている成分は、
- トラネキサム酸
- ビタミンC
とされています。
トラネキサム酸は、
- メラニン色素の合成
- 肌奥の炎症
- 過剰なメラニン
を抑制する働きがあるとされています。
トラネキサム酸は、ホルモンに作用する薬剤ではありません。
ビタミンCも肝斑の改善に有効といわれています。
ビタミンCは、
- メラニンの色素沈着の抑制
- 活性酸素を無害化
- 新陳代謝アップ
- 美肌を保持
する働きがあるとされています。
対処法2 :有効成分を含む化粧水で保湿
有効成分を含む薬用化粧水は、肝斑のケアに効果が期待できるとされています。
薬用化粧水には、選び方のポイントがあります。
薬用化粧水の選び方のポイントは、
- 有効成分
- 使用感
- 価格
の確認です。
薬用化粧水に、肝斑に有効とされるトラネキサム酸を含むか確認が大切です。
薬用化粧水の使用感や香りの確認もおすすめします。
値段の安い薬用化粧水が、必ずしも効果が薄いわけではありません。
成分や使い心地など、自分に合うものを選ぶことが重要です。
肝斑に関するよくある質問
肝斑に関する質問の中で、
- 肝斑が自然に消える可能性
- 肝斑予防の注意点
- 内服薬で肝斑は薄くなるか
- 肝斑ができやすい人
について、以下で説明します。
肝斑が自然に消えることはありますか。
肝斑は、人によっては完全に消えるといわれています。
ただし、肝斑が自然に消えることは稀なこととされています。
肝斑は、1度現れると一定の期間は自然には消えないといわれています。
肝斑が自然に薄くなることはあります。
肝斑が薄くなる度合いには、個人差があります。
また肝斑と女性ホルモンは、密接な関わりがあります。
閉経すると、女性ホルモンの乱れが落ち着きます。
そのため、肝斑は60代以降に自然に薄くなっていくといわれています。
肝斑予防で気を付けることはありますか。
肝斑予防では、紫外線を避けるよう気を付けることが大切です。
肝斑予防は、紫外線を避けられるグッズの使用をおすすめします。
紫外線を避けられるグッズには、
- UVカット化粧品
- 日焼け止めクリーム
- 飲む日焼け止め
- マスク
- サンシェード帽子
などがあります。
肝斑を予防するには、健康的な生活でホルモンバランスを整えることも大切です。
内服薬だけで、肝斑は薄くなりますか。
肝斑の治療は、基本は薬で行うとされています。
肝斑治療は、
- トラネキサム酸
- ビタミンC
の内服を行います。
内服薬は効果が期待できる場合、6ケ月から1年くらいを念頭に続けるとされています。
肝斑の診断に間違いがない場合は、1〜2ケ月の内服で肝斑が薄くなる人もいます。
大体7〜8割くらいの人で肝斑が薄くなるといわれています。
出典:肝斑の治療 | いしい形成クリニック
肝斑ができやすい人の特徴はありますか。
肝斑ができやすいのは、男性よりも女性の方だといわれています。
肝斑は、30代から40代以上の女性に多くみられます。
肝斑ができやすい人の特徴は、
- 紫外線によく当たっている
- ピルをよく使用する
- たばこをよく吸う
人で、人種ではアジア人が特にできやすいとされています。
また皮膚の色が濃い人の方が、肝斑ができやすいといわれています。
肝斑まとめ
ここまで肝斑についてお伝えしてきました。
肝斑の要点を以下にまとめます。
- 肝斑ができる原因は、ストレス・紫外線・乾燥・摩擦・妊娠やピルの服用
- 肝斑の治療法は、皮膚脱色クリーム・ケミカルピーリング・内服薬・レーザー治療
- 自宅でできる肝斑の対処法は、サプリ内服・保湿ケア・健康的な生活
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。